キモノの美しさや楽しさは云うまでもありませんが、「布」自体が持つ力強さにはクラクラします。タテヨコ、タテヨコ…と糸が交差しながら一枚の布が出来上がっていく。しかし、その作業をするためには糸となるものを準備しなくてはなりません。人は、まず考えられる限りの、あらゆるものから糸を作り出しました。綿、紙、草、蔦、それに藤やシナや柳などの木の皮、果物の繊維etc…その発想力と創造力たるやスゴイと思いませんか?
今日は自然布を集めた催しものに行ってきました。一枚いちまいを眺め、また手にとって風合いを確かめる。完成に至るまでに要した時間、労力、愛情、苦労、信念というような、目には見えないけど確固たるエネルギーを感じます。きっとそれが身にまとった時に「ぬくもり」「気持ち良さ」「しなやかさ」「美しさ」といった喜びになるのかもしれないですね。
沢山の反物が並ぶ中に、妙に惹かれるものがありました。「津軽こぎん刺し」。
まぁ、いわゆる刺繍ですけど、素朴で実直なところが良いのです。写真では普通の模様にしか見えないのが残念。この模様を形成しているのは小さな、小さな一針なんです。しかもどういうわけか、反物が並ぶ中で、これだけちゃんちゃんこ風のものに仕立ててあったので羽織らせてもらいました。肩や背中をフワッと包み込んでくれるような心地よさ。う〜ん、ワンピースの上だとヘンテコですけどね(笑)。これが帯や普通のキモノになっていれば、
そりゃステキに違いありません!
自然布にふれた一日。一言でいえば「人間ってすごいな」かな。このようにキモノはいろんな切り口で、私に新しい世界を案内してくれるのです。