米国や欧州では40℃を超えているというニュースを耳にすると、東京の暑さぐらいで愚痴ってはいけないような気になります。しかも日本には五感で涼を味わうという文化があるのも嬉しいですね。わずかに揺れる暖簾や、チリンと鳴る風鈴の音色。すだれに仕切られた屋内外の光の強弱、キモノの色や柄…あらゆる「美」は「気持ち良さ」と一体になって生活の中にとけ込んでいます。
とはいえ、やはり暑いものは暑い! なので今日は家の中で、おっとりと過ごしました。
気分は…夢二の世界…かな。ショートボブが少し伸びてきたので、無理矢理カーラーで巻いてルーズなアップ風にアレンジ。着物もきっちり着つけず、少々グズッとするぐらいのスキを残しました。
シャリ感のある麻のキモノですが、紫の濃淡だけで矢羽根を織り出しているせいか、やわらかい印象になると思います。
さわやかに白の帯でスッキリさせるのが私の好みですが、今日は「夢二」ということで、あえて赤をコーディネートすることで耽美な世界を表現しました。
同じ「紫 x 白 x 赤」という3色づかいでも、比率が変るだけで印象はかなり違ったものになります。
赤い帯に白の帯締め。白い帯に赤の帯締め。目的に合わせて使い分けると装いの幅が広がって楽しいですね。
また全く同じコーディネートでも、着付けの具合で印象が変るのを想像して頂けますでしょうか。今回のようにスキを作った着方なら、紫のキモノがふんわりと甘く映ると思います。けれども、キリッと気つけると、紫は着る人をとても粋な雰囲気にしてくれます。
「数を持ってないからつまらない」という声をよく聞きます。そんなことはありませんよ。同じキモノを何通りにも活かせるのが本物のオシャレさんですもの! 私も日々、試行錯誤でフーフーしています。
…それから「アンティーク派」とか「正当派」とか、自分をカテゴリー分けしている人もいるようですね。それも何だかもったいない気がします。わざわざ自分に枠をはめなくても、いろんなモノの良いところを楽しめばいいと思いますよ(私は欲張りです…)。ちなみに今日の「夢二の世界」は全くアンティークでないもので演出しました。