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2006年08月 アーカイブ

2006年08月02日

朝顔

東京もやっと梅雨明けしたと思ったら、なにやら秋めいた風…涼しくて爽やかなのは助かるけど調子狂っちゃいます。今か,今かと出番を見計らってるセミたちはどんな気持ちだろうか。
今年は朝顔のタネ蒔きがいつもよりも遅くなってしまいました。おまけに芽を出してからずっと雨だったからか、うまく育っていません。30cmほど伸びたところで先細り、つぼみもつかず。花を咲かせてはタネをとり、また翌年につなげているのにな。今年はどうだろうか。8月のお天気次第では回復するかしら。ガンバレ、朝顔!

ベランダの朝顔はまだなので、帯に花を咲かせてみました。麻の染め帯です。帯揚げは白やラベンダーなどにするとスッキリと上品なイメージになるでしょう。でも少し髪も切ったことだし、白黒のチェック柄で少々個性的に。元来コンサバなのですが、縞とチェックの組み合わせで冒険しました。Asagao
キモノは竹縞の浴衣です。このHPにちょいちょい登場してますが、ホントに重宝。今日は小野さんを訪ねるのに電車に乗ったので、衿をつけ、足袋をはき、帯は名古屋というお出かけスタイル。こういう綿麻の浴衣は便利なので一枚あると良いですよ!

さて、朗読ユニット「言の葉号」の相方・小野紫さんを訪ねたのは他でもありません。春以来活動していない言の葉号をそろそろ出航させようか、という相談です。とりあえずアイディア出しだけの段階ですが、また面白いことが出来そうなので楽しみです。決まったらお知らせしますので、みなさん遊びにいらしてください。

2006年08月04日

まだ? まだまだ! 浴衣事情

 先日、知人YからSOSの連絡を受けました。実家から浴衣セットが送られてきたので、どうすれば良いか教えてほしいとのこと。急遽、着付けレッスンをすることに。箱の中には浴衣、つけ帯、下着類、巾着などの小物まで…至れり尽くせりのセット。その中に謎の布がヒラリ。何だろ? 腰紐にしては短い。Yがあらかじめラベルを取っておいたので、分らない。Y曰く、エリだという。エリ…衿?

Whatsthis 実は、色柄違いでもうワンセットあったので、それを開封してみることに。手つかずのセットの中にはやはり「エリ」が入っていた。しかも未開封のパッケージには「ユカタヨウカサネエリ」としっかり明記。う”〜。販売メーカーがこういうことをするか!? マイッタ。

 近頃は浴衣を華美に飾り上げるのが若い人中心のファッションに取り入れらえています。ファッションは文字通り、その時々のニーズや趣向に基づくものですから、いろんな関わり方や風潮あってしかり。それぞれが楽しく自由に装えばOK。けれど最低限のラインというのは知っておいて欲しいです。少々口はばったいようですが、あえて発言させてもらいます。
 キモノ関連の雑誌や特集が増えているのはとても嬉しいですね。フォーマルなものからくだけたものまで種類も豊富。中にはビックリするほど独創的でポップなコーディネートも登場します。着物にアクセサリーをジャラジャラ、サングラスに毛皮のマントに編タイツ…。ひとつのアートとして眺めた場合、トキメキがいっぱいで私も決してキライではありません。ただ、それは雑誌の「ページ」というフレームがあって始めて成り立つもではないでしょうか。パリコレなどで発表される奇抜なスタイルも、ステージの上の演出された世界と実際のユーザーに合うものとでは違います。REAL CLOTHES という表現があるように、キモノにも実生活の中で活きてくるスタイルがあります。オシャレな皆さんには、どうかそのエッセンスだけを上手に取り入れて頂ければと思います。
 かくいう私も(20年以上も昔)パンクにドップリでした。ガンガンに逆毛を立てて、スタッド付きの首輪をしながらキモノを着てました。上前もわざと逆にしたりして…。今にして思えば、そのころ大人たちはさぞ苦々しい想いで私を見ていたことでしょう。若かったな〜。しかし!(自分を正当化するわけではないですが)何かに対するアンチテーゼや自己表現としてタプ−を犯すのと、知らないで「やってしまう」のとでは違います。
 歌舞伎役者の中村勘三郎氏がこんなことをおっしゃっていました。
「基本が出来てるうえで自由にやるのは型破り。だが基本もないくせに好き勝手やるのはただの形無しだ」 
さすがですね。お芝居や着付けに限らず、これは何にでも当てはまる言葉だとして私に深く突き刺さっています。
 何だか随分と話題が広がってしまいましたが、さて、ユカタヨウカサネエリについて。
これはまず有り得ません。そもそも重ね衿=伊達衿というのはフォーマルなものです。留袖、振り袖、訪問着などに用います。つまり浴衣に重ね衿なんて、まるでパジャマにネクタイをすうるようなもの。はっきり云ってトンチンカン。
 しつこいようですが、浴衣はあくまでも「涼やか」「爽やか」「手軽」が身上。ちょっとしたお出かけで、襦袢に衿をつける場合でも白く、幅もあまり大きく出さずにスッキリさせるのがオシャレ。また帯揚げや帯締めはお太鼓結びにするために必要なものです。サラリと半幅帯を締めたなら必要ないもの。どうしても飾りが欲しい時は、根付けや小さめのさりげない帯留めぐらいが良いでしょう。
(あれもこれも「さも必要」というように商品が出回っていますが、メーカーさんの「商売っけ」に振り回されないようにご注意を!)

 やっと梅雨が明け、「やっぱり浴衣を新調したい」という方もいるのでは? 今からだと仕立て屋さんが夏休みに入ってしまうので、だいたい仕上がりが8月20日頃になる可能性あり。でも超ラッキーならギリギリお盆直前に滑り込めるかもしれません。いずれにせよ、思い立ったら一分でも早く行動に移すべし! 浴衣の着用時期は7月、8月と云われていますが、この暑さ。秋祭りやご近所用の普段着としてまだまだ出番はありますよ。種類によっては単衣のキモノとして活用できるものもあります。浴衣出遅れ組の皆さんもまだ諦めないでくださいね。

2006年08月05日

浴衣事情2

「いくらぐらい?」
「家庭があると、資金ぐりが…」
「仕立てるなんて贅沢〜」
 こんな質問やメッセージが多く寄せられます。何をするにも先立つものの心配はつきものですよね。よく分ります。特にキモノ類は、お金をかけようと思えば際限ありません。ホントにお金のなる木でも植えたいぐらいです(トホ…)。でも高額ばかりがキモノじゃありません。特に浴衣は手頃な品も沢山あるので入りやすいですよね。安いものなら仕立て上がりで4、5千円ぐらいからありますよ。
 そんな中でも侮れないのがユ○クロ。浴衣を取り扱い始めた当初、さっそくチェックしに行きました。その頃は、ハッキリ云ってヒドイ!と思いました(ごめんなさい)。あんな貧相なものをまとうなら、いっそTシャツと短パンでいいじゃんって感じでした。以来ユ○クロの浴衣は私の中から消えました。ところが数年たった先日、たまたま手に取ってみる機会がありました。すると、どうでしょう。この数年の間にものすごく進歩しているではないですか!実際に袖を通してないので着心地までは計りかねますが、触った限りではイイ線いってましたよ。¥3990でフルセットが手に入る便利さ(今週末キャンペーン¥2990)。私は白 x 紺の「向日葵」というのが狙い目だと思います。難を云えば、知ってる人が見れば「あ、ユ○クロだ」って分ってしまうこと。でもそれも気持ちの持ちよう。要するに、着る人が何をもってヨシとするかなんですよね。ちょっと良いもの着て満足に浸るか、「お得」をヨロコビとするか。もちろん良いものをリーズナブルに、というのが最高ですけどね!
 さて、超低価格のバジェット路線以外では、19,000円〜39,000円ぐらいでしょうか。デパートのオリジナル商品や、Dブランドが打ち出しているキモノ・ラインの仕立て上がり価格です。
 一方、反物は10,000円〜。作家ものや、手の込んだ高級品を覗けば、2万円以内でかなりステキなものはゲットできるはず。プラス仕立て代(1万〜15,000円)をプラスしても吊るしのお仕立て上がりとさほど変りません。それならいっそ、自分の寸法にピタリとあった着やすいマイ・浴衣を一枚…というのもアリですよね。浴衣は体の線がより出るので、体に会った寸法のものはキレイです。それに着付けもラクチン!
 花火に一回着るだけだから、という人は手頃なものでもいいし。或いはもうちょっとステップアップしたい、という人は仕立ててみる。さらに、もっと頑張って自分で作ってみるのもいいかも。まだ間に合いますよ。
 

2006年08月07日

浴衣事情…さらに

こないだ「浴衣事情」ということで、ユ○クロの激安・浴衣を取り上げました。記事を載せた後、書くからには自分で着てみないと…という気持ちがフツフツと沸きまして、試しに買ってみることにしました。う〜む、ツッコミどころは多々あります…が、この値段を考えれば何の文句が云えましょう。何よりも、和装を遠い世界のものと感じていた人たちが「着てみようかな」と身近に感じてくれるキッカケに成りうるということがイイですね。スタートがどうあれ、そこから徐々に本物の良さが見直されていくようになればステキですもの。


Pink
帯はさすがにペラペラです。でもそのペラペラがかえって軽くてイイ!という人がいるやも? 


Black
和装を楽しむ上で着物以上に大事なのが、実は帯なんです。どんなに上質な着物を着ていても、帯が安っぽいと全身が安っぽくなってしまう。反対に着物はそこそこでも、いい帯を締めていると全体がグレードアップする。試しに単衣の薄いものですが、正絹博多献上の浴衣帯をしてみました。


White
こちらは同じ正絹の博多献上でも浴衣用の単衣ではなく、小袋になっている(裏地あり)しっかりとしたものです。写真ではテクスチャーの違いまでは分りづらいですが、何となく雰囲気の違いを分って頂けるでしょうか。もし「なんか違うな」と感じて頂けたなら、それはきっと帯の配色による印象の違いではないと理解してください。


 元々、自然派ではありますがキモノに興味を持ち始めてからより環境問題に敏感になりました。まず季節の移り変わりを意識します。また、美しい染め物・織物は、それを形成する材料があってこそです。それらは全て自然界に存在します。自然が破壊されれば、どんどん作れなくなってしまいます。気候も大事です。各地には、その土地ならではの寒暖を利用した技法があります。温暖化や異常気象によって、長年に渡り培われた知恵と技術が途絶えてしまう可能性もあるわけですね。さらには「職人」という資源です。着る人・使う人=受け皿がなければ、どんなに優れた作品も意味をなくしてしまいます。技と心意気を後世に伝えてゆくためにも、受け皿である私達がもっとキモノはもちろん、地場のものを見直していきたい……そんなことを想う日々です。

2006年08月09日

リゾート No.1

暦の上ではもう秋。けれどまだまだ残暑は続きます。これから避暑に行かれる方も多いのでは? そこで今回の「洋服〜キモノ・翻訳」企画では、リゾートをテーマにスタイルを作ってみました。


Tabasaknit_3
パイル地のワンピース。クシュクシュっとトランクに詰め込んでもシワの心配がないのが助かります。また旅先で汗をかいても、ザブサブっと洗ってタオルに挟むようにして絞っておけば、すぐに乾いてしまうのも重宝。


Kappafull_2
綿麻のキモノ。このように一枚で気軽に浴衣っぽく着ると、グンとカジュアルに。縮織特有のシボが、肌にあたる面積を減らし、汗ばんだ体にもサラリとした着心地です。今回はカジュアル度をより上げるために履物はトルコ石をあしらったサンダルを着用。バッグはインドネシア土産のバスケットです。

派手な色柄の帯でもっと遊んでも楽しいでしょう。Suzunetsuke_1今回は帯をスッキリとシンプルにしたので、ベビーピンクの珊瑚で作った鈴の根付けをアクセサリーにしました。ワンピースに合わせているチョーカーは貝でできています。海のものを身につけるだけでも、気分はリゾート!

2006年08月11日

リゾート No.2

 ひとくちにリゾートと云っても、やはり様々なシーンがあります。昼間はTシャツと短パンでOKでも、夜になってラウンジでカクテルを…なんていう場合には着替えなければなりません。そんな時、キモノは同じでも、帯や小物をちょっと変えるだけで「ドレスアップ」することが出来ます。
帯をお太鼓結びにして、衿をつけ、足袋を履くだけでガラリとグレードが上がります。そうした装いのマナーはキモノだけでなく、洋服にも共通しているのが面白いですよね。
例えば「素足」。素足に下駄=とてもリラックスしたカジュアルなスタイル。洋服でも同じです。今でこそ「生あし」なんてもてはやされていますが、以前は「女の子がストッキングもはかずに出かけるなんて!」と小言を云われたものです。
 「衿」も同様。「衿を正す」という表現があるように、衿にはその人の気持ちが表れるようです。洋装のポロシャツ。スポーツをする時にTシャツは楽で便利ですが、やはりそこにもマナーやスタイルを重んじる気持ちがあったのでしょう。楽だけど「衿」がある…ポロシャツが誕生したそうです。今でもゴルフ場では「衿なし」はダメ。よって皆様ポロシャツ姿ですね。


Kappahassun
綿麻の浴衣感覚のキモノなので、ドレスアップといっても、さほどリキむこともないでしょう。帯は芯の入った「九寸」ではなく、芯もなく手軽に締められる「八寸」にしました。衿もサラリとした麻素材のものです。この場合、わざわざ長襦袢を着なくても、半襦袢や筒袖の先がレースになってるような肌襦袢でも良いでしょう。マナーは「ルール」ではなく「心遣い」…場に合わせた装いを楽しみたいですね。


Kappaheko
こちらはまた一段とカジュアル。
「気軽」「手軽」はもちろん、荷物も軽くなるのが兵児帯です。今年は大人の兵児帯スタイルがずいぶんと紹介されています。あまり「お子ちゃま」にならないように、色や質には要注意!

おまけ。(左)セパレーツの水着にパレオ。ならば浴衣も大胆に…!(右)インドネシアのスカーフをサッシュ風に巻きました。 Omakeおはしょりの上から巻いていますが、いっそ腰紐代わりに巻いて、あとはダランとブラウジングしたようなスタイルも面白いです。ハリウッド女優がキモノをガウン風に着ている…アレです。ただし、その場合はチューブトップなどのインナーが必要。

リゾート No.3

「どうだ!」と云わんばかりの頑張っちゃったオシャレも時にはいいですが、さりげないけども自分なりのコダワリがある…というのが好きです。みんなに気付いてもらえなくても、わかる人にはわかる、そんなのが楽しいと思いませんか。

Whitedress_1
パッと見はシンプルなワンピース。ジャージー風の素材は普段着っぽくなりがちですが、繊細な地紋と裾にあしらったアンティーク調のレースが甘過ぎないエレガンスを引き出しています。シフォンのスカーフで、レトロな女優気分。

Uminoie
キモノは白地に極薄の水色とベージュの縞がはいった夏塩沢。とても軽くて風通しが良いです。すくい織りの八寸帯も白ベースなので、あっさりとした夏スタイルになります。でもせっかく開放的な季節ですから、帯の柄は大胆に遊んでみるのもいいでしょう。お太鼓には昔ながらの海の家の様子が織り出されています。かき氷や焼そばなど、見れば見るほど凝ったディテールに笑ってしまいます。

Uminoiefront_1
帯前は砂浜にパラソルと浮き輪。帯留めやブローチなど、アクセント次第でどこまでもイメージは広がりますね。

2006年08月13日

リゾート No.4

 お盆らしく、親戚と集まったり、お墓参りをしてる方。思い切りバカンスの方。いつもと変らない方。プラ〜っとしてる方。皆様はどんな過ごし方をしているのでしょうか。
私はいつも通りの毎日ですが、NY在住の友人が家族で帰国しているので、明日はみんなで食事会です。
何を着て行こうかな。
「洋服〜キモノ・翻訳」今回はちょっと「よそゆき」です。


Monotone
シルクのワンピース。アクセントのリボンがハイウェストなので、よりフェミニンな感じです。写真では分りにくいですが、ウエストの切り替えの下は細かいプリーツになっています。厳しい残暑の中でも風が遊ぶのが嬉しいです。デザインが凝っていても、白 x 黒のモノトーンは周囲とのバランスが取りやすいので便利。


Butterflyshiozawa
キモノは夏塩沢。全身が蝶々だと派手になりそうな気がするかもしれませんね。しかしトーンを変えただけで、基本は緑だけの一色使いなので、案外落ちついた着姿になります。
本羅織りに藍の濃淡の染めをほどこした帯をしめました。「羅」とは編み物のように、複雑に糸を絡め合わせながら織ったものです。何とも云えない奥行きや立体感が生まれ、無地でも充分に存在感があります。芯の入らない八寸でありながら、しっかりとした上質感/高級感が漂います。
緑 x 青のコーディネートはなかなか難しいもの。けれど今回は蝶々の部分、それと青のグラデーションの途中に浮かぶ「灰み(グレー)」がキモノと帯の共通点となって二つを結びつけてくれました。まさに「グレーゾーン」?…って、意味が違うか(笑)。

2006年08月14日

浅草を満喫

NY在住の友人一家が日本に里帰りしました。この日は皆で浅草へ。浜町育ちのお父さんとって下町はやはり格別。子供たち以上に目を輝かせ、水を得た魚のように生き生きとしていました。お父さんの先導で食事は「尾張屋」。さすが「蕎麦は粋に喰いねぇ」というセリフが得意なお父さんに育てられた子どもたち。NYっ子でも気持ちよくお蕎麦を平らげていました(べちゃべちゃ、ぐちゃぐちゃ、ノロノロ…東京育ちでも不味そうに蕎麦を食べる人が多いというのに…たのもしい!)
食後、浅草寺に行ったことのない子がいたので、仲店をブラリと流してお参り。帰りは「梅園」に寄って甘いもので〆る。実に優等生的な浅草のひと時でした。おみやげに「亀十」のどらやきを買おうと思ってたけど、「梅園」の粟ぜんざいにすっかり満足してどらやきはパス。家に着くころになって「やっぱ買ってくりゃ良かったな」と後悔。
あ、いや。お盆だからどうせ休業中に違いない…と、自分を納得させるのでした。

Asakusa
ガイドブックに出てくるような典型的な浅草観光には、やはり「ザ・浴衣」がよろしいでしょう。深い紺の地に、白く朝顔やアザミを染め抜いたもの。帯は白の博多(出番多し!)。下駄も白木で、鼻緒は白 x 黒の極細の縞。

2006年08月15日

初めての着付けにチャレンジ!

 去る7月7日。Inter FM にゲスト出演した際にリスナープレゼントとして無料・着付け体験レッスンを提供させて頂きました。当選者のMさんは日本在住のウズベキスタン人。しばらく里帰りしていたために遅くなりましたが、ついに着付けにチャレンジすることに。
 
 実際の着付けを始める前に、私はキモノを単なる「キレイなおべべ」として広めたいだけでなく、それに宿る歴史やスピリットも受けとってほしいと伝えました。キモノは長方形に裁断した大小の生地から出来ているので、例えば古くなってヒザが抜けても上前と下前を逆さにして仕立て直せばまた生き返るなど、いかようにも融通がきくようできていること。どうにもキモノとしてはボロくなりすぎたものは座布団カバーにしたり、雑巾やおむつにしたり、果ては燃やして畑の肥やしにしたという「大事にする気持ち」のこと。衿合わせや背中心など、「中心」を意識することで自分自身の心身の中心もハッキリすること。限られた時間ではありましたが、Mさんは熱心に聞き入ってくれました。


Challenge4_1
ちゃんと出来るかしら…でも、自分で着られるようになりたい! 
不安と期待が入り交じるMさん。大丈夫、今日は腰紐一本、伊達締め一本だけの超・簡単着付けなんだから!


Challenge1
裾線を決めるのがなかなか難しい。短くなりすぎたり、長く引きずっちゃったり。あれっ、今度はフレアースカートみたい広がっちゃった…。あまり熱心に足もとを覗き込みすぎて、前はバッチリなのに、後がズルズルだ。はぁ〜。「裾線」はいつしか「裾戦」に…。頑張れ〜!

Challenge2
ちょっと苦労したけど、何度かトライしてるうちにコツが飲み込めてきました。一度つかんでしまえばこっちのモノ。後は「馴れ」ですから。

Challenge3
どう? まだ少しぎこちないけど…と照れるMさん。初々しくてカワイイですよね。
来週のベルギー出張には浴衣を持参して、向こうでも着ると張り切ってました。
お疲れさまでした!

 ウズベキスタンにも伝統的な衣装があったそうですが、今やそれを着る人は皆無。若い世代にはその存在すら知らない人もいるとか。ソ連に長いこと統治されている間に歴史の彼方に葬られてしまったそうです。民族的なものは全て「宗教」と見なされ、弾圧、奪いとられたのです。
「日本の西洋化は進む一方だけれど、それでも伝統や歴史を受け継ぐ人が多いからいいですね」と、Mさんは云います。
 そうかもしれません。けれど、同時に思います。「日本」という定規によって琉球やアイヌの人々がどんな仕打ちを受けたのか。周辺諸国の人々に何をしてきたのか。幾多の民族の歴史や文化が色とりどりの糸のように織り交ぜられながら世界は成り立っているのに、ほんの一部の人たちのエゴや欲によって誰かのかけがえのないアイデンティティーが強奪されるなんて…。8月15日。この終戦の日をもって、すべての「終戦」になればと願うばかりです。

2006年08月17日

リゾートNo.5

 昨日は神宮の花火大会。たくさんの浴衣姿に出会いました。ゴミゴミした街中も、パーッと花が咲いたみたいに楽しくて良いですね。そんな浴衣の「野花」たちを見ながら向った先は歌舞伎座。八月納涼歌舞伎の第三部「南総里見八犬伝」。毎度おなじみの話ですが、久しぶりの舞台観賞で楽しかった。
 さて、歌舞伎座の楽しみは舞台のみにあらず。客席も思い思いのキモノに身を包んだ方々で華やかです。着物通の粋な着姿もステキだし、ビギナーさんたちの初々しい姿にもインスパイアされます。浴衣をはじめ、カジュアルな普段着も好きだけど、プレステージな雰囲気漂うキモノ・ワールドにもウットリ。浴衣が「野花」なら、こちらは庭園を彩る「牡丹」や「薔薇」といったところかしら? 
ドレスアップ〜ドレスダウン。女性はそんな装いのジェットコースターが大好きなのよね!

 「洋服〜キモノ・翻訳」今回のリゾート・シリーズも最後です。大人になっても気持ちのどこかに「お嬢さん」が潜んでいる…そんなイメージの組み合わせです。


Yellowxblack
ストレッチ素材にシャーリング加工を施したワンピース。これも洗って絞って、すぐ乾く便利品。バンバンのトランクにも小さく丸めれば押し込めちゃうし、シワしらず。面倒くさがり屋でスボラな私には大助かり。

Ojiya
少しあせたような色使いの絵絣がどこか少女らしさを漂わせる麻の小千谷ちぢみ。襦袢も麻なので、風がスーッと通り抜けていくのが気持ちいい。同じ日に普通の浴衣を肌着なしで着ましたが、かえってフル装備の小千谷ちぢみの方が涼しく感じられました。
帯はブドウの蔦を織り出した八寸。Ojiyaobifront
この帯は昔、着付けの師匠から頂きました。元々はオフホワイトでしたが、長年の使用で黄ばみがひどく困っていました。せっかくの頂きものを捨てたくないし…。そこで染め屋さんと相談して色をかけて(染め直す)もらうことに。模様はブドウの蔦だし、夏の清々しい植物の趣きに…ということで、こんな仕上がりに!ひどかった黄ばみもどこへやら。生地もくたびれてクタクタになっていましたが、シャキッとハリを取り戻して生き返ったのです!
Ojiyaobiback_2

2006年08月28日

微妙なことだけれど…

 まだまだ続く残暑の中、それでも秋の気配が漂い始めました。さわやかな秋の空気はキモノのお洒落を一段と楽しくしてくれます。「暑くてもうダメ〜」と音を上げていた方も、いよいよシーズン・イン! ワクワクしますね〜。
 お洒落のポイントとしてちょっと気になることを今日は一つ。裄の長さです。袖丈は、キモノの種類によって変えるという方、けっこういらっしゃるようです。けれど裄の長さはどうでしょう。きっといつも同じなのでは? 実は裄の長さによっても、手元の表情がかなり変るのですよ。(写真がいまひとつで申し訳ない!)

 Yukitake

 キモノを仕立てる際に、洋服の感覚があるためか、今は裄を長目にとる方が多いようです。その同じ寸法で浴衣を仕立てると、ズルッと暑苦しい印象になることも。ちなみに私は通常1尺8寸4分のところ、浴衣は1尺8寸で仕立てます。4分=約1.5cm。この微妙な差が大きな違いに。同様に、活発な印象の紬などは袖に丸みをつけたり、裄を"やわらかもの" よりも少し短めにすると個性が際立ちます。今から秋・冬ものを仕立てようかなと思ってる方は、参考にしてみてください。
 「え〜、襦袢の都合もあるし、いちいち変えてられないわ〜」という方は、腕の加減で微調整ができます。その日のテーマとキモノとのベスト・バランスを探ってみてね。
いずれにしても肘が出るほどニョッキリと腕を出すのはNG。物を取ったり、つり革につかまったり…要注意ですよ!

2006年08月31日

お誕生日

40th_bday

沢山の暖かな気持ち。全身で受け止めて。とてもしあわせ。ありがとう。多謝。

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