昨日のNHK放送の中で、「群青」についてお話ししました。科学的、物理的、医学的な見解からすれば、色は光の反射とそれを受容する目や脳の働きに過ぎない。けれど色をもっと豊かにするのが心理であり、人の経験と記憶だと思います。 私にとっての群青。それは…
夜中の海岸
突き出した岩の上に黒く並ぶ松の木のシルエット
暑いのか寒いのかもわからない真空
孤独
ゴーッと鳴り響く音
色彩が引きずりだす、記憶の断片。そして色彩が奏でる「音」。それらがなんなのか、私にはわかりません。ただ感覚はどこまで自由なのだと確信するばかりです。そして「記憶」は決して「過去」だけのものではなく、常に現在と寄り添いながら進行形である、と。
ふと、作曲家の金井さんのことを思い出しました。2006年度全日本吹奏楽コンクール課題曲【風の密度】の作者、金井勇さんです。 金井氏が、お茶室で過ごす時間を大切にしている、と語ったのが印象的でした。その瞬間に作曲のことを考えているわけではないけれど、静寂の中にいるからこそ聞こえてくる音もある…。そんなお話をして下さったのが嬉しかった。語らずして語る。見せずして見せる、といった私の理想/憧れを分ってくれる人だと感じました。近頃、世の中は少々うるさい。
少し前から小雨が降ってきました。窓の外。音もなく降る雨。それでいて私は雨の音を聴いています。

金井氏とは9月に、私がパーソナリティを務めているFM横浜の番組のゲストに来てくださった時に初めてお会いしました。作曲家の先生をお迎えする…どんな気難しい芸術家然とした人だろうか。エラソーにされちゃったりして〜(泣っ)なんてオロオロしていたら…。白いTシャツにジーンズ。大汗かきながら「どうも、どうも」とペコペコ。思わず「えっ、金井先生の付き添いの方?」と勘違いしてしまいそうでした(謝)。かえって妙な先入観を頂いていた自分が恥ずかしい。物事に対してフェアな目線を持った【好青年】といった感じかな。