また行っちゃいました。先週の初オペラ『運命の力』につづき、今週は『蝶々夫人』。
長崎にやってきたアメリカの軍人が、現地妻として蝶々さんをめとり、束の間の愛の生活を送ります。しかし男は祖国へ帰り、残された蝶々さんは彼の子を生み、ひたすら愛する人の帰りを信じて待つのです。そしてついに戻ってきた夫は…遠いアメリカで“正式な結婚”をして“正式な妻”と一緒に現れたのでした。
涙、涙の悲しいお話ですが、この物語の魅力は悲劇に終始していないところだと思いました。蝶々さんの自害という辛い結末ではあるけれど、心の底から誰かを信じて愛することができる幸福。人の幸とは何であろうか。
愛され続ける作品とは、観る人の経験値、素養、精神状態などでいかようにも受けとれるものかもしれません。それでいて普遍性を備えていること。100年以上も前の作品を、現代に置き換えたとしても全く違わない社会の構造や人間の心理…。とても興味深かったです。別のキャスト、別の構成で同じ演目を観るのもまた面白そうですね。
あ、それから舞台のセット。シンプルな構造に、陰を巧みに使いこなすことによって時間と空間が変化するのが良かったな。

空色の江戸小紋。帯は紫のちりめん地に満開の桜を描いたものです。
劇中で、待ちに待った夫が帰ってきたことを知った蝶々さんが、彼を迎えるために庭の桜の花びらを集めて、部屋中を花だらけにするシーンがあります。あっ、この帯にして正解だったな、と自己満足にひたりました(ニヤリ)。