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還暦

 私の母は三姉妹の末っ子。その母が還暦を迎えた。三姉妹の母親、つまり私の祖母は六十歳を目前にして亡くなったので、彼女たちにしてみれば感慨深いものがあるのだろう。三人無事に生きながらえ、ついには母親の年齢を全員が越えたことになる。そんなわけで、今夜はささやかながらお祝いの席が設けられたのです。
 それぞれの生活を送りながら、会えば瞬時にしてとけ込み「娘たち」になってしまう。そのくせ、厳然と「個」が存在する。どんなに似ていても、どんなに仲よくとも相容れない何かがある。そしてやはり切っても切れない絆で結ばれている。つくづく姉妹とは不思議なもの。
 お祝いの気持ちを込めて、私は母が大事にしていた着物で出席。久しぶりに会った母は、私をみとめるなり嬉しそうに顔をほころばせた。プレゼントを渡した時より嬉しそうだったな。受け継がれ行くもの。脈々と流れ続けるもの。着物にはそんなものが宿るのかもしれない。

 Mb

コメント (4)

鈴なり:

>アッちゃん、
コートのお話とてもステキですね!
車修理用の工具もいいです。私は以前、亡くなった方の彫刻刀を形見に頂きました。一彫り、一彫り。その方を感じながら大事に使っています。

アッちゃん:

親から子へ、具体的に受け継がれる物があるのは良いですね。
以前聞いた話に、祖父からもらったコートをロンドンの店に修理に出したら、たいそう喜んでくれて、「またお孫さんの代まで着られるといいですね。」というコメントつきで帰ってきた、というのがあります。
和服の世界では、よくありそうな話ですね。
私の持ち物で誰かが受継いでくれそうな物は、趣味の車修理用の工具と、奮発して手に入れた自転車ぐらいですが…。

鈴なり:

>。さま、
いくつぐらいの時に着ていたのでしょうね。そういえば聞いたことありませんでした。

。:

お母さんが、結婚したときの、持参物なのでしょうか?
お母さんの、若い時の感性が伝わってくる感じがします。

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2007年04月06日 22:01に投稿されたエントリーのページです。

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