昔は仕事でどこかに行くと「仕事」をすることだけに集中していました。旅の記憶らしいものはほとんど無く、空港とホテルとスタジオの景色が頭の中で入り乱れるだけ。それがいつの頃からか、仕事だろうが遊びだろうが、ご縁があってそこに行かせてもらうのだからたっぷり満喫せねば失礼だと思うようになったのです。土地の人たちとふれ合い、恵みを頂き、そしてその地を踏むことを許してくれた自然に感謝するのが私の旅のスタイルになりました。
今回は初めての秋田・青森。秋田の大館能代空港から最初に向ったのは薬師山麓にある白瀑神社です。お参りしてからお社の裏に回ると、おぉ〜!ゆたかな水がゴウゴウと流れる見事な滝。けっして大きいわけではないけれど、その姿は勇ましく、そして旅人をも癒してくれる優しさをたたえています。

4月中旬。秋田はまだ春浅く、合羽の下にダウンのインナーを着ていても震えます。けれど寒さも忘れ、しばし水の音に包まれながら、厳かな時間に沈み込みました。秋田の神様たちにご挨拶をして、いよいよ旅の始まりを実感したのです。