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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

ごちそうさま

 祖母の形見のブレスレットを修理するために、宝石関係の仕事をしてる伯父と銀座で待ち合わせをしました。二人とも昼食は済ませた後だったので、お茶を…ということに。どこにしようかウロウロ迷ったあげく、入ったのはおなじみの甘味処。店は絞ったものの、お品書きを見てまたしても迷う二人。優柔不断というよりは欲張りなんですね、この二人。あれも、これも美味しそうでなかなか決まらない。あまり迷っていても店員さんに悪いので、季節限定の新メニューをそれぞれ注文しました。
 うわ〜、美味しそう!出て来た品に感嘆の声をあげるや、伯父のケータイが鳴りました。ちょっと失礼と席を立った彼が、しばらくすると顔色を変えて戻るなり「ごめん、やっちゃったよ」と伝票を鷲掴みにして店を出て行ってしまったのです。なんと、伯父は取引先の方と待ち合わせをしていたことをすっかり失念していたのでした。

 いきなり一人になった私の前には「きな粉しぐれ」と「くず餅きな粉あんみつ」。
……。

 Dessert_1

 こーなったら食べるしかないでしょう(写真・左/くず餅きな粉あんみつ。右/きな粉しぐれ)!
 くず餅は、あんみつの寒天の半分がくず餅なので、かなりクセになる食感です。そして赤えんどうの代わりにかのこ豆を使用。そのやわらかさが全体を調和させています。くず餅に加え、黒蜜、バニラアイス、きな粉を混ぜると口の中に新世界が広がりました。
 きな粉しぐれは、新感覚かき氷。かいた氷を丹波産の厳選きな粉で和えて、フンワリ仕上げてあります。通常のかき氷のようなキーンと来る冷たさではない、やわらかな口当たり。これまたバニラアイスと黒蜜がすばらしいアクセントに!
 きな粉、黒蜜、アイス…同じ食材が使用されていても、まったく違う味わいになっているなんて感動です。それにしても、こんなに美味しいものを目の前にして食べられなかった伯父の心中たるや、いかほどのものか。かわいそー。方や食べそこなった人。方や二品も食べた人。優柔不断=欲張りな二人の運命の分かれ目を痛感しました。

2007年06月03日

焼き肉だ!

 過労で体調を崩していた友達に精がつくように、下北沢で焼き肉ディナーを開催。私もなかなかお肉を食べる機会がないので、久々に「食べてみるか」と張り切りました!牛だけでなく、豚肉も充実していて嬉しいビックリでした。そしてお勘定でまたビックリ。あんなに食べたのに安すかったー。なんかイイ気分。

Meat

Gyukaku
 焼き肉に着物?!と、友達は少し驚いてましたが、大丈夫。臭いが移ろうが、油が飛ぼうか、タレをこぼそうが…。全身ポリです、はい。

2007年06月07日

【鈴なり】一周年

 昨日、6月6日は【鈴なり】の開設一周年でした。きれい、たのしい、やさしい、いとしい…そんな、つまり一言で云うならば「すばらしい」ものを分かち合いたくて始めたサイトです。
 【鈴なり】を始めたことで、今までよりももっと見ようとしてる、もっと聞こうとしてる、もっと味わおうとしてる自分に気付きました。とても沢山のことを教えられた一年です。メッセージを寄せて下さった方はもちろん、遊びに来てくださった皆さんのエネルギーが、どれほど大きな応援になったことか。本当に感謝しています。ありがとう。
 「和」=「環」であるならば、私に出来る事は何か。それは「新」と「旧」をつないだり、「未」と「既」を引き寄せたり、「無機」と「有機」を結んだり…。あらゆるものの境界線をボカしてゆくことかもしれません。そして「着物」というアイテムが、私にそうさせる機会と衝動を与えてくれました。たかが着る物。けれどその着物が導く多くの発見と驚きに、改めて感動するばかりです。

Echigoya

 ユニクロの人気シリーズに、老舗のロゴを使用した商品があります。そのシリーズに、私がとても好きな銀座越後屋という呉服屋さんのロゴも加わりました。老舗の風格ある意匠と、up to date な感性のフュージョンってとこでしょうか。かなり気に入ってます!

 そういえば老舗料亭の記事だったと思いますが、ただ古ければ老舗になれるのではない。老舗は常に今に存在している、というようなことを読みました。また、私の日舞の師匠は「新しいことに挑戦せずして伝統はない」と語っていました。
うまく説明するのは難しいけれど、その通りだと思います。
 私も日々前進しながら成長してゆきたいです。そしてその喜びを一人でも多くの皆さんと分かち合えたら、どれほど仕合わせでしょう。

 皆様にとって毎日が、昨日よりステキな一日でありますように!

2007年06月10日

百珍と和菓子

 Kouen_2 虎屋文庫講演会に参加しました。あの羊羹でお馴染みの虎屋が開催しているレクチャーです。今回は国士舘大学の原田信男先生による「百珍と和菓子」というテーマ。
 江戸の後期に、一つの食材を使って100通りの料理(食べ方)を記した料理本が話題を呼びました。それが「百珍」です。有名なものには「豆腐百珍」や「卵百珍」などがあります。そうした百珍を通し、食と当時の人たちの距離を覗きつつ、和菓子の役割を探るという内容でした。講演は至ってアカデミックなのですが、食いしん坊としては「どんな味だったんだろか」「食べてみたいな〜」と、気持ちが勝手に浮遊してしまって、なかなか集中できませんでした(笑)。

Hyakuchin

 講演後、虎屋ギャラリーにて6月17日まで開催している「和菓子百珍展」も観てきました。やー、すごいぞ日本人!昔の人たちがこしらえたお菓子の数々。かわいい。きれい。おいしそう。奇想天外なものもあり、これは一見の価値あり。
 天保四年、名古屋市でアザラシが捕獲されたそうです。そしてそのアザラシが大変な人気となり、様々がグッズが売られ、アザラシ落雁なんかも作られたそうです。今の落雁よりもかなり小さくてカワイイです。これって、タマちゃんブームの先取り?!
 その他、ちょっと変った「食べ方」などの紹介も面白かったです。森鴎外が好んだという「饅頭茶漬け」は、ご飯の上に4つに割ったおまんじゅうを乗せて、お煎茶をかけたもの。意外とあっさりしていて美味だとか。最近のギャルたちはご飯にチョコをかけて食べたりすると聞いてビックリしてましたが、いやはや…。森鴎外とギャルの意外な関係に、さらにビックリ!

2007年06月13日

夏だ、浴衣だ!

 Yukatamatsuri  パニーニ? ラザーニャ? いえ、ラニーニャでございます。このラニーニャ現象とやらで、今年の夏は猛烈な暑さに見舞われるとか。うぇ〜。これはしっかり根性をすえて覚悟をしておいた方が良さそうですね。
 そんな中、今年も浴衣市場は活気があるようです。毎年4月の半ばを過ぎると、ボチボチ新柄などをチェックしつつ夏の構想を練ります。とは云え、なかなか実感は伴わず、梅雨を過ぎてから慌てて仕立てたりするんですよね。ところが今年はもう着てもいいぐらい。実際ちょいとそこら辺までなら着てますし…。本来は7月8月に着る浴衣ですが、単衣の着物同様、今後は浴衣のシーズンも長くなるかも?!

Hanhaba

 おっと、見つけてしまいました。この麻の半幅帯はリバーシブルになっていてちょっと面白いかな、と衝動買い。それにしても¥3900のカットソーはすごく悩んでも、どうして¥15,000の半幅は迷わず買えるのだろう? 着物バカ。

People Have The Power to Imagine

 今年の夏はことのほか暑いうえに、梅雨もあまり降らないという。異常気象も温暖化の影響なのでしょうか。やっと訪れた夏なのに、何やら心配が尽きません。
 人間のできることなんぞは微々たるもの。人間がどんな狼藉を働こうと、偉大なる自然を前にしては、地球に小さなひっかき傷を一つ付けたことにもならない。逆に云えば、人間がどんなに努力したって、太陽や地球がヘソを曲げたらどうにもならない。温暖化防止だの、CO2削減だの、省エネだの、無駄だ… そんなことを確信しきったように云う人がいます。とても残念でなりません。その人たちの気持ちの中にある「どうせ」という開き直りや責任転嫁が悲しい。
 微々たることだとしても、やらないよりはやった方がいい。成果の確証はなくとも、そこに少しでも可能性があるなら行動してみたい。そんなふうに思います。
 私のたちの最たる力。それはイマジネーション。他人の痛みを想像することで優しくなれる。より良い明日を想像することで強くなれる。イメージは形になる。

Okashi_1
 【紫陽花】(左)は彩り豊かな寒天で白あんを包んでいます。食べると、意外にも寒天がしっかりとしていて、歯触りの面白さが美味しさになっています。
 【初夏の水面】(右)は、こし餡を包んだ練り切りで手水鉢をかたどり、見事に「水」をイメージしています。羊羹で作ったクチナシの花からは本当に甘い香りが漂ってきそう。

 この二つのお菓子から、私は雨を感じました。直接的な説明などなくても、人の意識に働きかける…。それがイマジネーションの力。あなたは何か感じましたか?

2007年06月15日

紗合わせでイタリアン

 Partenope

 毎週土曜日9:00〜9:30、TFMにて放送中の『Tastes Of Love』の関係者一同で食事会を楽しみました。関係者と云っても、それぞれの持ち場があり、普段なかなか会えない人も実はけっこういるのです。ましてや出演者となると、孤独なもんです。しゃべり手は「ブース」という個別のスタジオにこもって仕事をします。厚いガラスや壁に隔たれ、回線を通してじゃないと会話もできません。ポツンと無音の中にいると無性に不安になることも…(涙)。そんなわけで、みんなが集まっての食事会はとても楽しく、暖かい(暑い?熱い?)の夜になりました。

Daimayumi
 ラジオドラマのレギュラー出演者のお二人、柳沢真由実さんと松本大さん。
噛み合ってるのか、噛み合ってないのか…お二人の絶妙なやりとりが、収録スタジオを笑いでいっぱいにしてくれます。

Girls
 この時期だけの期間限定キモノ「紗合わせ」を着ました。夏用の薄物の上に薄いスケスケの「紗」という生地を一枚重ねたものです。下の絵柄がほんのりと透けて見えるのが楽しい。本格的な夏衣になる前のひとときを楽しむキモノです。
 帯は同系色の二重紗。これも「紗」を重ねることで真夏のような透け感を少し軽減しています。…あ、でもナプキンで見えないや。
 一緒にいるのは番組のディレクター・Kさん、作家・Sさん。こんな面々で仲よくやってます。楽しい雰囲気は番組にも出てると思うので、ぜひ皆さん聞いてくださいね!

 このところ外食が続いているので食べ過ぎ防止のために帯をギューギューにキツく締めていきました。それなのにデザートになるとやっぱり別腹はピュッと出来ちゃうんですね。スゴイぞ、人間の心と体!

2007年06月18日

鮎づくし

 Ayuzukushi

 四季のある国に暮らすことは、喜びに満ちあふれています。花を愛で、雨に打たれ、風に吹かれ、星を追い、そして舌鼓を打つ。まるで極上のレコードを聴くように、なんど同じ箇所が廻ってきても、色あせることなく、新鮮な刺激を放ち、私はうっとりとするのです。
 今年も新橋「鮎正」へ行って参りました。年に一度の鮎づくしの夜。前菜、お造り、塩焼き、煮付け、珍味、素揚げ、お椀、鮎飯、青梅氷…。来年までの分をたっぷり頂きました。
 ほとんど下戸のくせに何故か日本酒の香りと味は好きっていうから、質が悪い。この夜は「斗瓶囲い」なるお酒と出会いました。「斗瓶囲い」とは何か。横で親切丁寧に教えて下さる女将さんの言葉は……ごめんなさい、お酒の芳醇な酔いに包まれてどこかにいっちゃった。とにかく濃厚なのにサラリとノドを伝い落ちてゆく。そんなお酒でした。千鳥足。

Ayumasa

 予約の時間より少し早く着いてしまったので、お店の前でパチリ。キモノは黒い本塩沢の単衣。定番の蚊絣。塩沢特有のシボは、肌に張りつかず、何とも云えない気持ちよさ。帯はざっくりとした八寸。新橋という場所柄、「くだけた粋」を心がけてみました。

2007年06月20日

陰陽

 昨日、渋谷の温泉施設で大きな爆発事故がありました。私は仕事に向おうところで、たまたま近くにいました。突然すべての物事を止めてしまうような音と揺れ。何が起きたか分らない不安。近くと云っても直接現場が見える場所でありません。ただ、大変な何かが起きたという恐怖だけです。すぐに消防車や救急車などのサイレンが鳴り響き、騒ぎはどんどん大きくなってゆきました。
 それでも立ち止まっているわけには行きません。スタジオに向って歩き出したのですが、あちこちの建物から人々が覗いたり出たりしながら上空のヘリの群れを眺めたり、心配そうに話し合ったりしていました。ほどなくスタジオに到着して、すぐにニュースチャンネルを点けてもらいました。画面の中の大惨事。胸が苦しくなりました。
 ほんのわずかなタイミングで人の命は守られている。或いは危険にさらされている。毎日を当たり前に過ごし、当たり前じゃないことが、いつの間にか当たり前になっています。今、この瞬間に自分が存在していること。語らい、笑い、怒り、泣き、息をしていること。どれ一つとして当たり前のことではなく、とても特別な意味のあることだと思いました。

 それにしても、このところの様々なニュースを含め、人間の傲慢や強引さが目につきますね。儲けるためにはどんな力技をも使う。自然の摂理を平気で無視したり。なんというか、人間のおごりを痛感します。世の中の膿みみたいなものが噴出しているような不気味さを感じてなりません。
 でも、げんなりばかりもしてられません。ポジティブに自分をもっていかないと始まらないし。何ができるのか。何を志すのか。自分がここにいる意味は何なのか。

 間もなく夏至です。光の頂点は闇の始まり。陰陽はいつでも抱き合っている。光と闇から得るものはバランス。そして交わり。

2007年06月22日

雨降り

Ameji_3

潤い。

Hop_2

深呼吸。

Gardenia_3

                                   恋の香り。

Candlelight_2

静かなる夏至の夜。

2007年06月24日

和裁日記#5

Twilight
 東京の視界がどんなに悪くても、空には全く関係ない。相変わらず大きくて、毅然として、美しい。

 忙しさを言い訳にはしません。かなり遅れています。予定ではもう完成していてもいいぐらいだったのですが…とほっ。それでもようやく衽までは辿り着きました。残りは衿と袖をつけること。そして細かい処理をすれば完成。今年のほおずき市には間に合いそうもないけれど、夏の間にはなんとか自作浴衣デビューができるでしょう。…できる、、、はず。

Wasai_2

 それまで互いにとって何の意味もなかった布切れ同士が、ほんのわずかな縫い代を共有しながらカタチになってゆく。人間も同じですね。
 和裁。思いきってやってみて良かった。無心でチクチク運針。楽しいです。

帯で夏を先取り

 我が家のギボウシは葉っぱの中心に斑が入ってる種類で、晩春から晩秋まで、たっぷりと美しい緑を楽しませてくれます。そしてご近所に少し遅れて、うちのギボウシもお花が咲きました。「ステキな淡い藤色…」そう思いながら眺めている時に気付きました。藤色は藤の花の色。これってギボウシにしてみればフ・ク・ザ・ツ?
 いつも「君って○○ちゃんみたい」と云われ続けたら、どんな気分だろう。普通はそこまで考えない…のかな? どうなのでしょう。
 例えば、ナレーションの仕事をする場合。「テンション上げて」「ウィスパーで」「無表情に」など、いろいろディレクターから指示を出されることがあります。中でも多いのが「○○さんふうに」という注文。ならば、その○○さんに仕事を頼めばいいのに…と、ちょっと思ってしまう。別に自己顕示をすごくしたいわけでもありませんが、ただ自分は自分。それ以上でも以下でもない。だから○○さんふうにしようとすると、何だか無理しちゃって。結局は○○さんにも申し訳なくなっちゃいます。だから「○○ふう」ではなしに、そのままを私は受け止めたいと思っています。それなのに、ギボウシさんに向って「藤色」と云ってる。ふーむ。

 Shoka

 単衣の時期も残り少なくなってきました。キモノはまだ単衣でも、帯は夏物です。波間を千鳥が飛んでます。襦袢は麻。帯揚げや帯締めなども夏物です。こうやって徐々に季節をスライドしてゆくことで、期待感にワクワクも高まります。
 ちなみに街にはルール通りにきっちり単衣を着てる人、早くも夏の薄衣の人、浴衣に衿だけつけてラフに楽しんでる人。様々な装いが入り交じっていて面白いです。礼装でない限り、暦に縛られず、その日の陽気と相談しながら心地よくオシャレするのが良いでしょう。

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