8月30日
子供のころ、お誕生日のパーティでは決まって泣いていました。家族からは「感激屋」と笑われたものです。別にきれいごとでも何でもなく、ただ嬉しくて仕方なくて涙があふれてしまうのです。自分がこの世に生まれたこと。また誕生日を迎えられたこと。人に祝ってもらえる幸福。すべてが当たり前のことではないと、本能が叫んでたのかもしれません。もちろん当時は幼くて、自分の涙が何で出来ているかなんて考えもしませんでしたけれど。
いつのころからか、大人になるにつれ、だんだんと泣かなくなりました。欲張ることを覚えてしまったのでしょうね。そしてナイーブでいることが格好悪いと思いこんでいました。くだらない自意識が涙を塞き止めてしまったようです。
今年、生まれて初めて誕生日をひとりぼっちで過ごしています。誰にも会わず、何の予定も組まず。家でひとり、とりとめもなく見つめています。欲望、愛、孤独、幸福、嫉妬、慈悲、不安、運命、自尊心、喜び、エトセトラ。今まであまりにも深く考えず、いかに運と身勝手さだけを頼りに生きて来たことか。きっとこんな一日が、私には必要だったのかも。
家にいると、カードやメールや贈りものが届きます。本当に嬉しい。子供のころ涙があふれたみたいに、私の中から暖かいものがコンコンと沸き出してきます。でも昔のままじゃない。大人になった私が、子供の清らかさで喜んでいるのです。
心から、ありがとう。
