10月7日
過ごしやすく、気持ちのいい一日。着付けのお稽古の後は、今期のamamfwawaに関するミーティング。仕事をしていても、窓から入ってくる秋の香しい風が場の空気を和ませてくれます。
私が着ているのは出雲絣(いずもがすり)という木綿のキモノです。藍の濃淡で柄をリズミカルに織り出しているのが面白く、一目惚れした反物です。これを織った青戸柚美江さんは綿花から育て、糸を染め、そして織り上げるそうです。まったく気の遠くなるような作業。ただの布切れだとしても、そこには彼女の時間や想いの全てが詰まっている。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そうやって作品には作者の人生が宿っているんですね。キモノだけではありません。音楽、でも文学でも、一皿のお料理でもなんでも。おそろそかにしていいものなど何もないんだな、と本当に思います。
このキモノにはもう一つ大きな価値があります。かけがえのない師であり、友人のNさんが縫ってくれました。忙しいのに、一針ずつ丁寧に。縫い目の美しさを見ただけで涙が出そうになります。彼女の部屋の窓からは月がよく見えます。その月の満ち欠けを見ては「早く仕上げなくちゃ」と、私のために自分のお尻を叩いてくれたそうです。だからこのキモノを着ると、大きな愛に包まれ、安らかな心持ちになるのです。まるで祖母のひざに乗ってるような。

頭上に咲いてるキンモクセイの花、わかります? 昨日あたりから一気に匂いたち始めました。胸いっぱいに広がるしあわせ。秋の恵み。
スーハー、スーハー。ええ香りやわー。