3月17日
去年はほとんど花をつけずに寂しい思いをしたけれど、今年の白椿は賑やかである。性格がいい加減なので、剪定や肥料の加減などは勘、或いは気分に頼りがちだ。植物にしてみれば、実に迷惑な話だろう。それでもしっかりとその美しさ、その生命力を惜しげもなく見せてくれると、ただただ心を深くするばかりである。

花の白さを眺めながら、何を着ようかと思いめぐらせてみる。凛とした紺色のキモノに、白地の塩瀬の染め帯でパチッとさすのもいい。あくまでも柄はすっきりとしたものに限る。反対にキモノを白くするのも潔い。そうだ、白大島にしよう。母が着ていたという大島。白地にうっすらと浮かぶ水色の絣は、まるで花びらにさす陰の深み。こんな具合に目は花を愛で、気持ちは箪笥の引き出しを開け閉めしてしまう。私にとっての贅沢かつ楽しい時間だ。
ところで大島紬は花粉症の人にぜひオススメしたい。独特のすべりのよい風合いは花粉や黄砂を抱え込みにくいように思う。そしてせっかくキモノでおしゃれをするならマスク無しで歩きたいものだけれど、こればかりはどうにもこうにも…とほほ、なのである。