7月20日

何年前だったろうか。朗読ライブを開催したときに、ある方からユリの鉢植えをお祝いに頂いた。その後、世話の仕方もわからないまま、「咲かないユリ」の鉢植えがベランダで途方に暮れること数年。いいかげんに諦めて処分してしまおうかとも思ったけれど、なんとなく踏ん切りがつかずにいた。
今年、見事に咲いたのです。それは前触れもなく、まるで突然のように。いつのものように伸びた茎を、なんの期待もなく見ると、先っちょに細いピーマンみたいなつぼみを発見。それでも期待しないことに慣れてしまった私は、ときめきを抑え込んでは、思い出したように時おり水をやった。そして2日前、咲いたのです。
諦めることが勇気なのか。待つことが強さなのか。育てることが美徳なのか。咲くことが勝利なのか。許すことが愛なのか。
テーブルに飾った一輪のユリは涼しい香りを漂わせている。そして黙ったまま、厳しいほどの静寂をまとい、蜜をしたたらせている。Isolated Passion。
そっと口をつけてみた。甘くない。蜜はほんのりと苦かった。
