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2008年09月 アーカイブ

2008年09月03日

9月2日 季節を惜しむ

 つい一週間ほど前、このまま夏は急速にしぼんで行くのだろうと、物悲しく肌寒さに震えていた。それが8月の最後になってまた暑さがぶり返した。まるで夏が意地を張っているような暑さだ。けれど意地を張ってみたところで、所詮は終いぎわの踏ん張りで、盛りのころの芯の太さはない。往生際の悪さだけがいやらしく絡みついてくる。

 幸田文が父、幸田露伴の言葉を反芻している随筆がある。

『ものの初めには活気があるが別れには情があるべきものだ。(中略)
終わろうとする季節を惜しんで送ろうとするなごりがないのは疎ましい。(中略)
別れ際に風情のない女になんでおしゃれも着物もあるものか』

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 残暑の気怠さに身を任せ、楽ばかりを貪っていたけれど、ここは一つギュッと帯で気分も引き締めよう。うだるような…いや、むしろ唸るような暑い日には夏塩沢が似合う。

2008年09月12日

9月11日 プレゼント

 JFN 毎週土曜日24:55 - 25:00 『Vintage Music』を担当するようになって、もうすぐ一年。今日は構成作家さんとお昼をご一緒しました。彼女は売れっ子なので、なかなか収録にも立ち会えず、原稿だけのやりとりが続いていました。2年目突入に向けて、いろいろ話し合うこともあろうかと出かけて行ったんですが……

 席について飲み物が出てくると、彼女はグラスを持って「おめでとう!!」

 ????? ポカンとしている私に「あれ、気付いてない? 少し遅くなっちゃったけど、今日はブナちゃんのお誕生日祝いなのよ」

 ふいを付かれた驚きと嬉しさで、不覚にも涙腺がゆるんでしまいました。私はしあわせ者です。
 元々は「お仕事」のつきあいですが、それだけで終わらない「人と人」とのつきあいがあります。なんでも利益・効率が優先されがちですが、割り切ったドライな弱肉強食のビジネスマインドを振りかざすよりも、結局のところ、こういう繋がりから本当のよい何かが生まれるのかも。Positively creative な高揚感が込み上げてくるんですよね。
 「食事」という箱をあけると、その中には友情、創造、モチベーション、ぬくもり、前進力…いっぱいプレゼントが詰まっていました。

 それにしても水炊き、おいしかった。食欲不審で弱った体に沁みました!

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 本来ならば夏物はおしまいにして、秋の単衣に変える時期ですが、残暑の中でドロドロと見苦しいよりは臨機応変にやりくりしたいものです。以前は9月の1週目ぐらいまで夏物…としていましたが、この頃は15日まではお天気によって幅をもたせています。
 今日は全体に蝶を織り出した夏塩沢。帯は見えませんが麻の紅型調。完全に夏の出で立ちですが、色目だけは寒々しくならないように、すこし気を配りました。

*お知らせ*
これまで『今日のしおり』というタイトルでしたが、新しく『蜻蛉日記』にモデルチェンジしました。また、『ブナの葉』は『ブナのしおり』に。各コンテンツ、これからもよろしくお楽しみくださいませ。

2008年09月14日

9月13日 月の下

 今年の6月には仕上げているはずだった単衣の着物。間に合わなかったので、9月に着られるようにすればいいと思っていましたが…未だ仕上がらず。ふー。かなりゴールは見えてるんですが、どうにもゴール前のスパートで足が絡まってる状態です。

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 和裁のお稽古の後、向島の百花園にてお月見を堪能。虫の声を聞きながら園内をそぞろ歩いていると、日ごろのしがらみがスルスルと解けてゆくようです。

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 芋、栗、梨などの秋の恵みと一緒に肉まんほどもありそうな大きなお月見団子が積み上げられてました。右上方に見えるのがお月様。

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 園内のいたるところに灯籠が灯してあり、それぞれに俳句や絵が書き込まれています。このタヌキにとてもシンパシーを感じたんですよねー。

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 萩の長いトンネルがあります。萩の花が咲きみだれる様を「こぼれるように」とは何と勝れた表現だろうか。満開のころにまた来てみたい。

9月14日 抱かれて…水に流し…そして満たされて

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 早朝に雨がパラついていた。どうせ海に入れば濡れるのだから、紫外線も弱いし、むしろ雨は大歓迎だ。お墓参り以外で鎌倉を訪れるのは久々。海に到着すると、すでに混んでいた。そうか、世間は連休なんですね。たまたまスケジュールが空いただけの私は、日付も曜日も頭から抜けていた。うー。まぁ、でもヨシとしましょう。腰痛のために長いこと波と戯れてなかったし、みなさんの邪魔にならないように端っこでリハビリです。
 へっぽこサーファーではありますが、波を待ちながらタポンタポンと海に浮かんでいると、どんどん境界線が曖昧になってゆく。空と海。海と陸。人と鳥。雨と太陽。過去と未来。どーでもいいんです。海に抱かれている。今、リアルに感じている気持ち良さがすべてになる。何にも囚われたくない。

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笑っていますが、リーフで足の裏はギザギザ。おまけにウニが刺さってメチャ痛いです。パドリングで腕もブラブラ。明日は筋肉痛まちがいなし。ふにー。

 今日は一日お休みにするつもりが、つい午後に仕事をしてしまった。あれほど自由讃歌しておきながら…ひひひ。心地よく気怠いカラダを引きずって帰宅途中、夜空には中秋の名月。 名月や〜… ダメだ。もう頭に電源が入りません。
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2008年09月18日

9月18日 詳細

 9月2日と11日に着ていた着物について、いくつかお問い合わせがありました。

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 2日は白地の夏塩沢に黒の名古屋帯。写真では分りづらいですが、着尺には細い縞が入っています。帯のお太鼓は、うちわ型に絞りで染め抜いたところに、萩やうちわの紐を刺繍してあります。前のお腹にはちょんちょんと楓が、やはり絞りで染め抜かれています。

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 11日も夏塩沢です。同色の濃淡だけで蝶々を織り出してる着物。麻の染め帯でカジュアル目にしました。

 場所やお天気などのTPOはもちろんですが、誰のために装うのかというのも大事にしています。特に着物の場合は「見せたい自分」よりも、相手のイメージや、その人がどう心地よく感じてくれるだろうか、ということを優先してしまいます。洋服でも同じことなんですが、何故か和服の方がより強く意識します。つまりが、和…なんでしょうかね。

 2日は「語感」の研究をなさっている感性アナリストの黒川伊保子さんとお会いしました。黒川さんはしっとりとした中にも、凛と筋の通った潔さを感じる方です。そんな強さとやわらかさを併せ持った黒川さんを想いながら、シンプルにこざっぱりとした白い着物を選びました。これに帯をあまり粋にしすぎると「芯の強さ」だけが強調されてしまうので、うちわの丸みや刺繍のふくよかさで優しさを演出。
 11日にご一緒した作家さんは実に行動力が豊かで、自分が求めているものがハッキリしているようです。楽しそうに飛び回りながら、ちゃんと自分が欲しい蜜の在処を知ってる蝶々みたいに。

2008年09月23日

9月23日 お彼岸 DEATH!!

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 秋分の日。世間は休日。お彼岸のお中日。お墓参りにでかた人も多かろう。私はといえば、午前中は自宅でたまった仕事を片付けた。かなり頑張った。疲労と達成感にくるまれる。夕方の打ち合わせまでの空白。

 ん”〜〜〜〜〜〜〜、もう我慢ならん。よし、行くぜ!!!!

 ずっとずっと気になっていた「デトロイト・メタル・シティ」を観るのだ。マンガが大好きなだけに、映画化には期待以上に不安もあった。けれど映画館に一歩入ったとたんにテンション急上昇。今日は愉しむのだ。ポップコーン&コーラという、禁断の黄金セットを購入。うひょひょ。たまには自分を甘やかすのも悪くないものざます。

 クラウザー様〜〜〜〜〜〜〜っ。お願いです。もうやめてください。笑いすぎてお腹がちぎれますぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜。おまけに、ちょっぴりイイ話になってるじゃないですか。途中でホロリと心を洗われたりして。うぉぉぉお、さすがジーン・シモンズ。ほんまもんの貫禄。重みが違うっ!そういえば昔、ジーンとは電話でお話ししたことがあったな……どうでもいいけど。ゲゲグェ、ロバートの秋山さん、どうしてそんなに似てるんですか!?松雪泰子、ステキすぎ。あんなにタバコとフ○○クという暴言が似合う人はいません。ひーーーーーーーーーーっ!(何のことかチンプンカンプンの皆様、失敬)

 彼岸のご先祖や知人たちを想いながら、俗世の私は地獄のクラウザー様に心を奪われていました。すみません。お墓には必ずや、この「お参りラッシュ」が過ぎたらころに伺いますです。

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2008年09月27日

9月26日 amamfwawa進行中

 「久しぶりにSMAPのライブに行った!」という元気いっぱいのメールが友人から届きました。さぞ楽しかったのでしょう。たっぷりとパワーを充電できたのがビシビシ伝わってきて、私まで元気のお裾分けを頂いたようでした。そしてSMAPの歌で ♪あの頃なりたかった自分に今の自分はなれているのだろうか♪ というのがあるけど、自分も同じことを考えてしまったと、綴られていました。
 
 かつてなりたかった自分になれていたら、それは一つの幸せかもしれない。だからといって、違っていたとしても=不幸せだとも思わない。なんでしょうね。幸せの意味はずっと分らないままだけれど、今の自分が好きか嫌いかは判断できるかな…? なーんてね。生まれてこのかた、一度も自分を不幸せだなんて思ったことないけど!

 何をしてるかよりも、どう向き合ってるか。何になったかよりも、何を望み、臨むのか。
皆がそれぞれのやり方でもがいていて、そんな姿にまた、私は元気をもらうのです。

 amamfwawaも3回目のシーズンを迎えました。新商品のリリースに向けてスタッフ一同全力で張り切っています。詳しくはamamfwawaブログをご参照くださいませ〜。

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 色目や柄のバランスなどを検討する際に、よく片方ずつ肩にかけて違いを比べたりします。下は浴衣とはいえ、何枚も袷のキモノを羽織らされると、さすがに汗だくです〜。

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 撮影用のキモノを選ぶのはサイコーに楽しいです。

2008年09月28日

9月27日 海さくら@江ノ島

 心配だった雨も降らず、暖かな陽射しと乾いた風に恵まれた一日。
公私に渡り、私の良き相棒であるニット・アーティストの笠間綾と江ノ島にくり出しました。amamfwawaシーズン・インに加え、各々が地獄の忙しさに突入する前の束の間のホリデーです。

 江ノ島の展望台で催された「海さくら」はゴミ拾いをして、音楽を楽しむ "Act Locally, Think Globally" というステキなコンセプトのイベントです。物事をグローバルにとらえつつ、身近なところから動く…… NICE!
 どこからやってくるのか、砂浜には無数の使用済み注射器が流れ着いていたりして怖くなります(…と書きながら、実は今回、ゴミ拾いに参加していません。ごめんなさい)。

 ライブのラインアップは Half Moon、イノトモ、リクオ、山口洋、LEYONA、古謝美佐子というシビレもの。ぜひとも広い空の下で、海を抱き、風に吹かれながら聞きたい音楽です。そしてそれはやっぱり期待以上に響きました。暮れ行く一日は刻一刻と美しさを増し、トンビも猫も海藻も、漂着したゴミでさえも、私の世界でした。吸い込んだいっぱいのエネルギーは LOVE。自分だけのなかに留めておけない LOVE。もっともっと愛したい。

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 ずっと行きたかった経堂のカフェ、9 Chair で腹ごしらえ。サイコーに居心地のいい空間です。

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 カボチャのキッシュ、レンコンとソーセージのパウンドケーキ。え、そんなに食べる…んですか? と、お店の方に心配されてしまいました。もちろん、完食!おいしかったーっ♪

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 ライブ会場となった江ノ島展望台からの眺めです。写真じゃなくて、生を見せたかったよ。

 
*笠間綾さんのHPが近々リニューアルするそうなので楽しみです。詳しくは彼女のサイトをご覧ください。

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