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2009年01月 アーカイブ

2009年01月01日

元旦 2009

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2009年01月03日

東ティモール・レポート 〜序章

 2008年の12月、一週間という短い期間ではありましたが、東ティモールを訪れる機会に恵まれました。私が担当している、東京FM Daily Planet〜Humming Bird という番組で Nepia 千のトイレプロジェクトのチームリーダーをゲストにお迎えしたご縁で、今回の運びとなりました。
  
 そもそも興味のはじまりは、東ティモールが2002年にインドネシアからの独立を得た際に、環音という音楽ネットワークを主催する友人の広田奈津子が「日本から音楽を贈ろう」と思い立ったことに遡ります。奈津子の強い意志で東ティモール独立祝賀コンサートにソウル・フラワー・モノノケ・サミットの出演が叶いました。それまで、不勉強な私は「東ティモール」という地名すら耳にしたことがありませんでしたが、友人たちが関わったことで、その存在はグッと近いものになりました。

 400年にも及ぶポルトガルによる植民地支配。世界大戦時には日本軍による占領。再びポルトガルに支配された後、インドネシアの武力侵攻を受け、長年に渡る紛争を強いられたのです。侵攻を受けた最初の10年間で東ティモールは人口の3分の1を失ったと聞きます。その後も繰り返される激しい徹底攻撃の末、インフラのほとんどが破壊され、犠牲者の数もわからないほどの苦難を強いられました。そのインドネシアに日本も軍事協力をしていたと知り、身の置き所のない気持ちになりました。しかも主な理由は油田を巡る利権です。つまり日本国において便利で豊かな生活を享受する私たちは例外なく、全員が多かれ少なかれ、戦争の加担者なのです。

 そんな暗澹たる想いを胸にくすぶらせていただけに、千のトイレプロジェクトを知ったときは嬉しくなりました。ネピアの商品を購入すると、代金の一部が→1,000の家庭のトイレの建設 、15の学校のトイレの建設または修復 、衛生習慣の普及と定着のための活動にあてられるとのこと。国や一部の機関に使用目的も曖昧なまま漠然と寄付をするだけでなく、また単なる「寄付」という、ある種の上から目線でもない。自分たちが普段の生活のなかでしている「購買」という選択を通して何かができる…民間人が民間人の力になれる。これは人と人との「和」なのだ、と。

 かくして私はどうしても東ティモールをこの目で見たくなりました。現地インタビューア兼通訳としてチームに加えてくださった関係者各位、並びにスケジュール調整に奔走してくださったスタッフの方々に感謝します。


2009年01月04日

東ティモール・レポート 〜その1

 日本の南、5000キロに位置する東ティモールは、現地の言葉で Timor Lorosae といいます。Lorosae とは太陽が出るという意味。この国の名からして、私たちの暮らす日本と同じ息吹を感じます。日本とは時差もありません。短い滞在中にも、人々とふれ合うほどに、何やらご縁を感じずにはいられなくなりました。

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あいにく直行便が無いため、バリのデンパサール空港から merpati に乗り換えます。こんなに小さくても、立派な国際線。だって正真正銘の独立国なんですから! Viva, Timor Lorosae!

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東ティモールに降り立って、最初に目に入ったのがこの光景。軍備? まだ情勢不安は続いているの? このヘリがどこに所属しているのか、何故そこに待機しているのか、確かめるすべもありませんでした。けれど、ユニセフ・スタッフによると、ほんの半年前と比べても、明らかに落ち着いた雰囲気になり、以前のような緊張感はないとのことでした。

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現地入りしてすぐにスタッフミーティングをしていると、突然の豪雨。日本のゲリラ豪雨もすごかったけれど、やはりこちらの雨はハンパじゃない。見る見るうちに辺りは洪水。この時は雨季に入る少し前でしたが、雨季本番は一体どんななのだろうか。 

 後日談。日本に帰国してから東ティモールの大使とお会いしたときのこと。大使は雨季に頻発する土砂災害を案じていました。
 私は大使に「森がもっと豊かになれば災害も減ると思うのですが…」と軽口を叩いてしまった。それというのも、あれだけ緑豊かな国なのに、なぜか禿げ山が目立つのが気になっていたからです。高木が育たない環境なの? それとも薪で暮らしているせい? 急速な開発? 何? …と。
 大使の返答はこうでした。「インドネシア軍がゲリラをあぶり出すために、山という山、森という森を焼き払ったのです」
 私は言葉を失い、そして我が愚かさを恥じました。

                                   つづく…

 

東ティモール・レポート 〜その2

 首都ディリを離れ、村の視察へ向う途中、山の中腹で女性たちの姿を見かけました。視察チームが休憩のためにちょうど車を止めたので、私は彼女たちのところへ行ってみました。日本を発つ前にティテゥン語を調べ、いくつかの言葉をノートに書き込んでいたので、ドキドキしながら話しかけてみました。

 「Bondia(おはよう)」声をかけると、彼女たちの強ばった表情がすぐに緩みました。

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 「Bee(水)、、、hemu(飲む)?」見ぶり手振りを交えながらの奮闘に、向こうも一生懸命コミュニケーションをとろうとしてくれました。なまじ英語ができる私には「通じない」ということが新鮮でした。逆に「通じない」ことが「分り合いたい」を増幅させ、少しでも通じたときの喜びの大きいこと。それは言語の力だけではなく、ハート同士の働きなのだからなのですね。
 言葉を生業としている身としては、深く染み入る体験でした。ラジオを通して、これからどれだけ「伝え」「分り合える」のか。言葉の機能性にあぐらをかく事なく、語れるようになれるのか…。

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松任谷由実さんの「スラバヤ通りの妹へ」という歌が大好きです。
     ♪rasa sayang その次を教えてよ。少しの英語だけがあなたとの架け橋ならさみしいから♪
きっとユーミンもジャカルタを訪れたときに、こんな気持ちを覚えたのかな…

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給水設備がないために水汲みは彼女たちの大事な日課です。一日に何往復もしなくてはなりません。水汲みは女性の役割であるため、女の子たちの就学率の低下の一因となっているそうです。

                                    つづく…
 

2009年01月05日

東ティモール・レポート 〜その3

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どの村を訪れてもビックリさせられるのは、その歓迎ぶりです。子供たちが勢揃いしてダンスを披露してくれたり、民族衣装に身を包んだ人たちが楽器を打ち鳴らしながら出迎えてくれました。木と革で作ったものや、すきやき鍋のような鉄製のものなど、楽器はほぼ打楽器です。なかには使いすぎて穴が空いてるものもありました。それでも彼らは大事に扱っています。

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                             photo by 白石芳雄・copyrighted

さらに私たち一人ひとりの首にタイスをかけてくれるのです。タイス(tais)は東ティモールの伝統的な手織物。身にまとったり、敷物にしたり、用途は様々。「帯に仕立てたら、さぞ美しいだろうな〜」なんて、頭の中で用尺を計ってしまいました。ぜひ、いずれ!

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ある村にて、歓迎の音楽とダンスの後テントに招かれました。地べたに敷いたゴザに座ると、小さながカゴが二つ差し出され……なんと、タバコです。一つは巻きタバコ。千切りコンブみたいなタバコを、干した葉っぱで包みます。もう一つは噛みタバコ。こちらは練り物っぽい(?)タバコを生の葉っぱに包んで口に入れます。プロジェクトリーダーとユニセフ代表の二人が皆をレペゼンして歓迎を受けていましたが、後になって私も試してみればよかったと、ちょっと後悔。経験できるものは何でもするべし…ですね!

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視察の後には必ずごちそうが用意されています。ドライフルーツ、バナナ、ヤムイモ、カサバ…とにかく芋類が中心。カサバは甘くないサツマイモみたい。しっかりした歯ごたえもあって美味しかった。カサバはそこら中に生えていて、村人たちの大切な食料源のようです。コーヒーはコクと香りが豊かですが、ブラック好きの私には目を見張るような甘さ。しかし物資の事情などに思いを巡らせてみれば、彼らがどれほど歓迎してくれているのか、このお砂糖の甘さが物語っている気がします。ホスピタリティーに胸が熱くなりっぱなし…う”っぅ”、。

                                  つづく…
 

 

2009年01月06日

東ティモール・レポート 〜その4

街の中心地はコンクリートの建物がほとんどだが、郊外へ外れるほど、家はコンクリや石で建てられたものから、木造、葉っぱで出来てるようなものまで様々。

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屋外に台所を設けてるところも多いが、このように中で煮炊きする家もあります。


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燃料は薪。買う場合は一束10セント。
ちなみに東ティモールの通過はUSドルなのです。なんかちょっと不思議…。

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東ティモールの人たちは植木好きが多いらしい。これだけ緑に囲まれて…というか、緑の只中に暮らしているのに、それでも家の前にはこんなガーデニング風景!

以前、地方から遊びにきた知人が「なんでわざわざ植木なんか育てるの?面倒なだけじゃない。あぁ、東京には緑がないから、こんなもんでも貴重なんだね」と云われたことがありました。なんとも言葉にし難い、あの時の哀しい気持ちを今でも忘れられません。希少だから大切で、豊富だったら価値が下がる…そんなことではなくて、心の向いている方向だと思うんですがね。東ティモールの人たちがこんなふうに植物と仲よく暮らしているのを見て、ガチガチに硬くなった肩を揉んでもらったような心持ちになりました。ふー。

                                 つづく…

2009年01月07日

東ティモール・レポート 〜その5

 とにかく犬が多い。市街地でも、郊外でも、どこにでも犬がいる。ウロウロ。フラフラ。飼い犬も、野犬も、なんとなく上手くやってる犬も、どれも生活に大差はなさそう。タイトロープの上を歩いてるヤツ特有のいい面構えをしている。
 狂犬病などは大丈夫なのだろうか。それとなく現地の人に尋ねると「たぶん…でも、たまには…」と、口ごもりながらニヤけた。おい、おい。マジですかいっ!!
あれ、ひょっとして担がれたかな…? ホントのところ、どうなのよーっ!
犬の同じぐらい幅を利かせているのがブタ。街中でも平気の平左で闊歩している。

           
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犬とブタの2ショット。

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こちらはブタさんのアベック。

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飼われている主なものは、他にヤギが目立つ。その家庭で食べられることもあるが、結納の品であったり、お金のかわりに利用されることもあるようです。
もちろん平等とは云わないけれど、人間も動物も等しく「この大地を踏み、生きている」というバイブスがビシビシ伝わってくる。

                                 つづく…

2009年01月09日

1月9日 ONENESS=大いなる「和」 を求めて

 本日、1月9日の朝日新聞朝刊に、パレスチナ武装組織の各派がエジプトが提出したイスラエルとの停戦案を拒否したという記事が掲載されていました。理由は「イスラエルの完全撤退が保証されていない」。

 イスラエル・パレスチナに関する私の個人的な見解はさておき、ここで一番に注目すべきは「今、こうしてる間にも人々が殺されている」ということではあるまいか。そしてそれは海の向こうの「なんだかいつもドンパチやってる、しょうがない連中」の話ではない。政治経済を含め、環境の中でわたしたちは繋がっているのだから。ホッと一息ついて飲んだコーヒーの代金が、誰かの体を吹き飛ばす爆薬になっているかもしれないのだから。
 昨年の夏に、「武装解除 -紛争屋が見た世界」の著者でもある、紛争ネゴシエーター(自称、紛争屋)の伊勢崎賢治さんとお会いしたときに「日本は今も、戦時下にありますよ」と明言されたのが忘れられません。

 今、世界はブレイクスルーするのか、それともブレイクダウンするのかという岐路に立っています。このタイミングで東ティモールを訪れたことも、きっと何か意味があるはず。大いなるONENESS=和を求めて。誰もが幸せである世界は必ず可能だと信じています。

 HEATWAVEの山口洋、そして細海魚さんが2002年に、ネイティヴアメリカンのアクティビストであるトム・ラブランク氏と一緒に「eagle talk」というアルバムを作りました(詳しくはHWのウェブ、またはブログで)。その中の「cide」という曲のPVに、新たに字幕が加えられ、you tubeで見られるようになりました。ぜひ!

* suicide(自殺)、genocide(大量虐殺)、pesticide(殺虫剤)……
 cide とは「殺す」ことを意味します。

 

2009年01月13日

1月12日 ぬくもり

 寒がりが治ったのかな? と思ってたら、大間違い。ただ本格的な寒さに見舞われてなかっただけなんですね。やっぱり今年も相変わらずの寒がりです。ってゆーか、リアルに寒いです。

 戸棚の奧から湯たんぽを引っ張り出しました。やっぱ、いいねー。ぬくもりが違う。この気持ちよさを味わうためなら、寒いのも悪くないかも…なんてね。

冷えた体をあたためる豚汁。
思わず声が出ちゃう(あ”〜)お風呂。
誰かとつないだ手の、妙にうれしい感じ。
これ全部、寒さからのプレゼント。

 冷たい夜気の中で、お月様も銀色に輝いています。まるでピカピカに磨いた鏡のように。世界を見下ろしながら、その鏡は何を映しているのだろう。
どうかそこに映る景色が美しいものでありますように。

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                         photo by 土田千冬・copyrighted

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