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東ティモール・レポート 〜その6

 村の家々を回っている最中に、不思議な建物に気付きました。住居とは少し距離をおいて、ポツンと建っている東屋。

 それはルリックというもので、先祖の霊などが宿る、いわば聖域だとか。写真を撮っていいか尋ねると、少しの間をおいて、村人は静かに頷きました。私がカメラを向けているのを遠巻きに、心配そうな面持ちで見つめる子供たち。そんな視線からも、ルリックが特別なものであるのが窺えます。

 ご先祖を大切にする。その存在を己のなかに感じる。連綿とつづく命に感謝。目に見えぬモノへの畏れ。そして敬い。日々の忙しさのなかに埋没してしまいがちではあるけれど、結局のところ人間が人間であるということは、こうしたスピリットを失わないということなのか。
 
 宗教、信仰、哲学…いろいろな語り部たちが、いろいろに命の物語を伝えてくれます。難しいことはわりません。ただ本能的に、私たちが有機体であり、自然の分身であり、宇宙のカケラであり、あなたも彼も彼女も他人だけれど、同時に私でもあって、本当はどこにも何かを隔てる壁なんぞないんだと…そんなふうに感じられてならないのです。

 多くの人が口を揃えて「全てを失った」とか「ゼロからのスタート」だとか云います。たしかに物資は無いかもしれません。紛争で失ったものも計り知れません。
けれども私の目に映る東ティモールはとても豊かです。

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                                  つづく…

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2009年02月14日 16:43に投稿されたエントリーのページです。

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