朝から3Dメガネをかけて堪能した「アバター」。評判に劣ることなく、劇場で観る醍醐味を充分に味わいました。気がつけば、すっかりアバターの世界に入り込んでいて、自分も一緒にできごとを体感してしまうのは、3D効果のせいだけではない気がします。テーマ自体は何も新しいものではないけれど、世界にとってとても大事なもの。あらゆる言葉、あらゆる表現で問われ続けていることです。今回「アバター」という超・エンタテインメントを通じて、多くの人に投げかけられることでしょう。
そして夜、神楽坂の毘沙門天へ、久々に落語を聴きに出かけました。高座に上がったのは五街道弥助さん、柳家喜多八さん。「長屋の花見」「寝床」など、お馴染みの古典をたっぷりとそれぞれの持ち味で楽しませてくれました。身振り手振り、目配り、言葉と言葉の間の一瞬の沈黙…ワッと、頭上に満開の桜の花が咲き乱れ、冷めたお茶や大根の酸っぱさがノドを通ってゆく。熟練の芸が、何もなかったところに、瞬く間に色鮮やかな世界を創りだすのです。それはアバターの3D映像に決して引けを取らない素晴らしさ。ビバ、人間の想像と想像の力。裏を返せば、どんなに素晴らしいものがそこにあったとしても、それを受け止めることができなければ全ては無意味。どうか、豊かな感受性を無くさずに過ごしたいものです。