何かに揺り動かされるような衝撃で目が覚めた。窓を叩く雨。外壁に体当たりする簾。寝ぼけた頭に、散乱する植木鉢が浮かんだ。あぁ、そういえば春の嵐という予報が出ていたな…。
まだ薄暗い明け方、寝間着のまま表に出て植木鉢だとか、簾、ゴミバケツ、自転車、牛乳受けなど、ヤバそうなものを避難させた。雨と花粉で、とにかくグシャグシャになった。今日のお墓参りは中止かな、と思案しながら眠りに戻れぬまま、新聞に掲載されている数独と睨み合ってるうちに陽がさしてきた。
うん、これは「ちゃんと来いよ」とご先祖様が呼んでるのだろう。
朝食の支度をしようと戸棚を開けると、餅米が目についた。いつだったか、おこわを炊いてピクニックをしようと思って買ったんだっけ。結局ピクニックは実現しないまま、大好きだった人はいなくなり、餅米だけが残っていた。
そうか…お彼岸だ。この餅米は今日のためにあったんだ!
ちょうど小豆を炊いて、作り置きしておいたあんこがあるじゃないか。かくして、おはぎが出来上がると、パズルのピースがパチッとはまったような心持ちになった。ようやく、ツユと消えた夢のピクニックのオトシマエがついた気がした。
今朝の数独はギブアップしたけど、人生のパズルは終わらない。手詰まりだと思っても、必ず「時間」がヒントとなって、次の一手に導いてくれるのだ。
おはぎを持って、ご先祖様たちに会いに行く。墓前で手を合わせ、今日があることを感謝する。そして、これからも頼りない足取りの私を見守っていてくださるよう、お願いをした。
上空で風がゴウゴウと吠えている。いろんなものを春の嵐が吹き飛ばしているのだろう。

市販のものと違って、大きさも甘さも好みのままさ〜。特大おはぎ♥

甘いものの後には、塩っぱいものが欲しくなるのが道理ってもんでっさ。余ったお米を粗くつぶして、溜まり醤油を塗ったら、焼きたてのお煎餅だ♪