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和のスピリット アーカイブ

2006年06月29日

ちょっとしあわせ

 今日はずっと先送りにしていたことにやっと着手しました。
戸棚の中で眠っていたお下がりのキモノ。ぶきっちょな手に針を持って、チクチク、袖丈をつめたのです。以前は、お嬢さん方は振り(お袖)を長くしたもんなんですよね。まるで夢二や中原淳一の世界!ってなもんで、可愛くてエレガント。でもよそ行きならともかく、超普段着で振り袖はちょっと今の生活には不便かも。どうも私は「しゃなり、しゃなり派」ではないし…襦袢だって合わせなくちゃならないし。透けなければウソツキの替え袖でクリアできるけど、夏物はバレバレなので X 。そんなワケで、肩バリバリに凝ったけど出来ました。これで準備OK. いつでもカモン真夏!
 一方、家の前には十何足かの靴を並べました。ワケあって私の従姉妹が履けなくなってしまった靴。私にはサイズが合わないし、かといってそのまま捨てるのも忍びない。それで『ご自由にどうぞ』って並べてみました。横目でチラッと見て通り過ぎるか、「いや〜、何これ〜。ギャハハハ」と冗談のタネにしてゆく人たち…。しばらく窓の外を気にしてたけど、誰ももらってくれそうにもありません。あぁ、今の時代はこんなものを拾ってゆく人はいないのかな…と、ちょっと寂しい気持ちになりました。
ところが!!
 私が針仕事に熱中してる間に、ふと気付くと靴がいつの間にか全部なくなってるではありませんか。「ギャハハ」とバカ騒ぎをしながらも、あの子たちが引き取ってくれたのかな。しかも、靴を並べておいたところには「アニマル柄の靴を頂きました」とか、メモまで残っていました。じ〜ん。世の中、捨てたもんじゃないわ!
 キモノも靴も生き返った日でした。そしてモノという方舟に乗って、人の暮らしや心はどこまででも旅をするんだなと思いました。なんだか、ほんのりシアワセ。

出来上がったキモノの画像はまた改めてアップしま〜す。

2006年09月23日

お彼岸のある日

 お彼岸ですね。9月22日、午前中の仕事を終えてからお墓参りに行ってきました。久しぶりの鎌倉です。お天気にも恵まれ、サイコーのお墓参り日和となりました。
 お寺に着くと、和尚さんがお茶を点ててくれました。いつもながらの心を開いたおもてなしには、つくづく癒されます。ゆっくりと全身に染み込んでゆくお茶の香りとぬくもり。そして開け放たれた窓から入ってくる秋の風。ほのかな金木犀の匂いが、ほろ苦いお茶にほんの少し甘味を加えてくれるようです。
 庭に出ると、和尚さんが大事にしている畑が点在しています。そして地面に置かれた一升瓶? なるほど! へちまの茎を切って、一升瓶に差し込んでおくと、へちま水がゆっくりと採れるんですって。自家製の化粧水まで作ってるんだ〜。それから初めて知ったこと。それはピーマンの葉っぱもサラダにして美味しく食べられるということ。食べるのは実だけだと思ってた。和尚さんはいろんな事を教えてくれます。食のこと。人間のこと。人生のこと。時たま、こうしてお話を頂きながら、ゆっくりとした時間を過ごすのが好き。

 鎌倉では着物姿の人もちらほら見かけました。景色が良いと、着物も一段と美しく見えますね。もちろんどんな場面にもハマるけど、やっぱり着物は自然の色合いの中で輝きます。着物をもっと楽しむためにも、自然を大事にしてゆかなくちゃ、と燃えるのでした。 仕事から急いできた私はTシャツにスカート…。あぁ、着物で来たかったな〜。
 北鎌倉の駅付近に、私のお気に入りの場所があります(詳細は…ヒミツ)。季節のお料理がとびきり美味しいの!
この日のヒットは、よく冷やしたイチジクをなめらかな胡麻ダレと和えたもの。季節が終わらないうちにアンコールしたいな。

やまとさんのリクエストにお応えして…
すくい八寸のお太鼓柄です。実は前の柄と変らないの。ごめんなさい。
Uma_sukui

2006年09月29日

極彩色

 青山のスパイラルガーデンの前を通りかかると、白黒で「極彩色」と書かれた看板が目に入りました。極彩色…を白黒で謳っている。なんだか引っかかって、フラリと中を覗いてみました。「妄想」と題された数人の作家による写真が何点か。そして天井からは(昔、学校のお楽しみ会なんかで飾ったような)色とりどりの紙でこしらえた花が沢山つるされ、さらに着物を土台に制作された衣装をまとったボディが何体も展示されてました。あらゆる色と素材を用いて生み出された極彩色の世界。
 正直なところ、私にはこの展覧会が何を訴えてるのか分りません。ただ、その空間にいると無数の色が意識の中で混ざりあい、やがてポツンと無彩色の中に佇んでいるような心持ちになりました。有彩と無彩。水墨画を見ていると、沢山の色が浮かんでくるけど。その逆ってこと? ふしぎなかんけい。

  Gokusaishiki

 着物のコーディネートなど、配色を考えるときに「調和」は大事な決めてになります。しかし思い返せば、自然界に不調和なんてありましたっけ? 無尽蔵に存在する色、色、色。それらがどんな順番で、どんな組み合わせであっても、そこには「美」が生まれる。
人間は秩序を作ったことで美の可能性をつみとってしまったのではないか…? 無秩序の中の秩序。人の頭で考えた調和が、不調和を作り出してしまうのか。
 洋服では考えられないような配色が有り得る着物。それは着物が自然の素材を活かし、自然にモチーフを求めてきたから? 多くが化学染料や合成顔料に取って代わってしまった今日でも、それでもなお、私たちは四季を抱く自然と寄りそおうとする。
  着物は練りに練られ、洗練された芸術である。と同時に、手つかずの野生の象徴なのかもしれない。着物が多くの人の気持ちをくすぐるのには様々な理由があります。一つには、きっとそういった原始への郷愁や、自然への解放をチラつかせるから…なのでしょうか。

モーリの色彩空間Part10「極彩色」は南青山のスパイラルガーデンにて、10月3日まで開催されています。

2006年12月08日

十二月八日

 ナレーション録りの仕事を済ませ、フラリとお気に入りのギャリーに立ち寄る。大好きなイラストレーター、山口マオ氏の個展。人のようなネコのイラストは、ご存知の方も多いことでしょう。今回の個展はグワッシュや油絵など、マオさんをダイレクトに感じられるものばかり。どれもステキ! 中でも、ものすご〜く恋した一点は……ありゃ、すでに売約済み。はぁ〜。しかし残念なことばかりではなかった。マオさんに、ギャラリーのオーナーが紹介して下さったのです。マオさんは、どことなくご自身が描かれるネコに似ていた。
 さて、恋した絵は売れてしまってたけど、もう一つ素晴らしいものを発見。マオ・ネコが No War と書かれた箒をプラカードのように掲げているイラストカード。8cm程のミニ・箒も付いてます。箒→ホーキ→放棄。カードの裏には日本国憲法・第二章・戦争の放棄(第九条)が記載されています。「戦争ホーキの会」という活動をしている方々に、マオさんが賛同してイラストを描いてるそうです。大きな声をだしたり、デモをやらなくても、僕なりにできること…とのこと。お値段は、1つ50円以上ならいくらでも。要するにカンパ。ヒステリックでなく、それでいて力強いものを感じました。
 奇しくも今日は12月8日。65年前の今日、太平洋戦争が始まりました。そんな喜べない日付が、この小さな「戦争ホーキ」と出会うことで新しい祈りの日付になれるんだと思いました。

 着物には多くの吉祥模様が描かれます。そして他愛もない語呂合わせのような縁起物も好まれます。日本の着物に限ったことではありません。どこの国、どこの民族にも、大切な人の無事や平和を願う気持ちを込めた意匠があります。「想い」は肌の色や言葉を越えるのだから。幸多かれ。

Mao_1

山口マオ・個展「オイルペインティング」2006.12.1〜13
OPA gallery 東京メトロ表参道駅A2・A3出口より徒歩5分 03-5785-2646
http://www.geocities.jp/opa_gs

2007年01月15日

どんど焼き

 Dondo3

 神主さんの祝詞に始まり、お正月の松飾りなどが焚かれました。このところ乾燥しているので、火を放った途端にボッと燃え上がり、待機していた消防団の人たちの顔が引き締まります。この後、竹竿に吊るされたお餅をみんなで焼いて、それをおしるこにして頂きます。一年の無病息災を願うどんど焼き。こういう行事はなくなってほしくないな、と思います。

Dondo1

 たき火を囲む。みんなが同じものを見つめる。おじいちゃんも、若者も、バカ者も、赤ん坊も、おかあさんも、お偉いさんも、負け犬も… 世代間交流が少なくなり、自分の言語が通じる相手としか関わらない人が増える一方の現代だからこそ、ほんのひとときでも、こうやって同じものを見つめることの意味を重んじるんですよねー。う〜ん、この気持ちを説明する言葉が見つからないんですけど…。

 それにしても、こういうシチュエーションで食べるおしるこは、どうしてこんなにも美味しいのでしょう。海の家で食べるラーメン、キャンプで食べるカレー、縁日の焼そば。仕合わせの味。

小正月

 Azuki

 小豆粥を頂くと、さぁいつまでもお正月ボケではいられないぞ、という気持ちになります。リハビリせねば〜。そして獅子舞、羽子板、羽、独楽といった「いかにも」なお正月用の箸置きもお役御免。また来年まで休んでもらいませう。
 ところでお粥。とても美味しかったのに…なんだか病院食みたいに写ってる。器とテーブルの色のバランスや照明のせいですね。一つ一つの独立した色はどれも美しい。それなのに、組み合わせを間違えると悲しいことになっちゃいます。着物でもよくあることですよね。特に和の色彩はとても表情豊かで、微妙な色合いが無数にあります。だからこそ、それらを活かしあうようなコーディネートをしたい。 着物や帯なども、これからはより春を意識したものが楽しくなります。柄で遊ぶのか、色で味わうのか、みなさんのオシャレ心が暴れだしていることでしょう。私も、実は仕立てあがってくるのを楽しみにしてる帯があるんですよね〜。出来たらここでお披露目させてもらいまーす。うふふ。

 ところでまた腰痛に苦しんでます。整体の先生曰く、いろんな原因の一つに食生活も含まれているそうです。年末年始の暴飲暴食、あるいは動物性タンパク質のとりすぎで腸が疲弊すると腰に負担がかかるんですって。食べ過ぎによる体重増加もさらなる負担になるしね。おまけにこの季節の冷えは対敵。はぁ〜、痛いです〜。

2007年02月02日

ペン字と古布カード

 やろうと思うことはアレもコレも多々あれど、ままならないのが人の常。

 字がヘタなのが特大コンプレックス。通信講座にもなんど申し込んだことか…。それがダメなら『なぞり書き』だ、と本を買う。それもダメ。ペンを持つ、たった10分が捻出できない。ウォーキング、読書、ストレッチ…一日のサイクルの中に組み込んでしまえば何てことないことだろうに、どうして出来ないのか。そういえば去年の夏に、悩んで悩みまくってついに購入したミシン。まだ一度も使ってないや。あ”〜。

 何でもいっぺんにやろうとするからいけないのかも。一つずつ、クリアしていこう。千里の道もなんとやら、じゃ。そこで優先順位を決める。やはりペン字でしょう。大人として恥ずかしいもんね。
 気持ちを盛り上げるために目的を作ってみる。キレイな便せんやカードがあれば、誰かに送りたくなるのが人情ってもんです。

Card

 南青山にある「ちぇらうなぼるた」はアンティーク着物屋さんです。アンティークでも、状態の良いものが揃ってました。どさくさに紛れてボロを掴ませられるようなことはないでしょう。品揃えが全体的に「カワイイ」。さすがに私は見るだけ、って感じかな。もうちょっと若かったらね(涙)。でもこんなカードならOK!

Card4
長襦袢の生地でしょうか。面白い柄の良いところを使っています。持ってるだけでも楽しいけど、やっぱり誰かに届けたい。誰に送ろうかな。心を込めて書きつづければ、きっと字も少しは上手くなるでしょう…かも?…なるといいな。

2007年02月06日

YEBISU

 着物雑誌のインタビュー&写真撮影のため恵比寿へ。今日の東京はビックリするほどの暖かさ。お昼には羽織もいらないぐらいでした。平日とは思えないような長閑さが漂い、私もついつい遊山気分。
 無事に(?)に仕事も終わり、記念写真だ!ということに。さて…カメラマンは先に帰ってしまったし、誰に写真をお願いしたものか。キョロキョロしてると、向こうから「おにいちゃん」が歩いてきました。ちょっとコワイかも…。ドキドキして躊躇っていると、そんな気配に気付いたのか、「おにいちゃん」がニコリ。その笑顔に勇気づけられてカメラを手渡しました。ああか、こうか。「おにいちゃん」は真剣に撮ってくれて、とても嬉しかった。ありがとう!時に殺伐とした世の中だけど、まだまだ捨てたもんじゃないですね。

Fuku


 インタビューを行ったレストランのレジ脇にいた福助さん。こんなに深々と頭を下げて、顔がまるで見えません。それでも誰か分っちゃうのって、さすがの存在感ですね。

2007年02月23日

風呂敷

 雨にも関わらず、銀座は今日も賑わっていました。やはり少しずつ景気は回復傾向にあるのかしら。それでも聞こえてくる会話の多くは外国語でしたけれどね。
 私は銀座の街を歩くのが大好き。ウィンドウを覗いてるだけで、いろんなイメージが広がって楽しくなります。実際にお買い物できたらもっと楽しいでしょうけれど…そこは、まぁ、先立つものが…ね(笑)。でもその時に買えなくても「いつか」という先々の目標みたいなものができるのも悪くないです。
 足を止めたのは老舗和装小物屋さん【くのや】の前。ウィンドウにはステキな風呂敷が並んでいました。2月23日〜26日は風呂敷祭りなんですって。2・2・3=つつみ。2・2・6=つつむ。分りますか? ふふふ。こんな語呂合わせもまた面白いですね!

Furoshiki

 ゴミ問題や資源保護が取りざたされる中で、風呂敷が見直されています。風呂敷ほど重宝なエコバッグはありませんものね。小さく畳んでバッグにいれておけば、いざというときにサッと出して使えます。包み方次第で、どんなモノにも対応できる。しかも美しい! 今日みたいに降ったりやんだりの気まぐれ天気のときは、スカーフや帽子にだって大変身。雨上がり、道ばたに捨てられているビニール傘をよく見ます。実にもったいない。きっとコンビニに飛び込んで買ったんでしょう。そんなときに風呂敷一枚持ってたら良かったのに!

2007年02月25日

和裁の初日

 ひょんな事から和裁に携わることになりました。ずいぶん前に「自分で縫えたらいいだろうな」という軽い気持ちで和裁教室の門を叩いたことがあります。その時は見学しつつ、運針の練習をしました。一時間もやったでしょうか。手がつりそうになって、這々の体で逃げ帰りました。その後「縫えたらいいな」と憧れながらも、自分には無理だと諦めていました。それが全くをもって、ひょんな事から…です。マユコの和裁格闘記!

Saidan
 写真は生まれて始めての「裁断の図」です。浴衣の反物から、まずは袖になる部分を切りました。たったこれだけなのに、ものすごく緊張しました〜。お稽古1日目はこれだけで終了。今日は一回目だったので、道具の説明、寸法を計ったり、予想以上に充実した内容でした。加えて袖を一枚切っただけでも大進展です。宿題は、なんでもいいからまずは直線を縫えるように、と運針の練習。そしてどんなふうに柄が配置されるのが良いか、柄合わせを考えることです。これがビックリするほど大変でした。
 今年の夏には自分で縫った浴衣を果たして着られるのでしょうか。

2007年02月26日

箸置き

 箸置きを集めるのが好きです。その日の気分に合わせて選んだり、季節やイベントを盛り上げたり、ちょっとしたことで食卓が華やぐ気がします。同じお料理でも、盛りつけるお皿が違うだけで味わいが変ってきます。同じように、箸置き一つで何かが違うんですよね。

Hashioki

 今日からお雛様の箸置きが登場。お雛様にお箸を担いでもらうのは恐れ多いようでもありますが、ここは二人で力をあわせて頂いて…。でもよく見ると、お雛様がすごく頑張ってる顔をしてるような…? やはり高貴なお方には重たいのでしょうか(笑)。箸より重いものを持ったことがない、って云うぐらいだから大丈夫なはずなんだけど。
 不思議なもので、お箸の使い方でその人の品性みたいなものがうかがえちゃうんですよね。どんなにキレイな女性でも、お箸の持ち方がヘンだったり、マナーが悪いと、とても下品に見える。反対に、ちゃんとお箸を使ってると、かなりの欠点をカバーしてくれる。私もあまりお箸使いは上手な方ではないので、よくヒヤヒヤしています。

和裁日記#2

 お裁縫は運針に始まり、運針に終わるそうです。普段も半衿を縫ったりはしてるんですが、とにかく今までいい加減に持っていた針をちゃんと進められるようにしなくちゃ! 
 実は去年の夏にクッションカバーを作ろうと思い、生地を買いました。そして「作るぞ!」気分が盛り上がり、悩んだ末にミシンも買いました。そしてそのままホコリを被ったままになりました(とほっ)。そこで(ミシン君にはもう少しお休み頂いて)まずはクッションカバーを作って運針の練習をしてみることにしました。今はちょっと休憩、その間にこのブログを書いてます。
 さて、運針もですが、宿題の柄合わせ。悩みます〜。

Gara1
  まずは白っぽい部分を合わせて中心に持ってくると…

Gara2
  反対に赤いところを中心にすると…

Gara3
  交互に置いても面白いかな。

 大事なのは衿の部分。顔の周りをすっきりと白でいくか。それとも赤で引き締めてみるか。あ”〜、やっぱり分らない〜。 
 それにしても着物は反物という長方形の生地を実に上手に組み合わせて、無駄なく仕立てるんですね。知識としては知ってましたが、実際に自分で寸法を計って配置して…しっかりとした実感がわきました。例えばクッキーを作る時。綿棒で延ばした生地を抜き型で抜いてゆけば、当然ながら間に無駄が生じます(だから最後はまるめて、それだけ他のとは違う形のを自分のつまみ食いように焼きますよね!)。きっと洋服だとそんな感じだと思います。ところが着物をクッキーに例えるならば、生地を棒状にしておいて、端から等幅に切ってゆく。すると全く無駄なく使い切ることができるのです。
 こんな説明でちゃんと伝わるのだろうか。。。?
 クイズ。マユコが伝えたいことは何か!
1)着物は知恵の宝庫だ
2)着物はエコだ
3)クッキ−が食べたい
                                                                                     正解:1、2、3

2007年03月01日

新顔

 バレンタインのチョコレート・フィーバーも楽しかった(美味しかった)けれど、やっぱり私はおひな祭りがいいな。菱餅、雛あられ、白酒、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物(出汁がたまりません!)、草餅、桜餅、桃まんじゅう。目にも口にも美味しいですね。
 ドーンと豪華に飾られたのもいいけど、我が家は残念ながらスペース無し。なのでバリエーションで楽しみます。あちらこちらに小さなセットを置いて、家中のムードを盛り上げてます。今年、新たにお仲間入りしたのがコチラ。

Dobina

 着物と台座に桜が描かれているので箱には「桜雛」と書いてあります。でもホント。このまま温暖化が進めば、文字通り近い将来「桜雛」が当たり前になる可能性もあるやも…。う”っ、そしたら梅と桜にはさまれて、桃の立場は…?(涙)
 ひな祭り。その美しさや、行事に込められた幸せへの祈りの中に、女性として多く感じ取るものがありますよね。ハレルヤ、桃の節句。

2007年03月03日

前夜祭

 アレルギーを抑える薬は飲む時間をよくよく考えないとエライ目に合いますね。今日は朝からナレーション録り。ちょうどスタジオについた辺りから薬が効き始め、いざ原稿を読もうとしたら鬼のような睡魔が…!気持ちは頑張ろうとしてるのに、ぼや〜っと意識も肉体も弛緩してしまい困りました。自分の意志だけではどうにもならない。まともにロレツも回らず、実にキレが悪い。OKテイクが出るまで四苦八苦しました〜。
 その反動か、夜に行われたamamfwawaのスタッフ・ミーティングはやけに楽しんでしまいました。次シーズンに向けてのアレコレを話しあうのがメイン…でしたが、女子が集まれば自然と雰囲気はひな祭り前夜祭! それぞれが持参してきた甘酒、ピンクのおのろけ豆などですっかりガーリーな夜になりました。

 Tomaranai

 実は明日3月3日はお茶の先生の処でお雛様のお茶事があるのですが、ちょうど仕事とぶつかってしまい出席できず(シュン)。欠席を伝えると、先生は優しくも参加できない私にお手製の雛あられを送って下さったのです。買ってきたものと違って自家製のあられは味わいが違います。歯ごたえがたまりません。

Hinaarare

 ちなみに先ほど、先生宅へお電話したら、ちょうど桜餅を作ってらした。ってことは、明日のお茶事には…これまたお手製の桜餅…う”〜、ますます明日参加できないのが残念です。
 それにしてもついなんでも買って済ませがちな私にとって、先生の優しさと行動力はまぶしく、憧れます。ちゃんと家でこしらえたものと、そうでないもの。込められた「気持ち」の違いが格段の味わいの違いとなって姿を現します。やはり愛はスローを好むのでしょうか。

2007年03月20日

儚い

 Sakura_1

 その桜は、私の記憶のある限り、毎年春を告げていた。かれこれ20年。私よりも長くこの街に暮らしている人や年上の人たちにとっては、もっと長い年月を共にした思い入れ深き桜に違いありません。今日、大きくふくらんだ蕾の中に、一つだけ咲いているのを見つけました。いつにも増して、ひときわ健気で儚くて…美しく思えます。
 誰もが心を亡くしそうな都会の真ん中で、春を運び、みんなに潤いを与えてきた桜。それがバッサリと切り詰められてしまいました。いつ頃からなのか、具合が悪くなってしまったのです。どうやら回復の見込みがないのか、いよいよ処分されることが決まったという話がささやかれています。今,区が新しく植え替える樹を探しているとか。不調の原因は、近くに出来たビルらしい。レストランやショッピングモールが入ったビル。駅と連結しているので、近隣住民たちは少なからず便利に利用していました。ところがそのビルのせいで水はけが悪くなり、土壌の環境も変ってしまいました。そんな事とはつゆ知らず、私もただビルの便利さを喜んでいました。今、多くの人が桜の現状に胸を痛めています。もうじき引き抜かれてしまうのでしょうか。でも、どんなに胸を痛めたところで、その後もビルを利用し続けるのでしょうね。もちろん、私も…。澄み渡った空の青さが辛いです。

2007年03月25日

和裁日記#3〜BLOOM

 風の音に起こされる。外に出ると、夏の嵐のような天気。生温い空気が忘れていた梅雨の記憶を呼び覚ます。まだ三月だというのに。それとも私は夜の間に竜宮城へにでも行っていたのか。今が一体いつなのか…迷子になるような朝。
 迷子なら迷子のままでいい。どこにも、何にも属していない自分を楽しむひととき。今、見えるもの。聞こえるもの。香るもの。感じるもの。全身がアンテナ。『身』すらも揮発するかのように、やがて『全身』は『全体』になってゆく。

Tsubaki_1
Wow!今朝、咲きました。たった一つだけついた蕾が、途中で落ちることもなく…嬉しい。楽しみにしていた白い椿です。

Buds
待機中のベビーたち。
左は源平しだれ桃。世間ではもう時期が終わっているようですが、我が家はこれから。
中央は木瓜。去年、花屋さんの裏で見つけたもの。ひっくり返って売り物にならなかったのか、根もむき出しのまま放り出されていました(泣)。まだ完全に枯れていなかったので、100円で引き取りました。あれから一年、元気に再生しています。何色の花が咲くかしらん。
右は牡丹。桃や木瓜の開花はちょっと遅くれてますが、この牡丹は年々時期が早まっているんですよね〜。

Wasai_1
さて、今日の午後は和裁のお稽古です。草木たちに負けないように、私も夏までには『浴衣の花』を咲かせねば!
 写真は前回のお稽古の様子。ジャージであぐら…「和」のすべてが優雅でほっこりではありません(笑)。それにしても、普段は見ることのない自分の無防備な後姿。やはりもう少しシェイプアップした方が良さそう…くぅ〜。

2007年03月26日

和裁日記#4

 やり始めると、何でも夢中になってしまうのです。気がつくと浦島太郎のごとくにタイムワープし、全身バリバリに凝っています。結局、無駄な力が入るから凝るんですよね。和裁も、木彫りも、しゃべりも、恋も。すべて同じこと。力みがあるうちは、周囲も自分も疲れちゃう。もっと楽に、無理なくできるようになるのが理想なんですけどね。まだまだ…。

Waza
布地をはさんで、扱いやすいようにピンを張れる『くけ台』という道具があるのですが、先生は自分の身体を使います。先生の動きはテキパキ素早く、キレがあります。それでいてやさしくて柔軟なんですよね。プロの技です。私も挑戦しましたが、3秒で足がつりました。

Sode
袖の下の部分にゆるい丸みをつけます。その為には四角く裁断した布の始末をしなくてはなりません。ギャザー状になった部分にギュッとコテをあてて…と。

Sode2
まだ袖口の始末が残っていますが、とりあえず袖っぽいものができました!
先は長い。でも少しずつ形になってくると気持ちに弾みがつきますね。モチベーションあげて頑張るぞ〜。
…おっとっと。頑張りが『力み』にならないように、深呼吸。すーはー。

2007年03月29日

花盛り

 替わりの桜が見つかったら引き抜かれてしまうかもしれない…。20日のブログにそうお書いた桜の樹がどんどん開花して、見るたびに花が増えてゆきます。ポンポンと弾けるように生き生きとして、うふふ、ポップコーンみたい。こんなに元気なら、引き抜かれずに済むかしら。
 忙しそうに歩いている人たちも、そこを通るときはフっとスピードが緩めます。横断歩道で信号待ちをしてる人たちも、信号機よりも桜の樹を見上げています。青に変っているのをウッカリ見過ごしても、なんだか許せちゃう。その分、もう少し桜を見てられるんだものね。
 花が咲くと、人の心はいつもより少しやわらかくなるようです。おしゃべりも花盛り。知らない人とも「きれいですね〜」なんて挨拶を交わしたり。なんてステキな季節でしょう。

 お茶のお稽古でも春うららでした!
 
Hanabira
 口の中でゆっくりと溶けてゆく…。お濃い茶と頂いた『初桜』。中はこし餡のねり切りです。

Usugoori
 薄い真煎餅を和三盆で包んだ『薄氷』というお菓子があります。口に入れると、本当に薄い氷がスッと無くなるような繊細な味わい。その『薄氷』が春の桜になりました。
 写真ではよく見えませんが、上の扇(煎餅)には桜の樹が描かれています。その樹から、はらはらと花びらが舞う景色を菓子皿の中で表現(by 先生)。
ところでこの菓子皿。筒状になっている竹をググィッと広げてお皿にしてあるんです。ステキですねー。

すっきり暮らす〜 &お知らせ

 日ごろから着物で過ごすことが増えて良かったことは『後回しにしない』ようになったことです。以前は脱いだ服を丸めて『とりあえず』置いておく…。気がついた時には『とりあえず』が積りに積もって大きな山となり、やがては雪崩に遭う羽目に。それが着物の場合は脱いだらすぐに衣紋掛けに吊るして汗を飛ばし、片付けるときもきちんと畳んで仕分けします。そんなことを繰り返してるうちに、そのつど片付けることが気持ちよくなってきたんですよね。今まで面倒くさかったことが、不思議と快感になる。面倒くさいと思って『ネグって』いれば、かえって面倒くさいことになると分ってきたからでしょうか。いつでも慌てず、気持ちよく使用できるように小物類にアイロンをかけるのも苦ではなくなりました。
 そんな私なのに…。着物に関わるとこ以外は、やはりズボラっす。特に書籍類はダメです。どんどん増える本。つまみ食い状態で読み散らかしたものを『とりあえず』手元に積み上げてゆく。そしてまた増えた本がさらなる地層を形成してゆくのです。

 非現実的なほど暖かな今日の風に吹かれていたら、突然そんなゴチャゴチャした暮らしがイヤになりました。思い立ったが吉日。ついに整理整頓に着手しました!必要なくなった本は思いきって処分し、空いた棚にキレイに仕分け。………

Books

 張り切っていっぺんに本棚から本を抜き出したはいいけど。果てしない。今、くじけてます。それでコレを書いてます。PCを一心不乱に見ています。
だって振り向けば床中に散らばった本、本、本。どーすんだよ!?今夜,寝る場所ないじゃん!  (ちなみに床におふとん敷いて寝ています)くーっ。


★お知らせ☆
またまた特番です。
3月30日(金)20:00〜20:55 TFMにて
 ディズニーライブ!ミッキーのマジック☆ワールド スペシャル
【僕とおじさん】をON AIR

もうすぐ来日公演のスタートするミッキーのマジック☆ワールドの魅力を、今回はドラマ仕立てでお届けします。お楽しみに。

2007年03月30日

ヒトコト〜お知らせです

 勢いよく降った今朝の雨。植物たちはサッパリと、そして生き生きとしてシャワーを喜んだようです。顔を出したお日様の下で気持ち良さそうにしてました。

Momo
 どんなかと楽しみにしていた桃が咲きました。しだれ桃。

Giboushi
 ギボウシが芽を出しました。いつも放ったらかしなのに、毎年ちゃんと顔をだしてくれます。また会えたね!

Image_1
 桃とギボウシの共演から、ちょっぴりよそ行き気分のコーデをイメージしてみました。

 ところで、ケータイサイト【ヒトコト】はチェックして頂けましたか? まだ、という方は是非、宜しくお願いします!「和の世界」をいろんな切り口で取り上げています。3キャリア(DoCoMO、KDDI,SoftBank)対応、無料サイトです。
ヒトコト

2007年04月01日

天下文明の心遣い

Yeah

 来客あり。誰かが訪ねてくれるのは嬉しいことです。そしてその方がお土産を持ってきて下さると、さらに嬉しいものです。何かを頂くことはもちろんですが、それだけではありません。お土産には、その方の想いが込められているから嬉しいんです。何が好きだったかな。これは喜ぶだろうか。お土産を求めるときに、少なからず相手のことを考えます。好き嫌い、身体の状態、季節など、あらゆるデータから「その人へ贈るもの」を割り出すのです。(そりゃ、テキトーに無難なものを見つくろう場合もあるでしょうけど…それにしても、です)

 今回のお土産は天下文明極上カステラ。予てより食べてみたいと、密かな憧れを抱いてました。ところがこれまで縁がなく、口に出来ずに悶々。何せ高い。だから買うには思い切りがいる。よし、今日は買うぞ!と意気込んでみれば品切れ。品がある時は、他のものをいっぱい食べた後。そうでなけりゃ金がない。それがついに!とうとう!今、目の前に…!
 すごい。上質の和紙に包まれ、真田紐がかけられています。それを開けると、焼き目のはいった木箱… 
きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
 Castella

 いつだったか「カステラは美味しいね」、それなら「例の極上カステラを食べたことがあるか」という話題が出たことがありました。それを覚えていて下さったんですね。その心優しさが、お土産のカステラをさらに美味しくさせるのでしょう。私も相手を想う気持ちを大事にしよう。形式だけのカラッポのお土産でなく、ちゃんと中身の詰まったお土産を持ってゆこう。
ありがとう。ごちそうさまでした。


Momobi
 少しくすみのあるローズピンクの紬。帯は祖母の愛用していた半幅です。帯板も入れず、家の中ではゆるく着ています。

2007年04月06日

還暦

 私の母は三姉妹の末っ子。その母が還暦を迎えた。三姉妹の母親、つまり私の祖母は六十歳を目前にして亡くなったので、彼女たちにしてみれば感慨深いものがあるのだろう。三人無事に生きながらえ、ついには母親の年齢を全員が越えたことになる。そんなわけで、今夜はささやかながらお祝いの席が設けられたのです。
 それぞれの生活を送りながら、会えば瞬時にしてとけ込み「娘たち」になってしまう。そのくせ、厳然と「個」が存在する。どんなに似ていても、どんなに仲よくとも相容れない何かがある。そしてやはり切っても切れない絆で結ばれている。つくづく姉妹とは不思議なもの。
 お祝いの気持ちを込めて、私は母が大事にしていた着物で出席。久しぶりに会った母は、私をみとめるなり嬉しそうに顔をほころばせた。プレゼントを渡した時より嬉しそうだったな。受け継がれ行くもの。脈々と流れ続けるもの。着物にはそんなものが宿るのかもしれない。

 Mb

2007年04月08日

お花見2007

 友人○○の家には見事な桜の大樹があります。でも今は仕事やら何やら、諸々の都合でその家では暮らしていません。生前、お母上が住まった家。そして愛でた桜。そのままにしておくのは何ともやるせない。そこで○○は毎年、お花見をすることを思いつきました。
 根っからの楽しいこと好きの○○。庭中に縁台を置き、ぐるりと取り囲むようにドリンクバー、焼き鳥、すし、おでん、ステーキ、焼そば、フルーツやオードブルのブッフェカウンターを用意。お昼からワイワイ、上野のお山にも負けないぐらいの大盛況です。
 今年はなかなか都合がつかず、延期々々でやっと4月7日の開催となりました。東京ではとっくにピークを過ぎ、中にはすっかり花の終わったところもあったので心配していましたが、○○んちの桜は満開絶好調!みんなのテンションも上がります。
 夜、そろそろお開きモードかという時になって急に風が出てきました。風に誘われるように雨も降り出して…おぉ、桜吹雪!
 「きっとお母様が今日まで桜を咲かせてくれていたんだね…」胸に暖かいものが流れました。
 ○○、今年も呼んでくれてありがとう。とても素晴らしいお花見ができました。

Hanami

肝心の桜が全然写ってない…(涙)。泥酔者も出るでしょうし、汚れることは必至。こんな時に重宝なのがポリエステル着物。突然の雨も問題ありません。お酒をひっかけられてもニッコリの余裕。周囲に気を使わせないようにするのも「和の心」です。帯は正絹博多半幅。こういう配色の帯は超お役立ちのお助け帯になりますよ。

2007年04月11日

牡丹

Botan

 朝、表に出たら牡丹の花が咲いてました。年々開花が早まってゆくような気がして、環境問題やら、心配事は尽きません。でもこの美しさを前にしてると、ささくれた気持ちも潤ってきます。心配にくたびれているよりも、できることをやろう!そんなふうに発想が前向きになってゆくのは、植物が良いエネルギーを分けてくれているから。ありがとう。
 自然を征服するのではなく、自然と共に暮らしてきた日本人にとって季節はどれだけ大事なものか。四季があやふやになるにつれ、痛烈に感じます。衣食住のすべてにおいて、四季がなかったら、日本の暮らしはさぞ味気ないものになるのでしょうね。和菓子ひとつをとっても、花びら餅→うぐいす餅→桜餅→草餅→柏餅…
四季折々の楽しさです。いくら美味しくても一年中チョコレートケーキだけだったら、どんなに寂しいことか。世界的に見ても、突出して優れた色彩感覚や味覚。日本人のそれは、四季があるからこそ養われたんですね。

 Itagaku
 牡丹が咲くころまでには仕上げたいと思っていたんですが… 全然間に合いませんでした(トホっ)。牡丹を図案化した板額。彫りが終わったら、これに漆を塗ります。完成はいつになることやら。

2007年04月19日

お花の名前

 昨日あのNHK番組で「今はどんな花が咲いているか」という話題になりました。そのときに、名前が分らず言葉で説明しようと頑張ったのですが全然ダメでした。

 Sanyaso
 こんな植物です。そして…
【これだと、シラユキゲシ。多年草 ケシ科 エオメコン属
 English Snow poppy です(^。^)】
というメールを頂きました。ありがとうございました。

 どの花も好きだけど、白い花って特に惹かれます。
ちょっとキザに聞こえるかもしれませんが、今すごくハマってることは「生きること」です。
日に日に知らないことが増えてゆく。または、知らないことの多さを知って行く。
だから知りたい。ワクワク。ドキドキ。楽しい。

しばらく忙しさにかまけて縫いかけの浴衣をそのままにしていました。こんなことでは夏までに仕上がらないぞ!
自分にムチを入れて、今夜はチクチク運針、運針。絹用の針を無理に使ったらポキポキ、5、6本も折っちゃいました。ちなみに、指ぬきを変えたら、かなり縫いやすくなりました。道具って大事なんですね〜。

2007年04月22日

川越唐桟と和裁のハシゴ

 4/20〜23の間、代官山にあるギャラリー無垢里(03-5458-6991)にて【木綿きもの・川越唐桟展】を開催。今年のはじめにamamfwawaのフェアをやらせて頂いた川越の呉服笠間さんが東京にやってきたのです。もちろん、amamfwawaの全員もお祝いに駆けつけました。私たちがフェアをやった1月にはお目にかかれなかった夏物も展示販売され、またしても木綿の魅力にクラクラ!
 この日は笠間さんで作って頂いた川越唐桟のきものを皆で着ていきました。もちろん絹には絹の良さがあるけれど、木綿もまた格別な着心地。身体にフィットするというか、身体の一部になる…そんな感じです。何よりも木綿の気軽さが、行動をより自由にしてくれます。おっちょこちょいも笑って許されちゃうの。今、かなり木綿にハマってます。
 無垢里は一軒家をギャラリーにしています。ガラス工芸、焼きもの、木の器や家具など様々なアイテムを紹介。写真は無垢里の入り口で撮りました。良い雰囲気が伝わりませんか。そのまま住みつきたいぐらいでした。

Mukuri

 川越唐桟を堪能した後、和裁のお稽古に行きました。前にも書いたように、あぐらをかいたり、布をピンと張るために足の指ではさんでアクロバティックなポーズをとったりの作業です。なので着物をバッとめくって尻ばしょり、ステテコ丸出し。とても画像はお見せできません〜(笑)。

2007年04月23日

ビバ東北〜白瀑神社

 昔は仕事でどこかに行くと「仕事」をすることだけに集中していました。旅の記憶らしいものはほとんど無く、空港とホテルとスタジオの景色が頭の中で入り乱れるだけ。それがいつの頃からか、仕事だろうが遊びだろうが、ご縁があってそこに行かせてもらうのだからたっぷり満喫せねば失礼だと思うようになったのです。土地の人たちとふれ合い、恵みを頂き、そしてその地を踏むことを許してくれた自然に感謝するのが私の旅のスタイルになりました。

 今回は初めての秋田・青森。秋田の大館能代空港から最初に向ったのは薬師山麓にある白瀑神社です。お参りしてからお社の裏に回ると、おぉ〜!ゆたかな水がゴウゴウと流れる見事な滝。けっして大きいわけではないけれど、その姿は勇ましく、そして旅人をも癒してくれる優しさをたたえています。

Shirataki
 4月中旬。秋田はまだ春浅く、合羽の下にダウンのインナーを着ていても震えます。けれど寒さも忘れ、しばし水の音に包まれながら、厳かな時間に沈み込みました。秋田の神様たちにご挨拶をして、いよいよ旅の始まりを実感したのです。

2007年04月24日

ビバ東北〜酒蔵・その壱

 日本酒が好きな方ならご存知でしょうか。【白瀑】という秋田の銘酒。それはまさに白瀑神社の上流から湧き出る名水で作ったお酒です。白瀑神社がある薬師山から自家水道を使ってまっすぐ蔵に引き込んでいるというから、天然も天然、まじりっけ無しのモノホンです。ならば…ということで白瀑神社から名水を追いかけるように向ったのが【白瀑】を作っている酒蔵の山本合名。
 そのまま通り過ぎてしまいそうなぐらい質素な佇まいに軽く驚きつつ、敷地内に入ると…ややっ!ふわ〜っと、やわらなかなお酒の甘い香り。入り口からはわかりませんでしたが、中は想像以上に広くて奥が深い。巨大な樽やタンクが並んでいます。

 Kama
 お酒を作るために用いる道具は木製なので薬品が使えません。道具はこの大きな釜でグラグラ煮立つ熱湯で消毒します。

Ma
 テンションあがる〜!

2007年04月26日

ビバ東北〜酒蔵・その弐

 Shikomi
 大人が2,30人ぐらい入れそうなタンクの中で、お酒が元気に育ってます。タンクに顔を近づけると、まるでコーラを一気飲みしたみたいに息苦しくなってむせ返りました。
「この線より下に行ったら即死します」との言葉にヒェー!発酵時に出る炭酸ガスのせいで窒息死するそうです。それ故に毎年、全国で何人かの杜氏さんが酒樽に落ちて亡くなるという事故もあるとか… まさに命を張っての真剣勝負。


Tasting
 仕込んだ日付の順に味見をさせて頂きました。まだ日が浅いものはお砂糖をたっぷり入れた甘酒みたいに甘い。ところが同じものでも、日が経つにつれて甘味がすっきりと落ちて辛口になってゆくんですね。実は私、ほとんど下戸でございまして、ほんの少しのアルコールで胸はドキドキ真っ赤っか。そのくせ日本酒の匂いと味は大好き。ペロっと舐めちゃ出来上がっちゃうから困ったもんです。

2007年04月28日

ビバ東北〜豆腐と五能線

 酒蔵を後にして、少しするとお豆腐屋さんを発見。ん? 秋田の大豆? グリーン豆腐? 何やら美味しそうな気配がビシビシ伝わって来る。「秋田の大豆」は県産の有機・低農薬大豆を使った、農家と職人の意地の結晶。「グリーン豆腐」は秋田県産の青大豆を使った、ほんのり緑色の逸品。大豆本来の味が口いっぱいに広がるそうです。こりゃマズイわけがない!
 けれどそこでお豆腐を立ち食いすることもできず、チラシをもらって後からお取り寄せすることに。その場では豆腐ソフトクリームを頂きました。味はまさにお豆腐!豆乳とかの次元ではなく、と・う・ふ♪ 寒い。でもウマイ。そこにプ〜ンと甘い香りが… 何? 豆腐ドーナツ!!「今、奧で息子が揚げてるから」とオヤジさん。

 ヤバい。豆腐ドーナツが出来るのを待っていたらギリギリの時間になってしまった。Okara

 今回の旅の目玉のひとつ、五能線に乗るのである。しかし東京の山手線というわけにはいきません。なんたって本数がないんですから。しかもこんなシーズンオフに乗りそこなったら後がない。揚げたてアツアツのドーナツを抱えて走った、走った。セーフ! …ふ〜。

Shanai
 焦った自分がバカみたいなほど、車内はノンビリ。地元衆がポツポツ乗っているだけ。車掌さんも「そんなに慌てんでも、待ってるから」と云わんばかりにこちらを見ている。まるでバスのように乗車駅で券をとって、乗った分だけの料金を清算するのだが、システムがよく分らない私は券をとるはずもない。それでも車掌さんはちゃ〜んと心得てて、「はい、東八森からですね〜」と無事に降ろしてくれました。

Shasou

 時間の都合で全線乗車は無理でしたが、東八森〜十二湖間の五能線の旅。本当に素晴らしかった。ここがどこだとか、今がいつだとか、自分が誰だとか…いろんなことが車窓からの景色と共に置き去りにされてゆく。そしてそれらは案外どうでもいいことなのだと思う。

2007年05月03日

映画三昧〜特番によせて

 昨日のNHK FM特番「今日は一日【映画音楽】三昧〜ヨーロッパ編」を聞いてくださった皆様、ありがとうございました。どうなることか予想もつかず、ドキドキしながら夢中で過ぎた9時間45分の長時間でした。


Cd_2

 単にサントラ流して「いい映画ですね、懐かしいですね」と、そんなどこでもやってる番組ではなく、もう一歩も二歩も突っ込んだ番組を目指し、準備も周到。Library_2 
 しゃべっている、すぐ側の机には300枚以上のCDが並べられ…     
 次々と送られてくるリクエストに対応すべく、さらなる音源をスタッフは休む間もなく代車に載せて運び込み…
 解説を担当したサウンド&ヴィジュアル・ライターの前島秀国さんのPCには15,000曲以上の音源がストックされいます。

 今回、初めて明かされた秘話や沢山の貴重なお話もたくさん飛び出しました。その中で、私を一番ゆさぶったのはゲストの作曲家・上野耕道さんが「マカロニ・ウェスタンの音楽はケルトだよね」指摘したことです。たしかによく聞いてみると、そんな気がします。
 近年の景気の向上により、アイルランドの人口は増加傾向にあるといっても、アイルランド島の総人口は約560万人(うちアイルランドに約390万人、北アイルランドが約170万人)。一方、アメリカにおけるアイリッシュ系移民は4000万人以上。かつて西部開拓時代には多くのアイリッシュが西を目指したそうです。そんな流れからもマカロニ・ウェスタンがケルトを土台にしてたとしても不思議はありませんよね。
 映画と映画音楽を掘り下げることで、歴史や人間の歩みを少し覗くきっかけになりました。これはある意味「和のスピリット」であると思います。「和」→「環」→「話」→「輪」。全体性と連結。
 着物だって単に「きれい〜」だけで終わらせるよりも、もう少し深く入り込むと、どんな風に作られたか、どこで作られたか、どんな気候風土が育んだか… 人類学、歴史,環境問題、美術… 果てしない興味の解放に繋がります。

 番組は、多少マニアックな方向に走りすぎた箇所もあるでしょうし、聞きづらかった一面があったのも事実だと思います。そこを、どう「リスナーの皆さんとの共通言語」をより増やしてゆくかが宿題として残りました。けれど、私が刺激を受けたように、少しでも皆さんの中で新しい扉を開いたとしたならば、これほど嬉しいことはありません。

Oyatsu_2
集中力が途切れないように、甘いものについ手が…

2007年05月04日

みたてる

 どこに行っても柏餅と粽が目について困りますね。どの店も「当店自慢の〜」を謳っていて実に美味しそう。4つも胃袋を持っている牛が羨ましい。4つでなくても、せめて2つ… なんてバカなことばかり考えてます。平和だ。

Nagare

 食べ物はもちろんですが、他にもちょっとしたモノで生活空間に季節の風味を加えるのも楽しいです。
 我ながら気に入ってるのが、この写真のしつらい。一寸法師と鯉の土鈴。それぞれ別に入手したものですが、藍染めのランチョンマットを敷くことで、川を登る鯉と下る一寸法師とがすれ違う一瞬を捉えたような景色になりました。居間のサイドテーブルにちょこっと飾って5月の訪れを祝っています。

2007年05月08日

写真展

 5月6日。雨の中、写真家の友人と写真展をハシゴしました。
 きっと同じものを見ていても、そこの切り取られているものは同じではない。ステキ。
 誰かと想いを分かち合いたくて、同じところに立とうとしても、決して同じものは見えない。孤独。
 だから伝えようとする。
 
 その写真が面白くて、その空間が気持ちよくて、塚本修史さんの個展が良かったです。開けっ放しの窓から入り込む雨の音に包まれながら写真を眺めていると、ふと水の中にいることに気付きました。エラ呼吸。吸っては吐く水流は、頭を通過することなく、直接カラダを廻るのです。

Praha

 仕事の行き帰りなどに、日記を書く用にケータイで撮った写真。生き生きしていて、それは「写真」というよりも「撮った人」そのものに接してるような気がしました。彼の作品を見て、私はいつもより少し人間が好きになりました。

“その日Graphy” −塚本修史写真展− 

会場:
coffee praha 3F gallery地図
東京都渋谷区上原3−2−2
tel:03-5453-0112
小田急線・メトロ千代田線・代々木上原駅より徒歩5分

会期:
2007年5月5日(土)〜13日(日)
12時〜23時(最終日のみ17時まで)
入場無料

Ts
 塚本氏とネコ君。

2007年05月10日

季節めぐり

 昨日、番組宛にステキなメッセージを頂戴しました。
 「桜の季節が過ぎ、新緑に染まる少し前。ほんの一瞬、山は紫になる」
私たちが生まれる前も、死んだ後も、相変わらず山はそこに在るのでしょう。でもその表情は決して同じではなく、とらえても、とらえても、新しい驚きと感動を与えてくれるのですね。

 「日差し、空気の臭い、空気の中の水分は毎日これから変わるよね。その変化が好きなんだ」
 帰宅すると、こんな友人からのメールが私を迎えてくれました。現代は季節感がないという人がいます。でも、ちゃんとあるんです。ちょっと忘れちゃってる人が増えただけ。

 仕事の後、お茶のお稽古に行きました。炉が閉じられ、風炉に変っていました。夏のお点前です。夏と冬とではお点前の手順が多少違うので、アレレ? あれれ? アレレのレ〜。柄杓を持ったままフリーズ。「記憶にございません」と必死に目で先生に訴えるばかりでした。ある意味、新鮮な刺激。

Ayame
 アヤメのお菓子。練りきり、こし餡。美味。

2007年05月11日

ビバ東北〜青池

 首尾よく五能線への乗車を果たしてホッとしたのも束の間。すぐに十二湖駅に到着。そこで降りたからには、当然十二湖を目指すわけですが、お天気と時間の都合で全部を廻るのは無理。楽しみは先に残しておくことにして、今回は十二湖の代名詞とも云える青池を訪れました。
 青池に向う途中にもいくつか池があり、どれもステキなのですが、青池が見えた瞬間「あおーい」っと思わず声を洩らしました。そんな初心者の反応にも馴れているのでしょう。地元民はニヤリと「青池ですから…」。そりゃ、そうだ。けれど、この日は雨が降り日中でも薄暗い。お日様の光が力強く水中を貫いたならば、一体どこまで青くなるのでしょう。

Aoike

 その昔、外国人たちが日本にやってくると藍染めの美しさに魅了されたと云います。ジャパン・ブルー。当時は今よりももっと藍が普及していたでしょうから、きっとそこら中が青く、まるで青池の中の竜宮のように映ったのかもしれませんね。しかも合成染料ではなく、本藍の深く、清らかで、瑞々しく、生命力に溢れた色合いは独特です。自然は偉大な芸術家ですわね。

  ちなみに藍はきれいなだけでなく、殺菌や防虫効果などもあるそうです。藍染めのキモノを一枚タンスに入れておけば、防虫剤は不要。野外でのアクティビティが増えるこれからの季節、藍染めの洋・和服がいいですね。肌荒れ・アトピー・水虫などにも良いらしく、藍染めの下着や靴下が静かな人気を呼んでるとか。

2007年05月14日

出雲織

 「ビバ東北」にて、秋田・青森で味わった感激を書き綴っておりますが、どうもすぐに脱線してなかなか進みません。青池から藍染めを連想したので、今回もちょいと寄り道します。

 染織り作家・青戸柚美江さんの傘寿(80歳)を祝う集いが先月ありました。そこで出会ったのが【出雲織】と呼ばれるもの。藍染めを基調としたものは沢山ありますが、出雲織…正確には青戸さんの作品の優しくて強い魅力に夢中になりました。

Izumoori
 素朴で穏やかななのに、ずっと深いところにはグツグツと煮えるような激しさを内包してる作品の数々。中でも私が一番惹かれたのがコチラです。

 日本の歴史と知恵と美が濃縮された着物ですが、残念ながらその原料となる絹や綿のほとんどは輸入に頼っているのが現状です。しかし青戸さんは染めや織りだけでなく、綿花を育てるところから始められるそうです。収穫した綿から糸をつむぎ、それがやがて膨大な行程を経て反物に仕上がってゆく。実に気の遠くなるような話です。
 今回の集いで、青戸さんは結婚された当時のお話も披露してくださいました。親が勝手に決めてきた結婚。相手の顔さえ知らぬままに嫁ぎ、毎日を必死に生きてきたら、アッという間に月日が流れていたそうです。その「アッという間」の陰には並み成らぬご苦労もあったと想像します。でも日々を懸命に生きる姿は、作品を創る姿勢にも繋がっているように思います。
 生地を触ると、しっとりとやわらかく、フワッとしていながら適度な重量感もある。自然と人間の交わりの中で生まれた布は力強く呼吸をしているのですね。「出所」も「行程」も見えにくい「加工品」に埋め尽くされている現代生活を送る中で、青戸柚美江さん、及び作品に触れることができたのは大きな刺激になりました。

Hasuito
 ちなみに青戸さんは綿のみならず「藕絲=ぐうし」も手がけています。蓮の茎を折って引くと、蜘蛛のの糸みたいな細い繊維が出てくるそうです。藕絲はこれを紡いで作るのですが、40キロからわずか2gしか採れないとか。

2007年05月24日

acceptance

 受け入れる。忘れがちだけど、とても大切なこと。それを思いだした日でした。目の前に茶碗があるとする。何だろう、と思って目を凝らす。
 茶碗?  
 そう、でも違う。
 入れ物? 
 そう、でも違う。 
 焼き物? 
 そう、でも違う。
 これは、これ。

 あるインタビュアーが、ジョー・ストラマーに意見を求めた。その時、ジョーはこう答えました。
 「オレに意見なんかないよ。人は意見を持った途端に真実が見えなくなるんだ」

 今日は仕事先のスタジオで思わぬ待ち時間が出来てしまい、ヒマを持て余していました。スタジオにあった本棚を漁っていたら、奧からホコリまみれの絵本が一冊。長田弘の「森の絵本」WOW! 大切なものは何か、と問いかけてくる本。
 この数日、得体の知れない揺さぶりの中でグラグラと目を回しています。そんな私がたまたま出会った本。必然。



森の絵本

Book
森の絵本

著者:長田 弘,荒井 良二

販売元:講談社

Amazon.co.jpで詳細を確認する

2007年05月25日

ビバ東北〜サンタと仁王さま

 東京はまるで真夏のように暑い日が続いていましたが、今日は肌寒い雨。ちょっと一息といった感じです。植物たちも天からのシャワーを浴びて気持ちよいことでしょう。でもシャワーも悪くないけど、やっぱりお風呂に身を沈めたときの快感はたまりませんね。それが温泉ならば、さらに良し!久々に東北の思い出に浸りますか…。

 十二湖にて青池の素晴らしさを満喫したあと、近くのサンタランドで食事。しつこいようですが、シーズンオフ。しかも雨。サンタランドが賑わってるワケがありません!案の定、誰も…いない。広い敷地にそこはかとない物悲しさが漂います。
 園内には動物もいるとのこと。どれどれ。おっ、さすがサンタランド! トナカイだ!! と思ったら、、、

 「ヤギだけど。何か?」

 雨を恨むように身をちぢめたヤギたちが見てる、見てる。思い切りこっちを見てますよ〜。みんな寒いから引っ込んじゃってるのかな。他にも「いる」はずの動物にはお目にかかれないままレストランへ。
 空っぽの店内。誰もいないのかな? すると奧から従業員が出てきた…あ、もう一人出て来た…また出て来た…えっ、まだいるの?…えぇ〜、ちょっと何人いるのよーっ?! 広い店の中、我々3人は多勢に囲まれるようにしてアテンドして頂きました(苦笑)。

 しばし野鳥の観察をしたり、辺りをブラブラしたり。すっかり冷えきった身体で辿り着いたのが、今回の宿、黄金崎・不老不死温泉です。真っ正面の水平線に沈む夕陽を眺めながら湯につかる…はずでしたが、あいにくの天気。日本一の夕陽はおあずけとなりましたが、それはそれで良かったです。激しく流れる雲。不安をあおるような海の色。くだける波頭。好きなんです、この感じ。血が騒ぐというか、宇宙との一体感というか。得も云われぬ高揚感なのです。

Furoufushi_1
 宿の施設内にも大浴場(室内・露天)はありますが、やはりコレに入らねば。
スッポンポンで仁王立ちになってる殿方がけっこういらっしゃいました。海風を真っ正面から受ける醍醐味ですよね〜。はい、もちろん私も海に向って仁王立ちになりましてよ。オホホ。

2007年05月27日

Oh, フルーティ!

 昨日の雨と肌寒さが錯覚だったように思えるほどに、今日は打って変わっての暑さ。果物の瑞々しさと甘さが嬉しいです。少し前まではグレープフルーツやキウイといった輸入フルーツの定番みたいなものぐらいしかなかったのに、一気にメロン類が充実し、さくらんぼ、ぶどう、桃、びわ…このところ八百屋さんも賑やかなになり、ついつい足が向いてしまいます。

Budou
 そこで、今日は【巨峰】のイメージで着物を選んでみました。木綿の単衣(川越唐桟」に合わせたのは、ブドウ柄の八寸帯。気分だけでも涼しくなるように、全体を寒色系でまとめました。

 原稿の〆切もあるし…お茶のお稽古、休んじゃおうかな。ちょっと迷いましたが、思いきって行って良かった。なめらかな空間。忙しさですり切れ気味だった気持ちに潤いが戻った気がします。AND 嬉しいことに、今日のお菓子は私の大好物。この時期の楽しみである、びわ。お干菓子も、これまた目にも鮮やかなな楓でした。まったく日本の和菓子文化ときたら、どうしてこんなにステキなの? ニクイぜぃ。

Okashi
 びわ=ういろうと黄身餡。やわらくて、口の中でトロ〜リ。夢見心地の美味しさ!

2007年05月30日

歪な完璧

昼過ぎから降り始めた雨。
乾いた地面に染み込んでゆく。
水滴と共に、あらゆるものが吸い込まれてゆく。
夜になり、ふと音が止んだことに気付く。
窓を開ける。
洗われた夜空がまぶしい。

Moonlight

2007年06月01日

ごちそうさま

 祖母の形見のブレスレットを修理するために、宝石関係の仕事をしてる伯父と銀座で待ち合わせをしました。二人とも昼食は済ませた後だったので、お茶を…ということに。どこにしようかウロウロ迷ったあげく、入ったのはおなじみの甘味処。店は絞ったものの、お品書きを見てまたしても迷う二人。優柔不断というよりは欲張りなんですね、この二人。あれも、これも美味しそうでなかなか決まらない。あまり迷っていても店員さんに悪いので、季節限定の新メニューをそれぞれ注文しました。
 うわ〜、美味しそう!出て来た品に感嘆の声をあげるや、伯父のケータイが鳴りました。ちょっと失礼と席を立った彼が、しばらくすると顔色を変えて戻るなり「ごめん、やっちゃったよ」と伝票を鷲掴みにして店を出て行ってしまったのです。なんと、伯父は取引先の方と待ち合わせをしていたことをすっかり失念していたのでした。

 いきなり一人になった私の前には「きな粉しぐれ」と「くず餅きな粉あんみつ」。
……。

 Dessert_1

 こーなったら食べるしかないでしょう(写真・左/くず餅きな粉あんみつ。右/きな粉しぐれ)!
 くず餅は、あんみつの寒天の半分がくず餅なので、かなりクセになる食感です。そして赤えんどうの代わりにかのこ豆を使用。そのやわらかさが全体を調和させています。くず餅に加え、黒蜜、バニラアイス、きな粉を混ぜると口の中に新世界が広がりました。
 きな粉しぐれは、新感覚かき氷。かいた氷を丹波産の厳選きな粉で和えて、フンワリ仕上げてあります。通常のかき氷のようなキーンと来る冷たさではない、やわらかな口当たり。これまたバニラアイスと黒蜜がすばらしいアクセントに!
 きな粉、黒蜜、アイス…同じ食材が使用されていても、まったく違う味わいになっているなんて感動です。それにしても、こんなに美味しいものを目の前にして食べられなかった伯父の心中たるや、いかほどのものか。かわいそー。方や食べそこなった人。方や二品も食べた人。優柔不断=欲張りな二人の運命の分かれ目を痛感しました。

2007年06月07日

【鈴なり】一周年

 昨日、6月6日は【鈴なり】の開設一周年でした。きれい、たのしい、やさしい、いとしい…そんな、つまり一言で云うならば「すばらしい」ものを分かち合いたくて始めたサイトです。
 【鈴なり】を始めたことで、今までよりももっと見ようとしてる、もっと聞こうとしてる、もっと味わおうとしてる自分に気付きました。とても沢山のことを教えられた一年です。メッセージを寄せて下さった方はもちろん、遊びに来てくださった皆さんのエネルギーが、どれほど大きな応援になったことか。本当に感謝しています。ありがとう。
 「和」=「環」であるならば、私に出来る事は何か。それは「新」と「旧」をつないだり、「未」と「既」を引き寄せたり、「無機」と「有機」を結んだり…。あらゆるものの境界線をボカしてゆくことかもしれません。そして「着物」というアイテムが、私にそうさせる機会と衝動を与えてくれました。たかが着る物。けれどその着物が導く多くの発見と驚きに、改めて感動するばかりです。

Echigoya

 ユニクロの人気シリーズに、老舗のロゴを使用した商品があります。そのシリーズに、私がとても好きな銀座越後屋という呉服屋さんのロゴも加わりました。老舗の風格ある意匠と、up to date な感性のフュージョンってとこでしょうか。かなり気に入ってます!

 そういえば老舗料亭の記事だったと思いますが、ただ古ければ老舗になれるのではない。老舗は常に今に存在している、というようなことを読みました。また、私の日舞の師匠は「新しいことに挑戦せずして伝統はない」と語っていました。
うまく説明するのは難しいけれど、その通りだと思います。
 私も日々前進しながら成長してゆきたいです。そしてその喜びを一人でも多くの皆さんと分かち合えたら、どれほど仕合わせでしょう。

 皆様にとって毎日が、昨日よりステキな一日でありますように!

2007年06月10日

百珍と和菓子

 Kouen_2 虎屋文庫講演会に参加しました。あの羊羹でお馴染みの虎屋が開催しているレクチャーです。今回は国士舘大学の原田信男先生による「百珍と和菓子」というテーマ。
 江戸の後期に、一つの食材を使って100通りの料理(食べ方)を記した料理本が話題を呼びました。それが「百珍」です。有名なものには「豆腐百珍」や「卵百珍」などがあります。そうした百珍を通し、食と当時の人たちの距離を覗きつつ、和菓子の役割を探るという内容でした。講演は至ってアカデミックなのですが、食いしん坊としては「どんな味だったんだろか」「食べてみたいな〜」と、気持ちが勝手に浮遊してしまって、なかなか集中できませんでした(笑)。

Hyakuchin

 講演後、虎屋ギャラリーにて6月17日まで開催している「和菓子百珍展」も観てきました。やー、すごいぞ日本人!昔の人たちがこしらえたお菓子の数々。かわいい。きれい。おいしそう。奇想天外なものもあり、これは一見の価値あり。
 天保四年、名古屋市でアザラシが捕獲されたそうです。そしてそのアザラシが大変な人気となり、様々がグッズが売られ、アザラシ落雁なんかも作られたそうです。今の落雁よりもかなり小さくてカワイイです。これって、タマちゃんブームの先取り?!
 その他、ちょっと変った「食べ方」などの紹介も面白かったです。森鴎外が好んだという「饅頭茶漬け」は、ご飯の上に4つに割ったおまんじゅうを乗せて、お煎茶をかけたもの。意外とあっさりしていて美味だとか。最近のギャルたちはご飯にチョコをかけて食べたりすると聞いてビックリしてましたが、いやはや…。森鴎外とギャルの意外な関係に、さらにビックリ!

2007年06月13日

夏だ、浴衣だ!

 Yukatamatsuri  パニーニ? ラザーニャ? いえ、ラニーニャでございます。このラニーニャ現象とやらで、今年の夏は猛烈な暑さに見舞われるとか。うぇ〜。これはしっかり根性をすえて覚悟をしておいた方が良さそうですね。
 そんな中、今年も浴衣市場は活気があるようです。毎年4月の半ばを過ぎると、ボチボチ新柄などをチェックしつつ夏の構想を練ります。とは云え、なかなか実感は伴わず、梅雨を過ぎてから慌てて仕立てたりするんですよね。ところが今年はもう着てもいいぐらい。実際ちょいとそこら辺までなら着てますし…。本来は7月8月に着る浴衣ですが、単衣の着物同様、今後は浴衣のシーズンも長くなるかも?!

Hanhaba

 おっと、見つけてしまいました。この麻の半幅帯はリバーシブルになっていてちょっと面白いかな、と衝動買い。それにしても¥3900のカットソーはすごく悩んでも、どうして¥15,000の半幅は迷わず買えるのだろう? 着物バカ。

People Have The Power to Imagine

 今年の夏はことのほか暑いうえに、梅雨もあまり降らないという。異常気象も温暖化の影響なのでしょうか。やっと訪れた夏なのに、何やら心配が尽きません。
 人間のできることなんぞは微々たるもの。人間がどんな狼藉を働こうと、偉大なる自然を前にしては、地球に小さなひっかき傷を一つ付けたことにもならない。逆に云えば、人間がどんなに努力したって、太陽や地球がヘソを曲げたらどうにもならない。温暖化防止だの、CO2削減だの、省エネだの、無駄だ… そんなことを確信しきったように云う人がいます。とても残念でなりません。その人たちの気持ちの中にある「どうせ」という開き直りや責任転嫁が悲しい。
 微々たることだとしても、やらないよりはやった方がいい。成果の確証はなくとも、そこに少しでも可能性があるなら行動してみたい。そんなふうに思います。
 私のたちの最たる力。それはイマジネーション。他人の痛みを想像することで優しくなれる。より良い明日を想像することで強くなれる。イメージは形になる。

Okashi_1
 【紫陽花】(左)は彩り豊かな寒天で白あんを包んでいます。食べると、意外にも寒天がしっかりとしていて、歯触りの面白さが美味しさになっています。
 【初夏の水面】(右)は、こし餡を包んだ練り切りで手水鉢をかたどり、見事に「水」をイメージしています。羊羹で作ったクチナシの花からは本当に甘い香りが漂ってきそう。

 この二つのお菓子から、私は雨を感じました。直接的な説明などなくても、人の意識に働きかける…。それがイマジネーションの力。あなたは何か感じましたか?

2007年06月22日

雨降り

Ameji_3

潤い。

Hop_2

深呼吸。

Gardenia_3

                                   恋の香り。

Candlelight_2

静かなる夏至の夜。

2007年06月24日

和裁日記#5

Twilight
 東京の視界がどんなに悪くても、空には全く関係ない。相変わらず大きくて、毅然として、美しい。

 忙しさを言い訳にはしません。かなり遅れています。予定ではもう完成していてもいいぐらいだったのですが…とほっ。それでもようやく衽までは辿り着きました。残りは衿と袖をつけること。そして細かい処理をすれば完成。今年のほおずき市には間に合いそうもないけれど、夏の間にはなんとか自作浴衣デビューができるでしょう。…できる、、、はず。

Wasai_2

 それまで互いにとって何の意味もなかった布切れ同士が、ほんのわずかな縫い代を共有しながらカタチになってゆく。人間も同じですね。
 和裁。思いきってやってみて良かった。無心でチクチク運針。楽しいです。

2007年07月01日

お茶事

 6月30日、夏越し大祓。満月。
 今日は朝から夕方まで、みっちりお茶事のお稽古。早朝からすでに気温も高く、着物の下は汗だく。それでも不思議なことに、それほど不快ではありませんでした。きっと気持ちがすっきりしていたからでしょうか。『場』の持つ力なのか、或いは集まる人たちの気持ちが場に染み込んでいるのか…。お茶室にいると自動的に気持ちのスイッチが切り替わるような気がします。たたみの感触、お香の匂い、お湯の沸く音、お花やお軸が伝える世界。一つ一つの個性が『和』となって『場』を創っているのです。

 Shitsurai

 お軸は「星寿享」。お花は舟に張った帆のよう。星の川をすべりゆく小舟みたいでとてもロマンティック。ご亭主のお心遣いが、今年ももうすぐ七夕ね、と告げています。

Ousu

 「懐石→濃い茶→薄茶」すごく簡単に分けると、そんな流れです。その中で私は薄茶を点てさせて頂きました。あ”ちゃ〜になりながら、何とかやり遂げました。

Oshidori

  真剣にお茶を点てている私のうしろ姿です。うしろ姿なんてなかなか自分で見る機会がないので妙な感じ。
 地紋の入った布地に、秋草を描いた夏の訪問着。帯はおしどりの夏唐織り。

2007年07月04日

新ショウガ

 親戚から季節の味が届きました。今だけのお楽しみ、新ショウガのお菓子です。ショウガがパラパラのフレークになっていて、甘いのにヒリッとする辛みもたっている、ヤミつきになる味。後を引くんですよ!そのまま食べても美味しいし、ヨーグルトや紅茶に入れても良し。

Shouga


 ●新ショウガを薄切りにする
 ●2、3回水にさらしてアクを抜く
 ●熱湯で2、3分ゆでる
 ●ギュッと水気を絞ったら、フライパンかお鍋に入れて砂糖をまぶす
 ●焦げないように注意しながら煎る
 ●だんだんお砂糖が蜜のように重たくなる(ごまめみたいにキャラメル状)
 ●それでもこらえて、さらに火にかけ続ける
 ●ネットリだったお砂糖がパラパラしてくる
 ●メゲなければ、いずれ写真のショウガ菓子ができあがる

 あまり美味しいので、自分でも作ってみようと、レシピを聞きました。でも大変そうなので、まだ挑戦していません。ネットリとキャラメル状のお砂糖が、どうしてあんなさらさらになるのか、頭でシミュレーションしても分りません。気になる方は試してみてください。味の美味しさは保証します♪

2007年07月05日

お部屋も衣替え

Hanga

 待ってました、バーゲンシーズン到来!画材屋さんだってバーゲンしてくれるんですよ。ありがたい。今日は念願の額装をしてもらいました。額縁って、実はあなどれない値段なんですよね。ヘタなところで手を打ったりすると、せっかくの絵が死んじゃうし…。
 額装したのは版画です。それまではイチゴをモチーフにした油絵がかかっていましたが、版画にかえたことで部屋の中が涼やかなになりました。絵そのものは、むしろ版画のそれの方がギトッとしてるんですけどね。ボリューム感の違いなのでしょうか。

Utamaro
 鶏と朝顔にとまったホオジロ。
 東京の夏を彩る入谷朝顔市が明日から始まります。今年は行かれないのが残念。でも我が家の朝顔もすくすく育ってます。

2007年07月06日

夜風を探して

Lights
(photo by 遠藤志岐子)

 店を出ると、銀座はすっかり夜更けの顔になっていた。大きなビルが乱立するようになってから、かつての気持ちよい夜の海風は吹かない。それでもホッとする。渋谷や新宿などの攻撃的な照明、暴力的なノイズがここにはない。銀座の「灯り」は光をつくり、闇を許している。
 目抜き通り沿いには等間隔に置かれた七夕の竹飾り。短冊には思い々々の願いごとが書かれている。その横を行き交う銀座のお姐さんがた。浴衣祭りでもやっているのだろう。あちらこちらで浴衣姿がなまめかしさを競い合っている。彼女たちの胸の中にもまた、願いごとを書いた短冊が揺れているに違いない。


Fuurin

 MIKIMOTOの前には風鈴のツリーが出来てました。思い切りつついて鳴らしたい衝動にかられましたが、信長ではないので、大人の節度をもって風を待つ。しばらくすると、カラカラカラ〜っと幽かな夏の寝息のようなガラスの音。とても儚くて頼りないけれど、たしかに満ち足りた瞬間でした。

追記:土曜日9:00〜9:30放送中のTFM [Tastes Of Love]
        今週は初めてのキャラに挑戦してます。ぜひ、聞いてみてください!

2007年07月11日

ほおずき市

Bus
 わーい、お船だ。水上バスだ!風が気持ちいー。水上バスから見える川沿いの建物の裏側は、表の顔とは違って、どことなく無防備。川沿いを犬と散歩する人たちも無防備。「隙」のある風景って、なんだかホッとするな。


 7月9日、10日は浅草のほおずき市。
 雷門をくぐって仲見世通りを歩くのは、まるで障害物競走です。きびだんご、手焼きせんべい、揚げまんじゅう…「まずはお参りをしてから!」と、怒られながらヨダレをこらえてキョロキョロ、ソワソワ。

   青臭くて甘い、ほおずきの匂い
   水にゆらめく金魚のシッポみたいな、子供たちの兵児帯
   釣りしのぶを揺らしてそよぐ夜の風
   ワサっと落としてしまった、かき氷のあわれ
   立ちのぼる煙
   下駄のパーカッション
   鈴の音
   いつまでも続けばいいと願うしあわせ

 Hozuki
また今年も無事にお参りできる喜びを胸に、夜がどこまでも満ちてゆきました。

2007年07月12日

熊野〜その一

 一泊二日で和歌山を訪れました。飛行機で関空まで行き、そこから先はレンタカー。ハンドルを握るのは2、3年ぶりかな。この前はハワイ旅行をした時でした。その時でさえ10年ぶりぐらい。早い話が超ペーパーってこと。膨らむ期待と、爆発寸前の不安を乗せて出発〜。

Latte
 2日間を共にすることになった相棒。ヨロシクね!
 (クルマにも取説があるんですね。生まれて初めて読んじゃいました)

Hamayuu
 まず道成寺に立ち寄ってから御坊、白浜…と海岸線を走って新宮を目指す。途中、一面に咲いたハマユウに誘われて休憩。

Waaa

 海にくると水を触らずにはいられないのが海育ちの性。波打ち際ギリギリまで行って…… あ”〜、やっちゃった。革靴ごとハマった。ま、いっか。きれいな貝を拾いました。帯留めにでもしてみようかしら。
 ここから少しゆくと、有名な串本町の橋杭岩です。なんど見ても、息を飲むスケールにクラクラ。またここに戻ってきたんだなー。言葉にできない偉大なる意志を感じるのでした。

 新宮市に到着するころ、また雨が降り始めました。薄暗くたれこめるのは雨雲だけじゃない。中上健次の生家も今はなくなり、街は新しい建物でフタをされたような佇まいでした。それでもいくらフタをしても、立ちのぼってくる地熱みたいなものがまとわりついて来る。観光名所ではなく、市街をブラブラする。
 街のいたるところにヒルガオ科の植物がからみついている。青を越えた青い花は恐ろしいほど美しい。

2007年07月13日

熊野〜その二

 
 宿は湯の峰温泉の「あづまや」。小栗判官が蘇生したという伝説が残るつぼ湯のすぐ側に建つ旅館です。食事はすべて温泉のお湯を使って調理してるとかで、中でも温泉で炊いたご飯(朝食はおかゆ)がたまらなく美味。これぞ本当の御馳走ですな。

Ogurihangan

 夜、ちょっとだけ外を散歩…といっても、宿屋の前を30m程行ったり来たりするぐらいで精一杯。通りには外灯もなく、ひたすら暗い。すぐ目の前には熊野古道の入り口もあるので近づいてみるが、跳ね返される。オマエたちのくる世界ではない、とでも云ってるような拒絶感。オソレ。それを失くしてしまった人間は狂う。

 部屋に戻って夜に耳を傾ける。川の流れや虫の声、風、雨の音に混ざって何かが聞こえる。まるで山そのものが夜の闇を呼吸してる音なのかもしれない。

Azumaya
 宿の部屋からの眺め。

熊野〜その三

 あづまやの女将さんから玉置神社のことを教えてもらって行ってみることにした。女将さん曰く、雨の後は幻想的なのだそう。朝一番に本宮でお参りをしてから玉置神社へ。しかしこれが、なかなかのドライブ。うねうねの山道はペーパードライバーには冷や汗ものでして。その上、道幅のないところに限って路線バスとすれ違うハメに!崖から落ちそうなほど、ギリギリの端っこまで寄って、そろりそろりと抜けて行く。ヒャー。

 ようやく辿り着いた玉置山。クルマを降りて、神社へは徒歩でゆく。標高1000m。空気がひんやりと寒いぐらいです。樹齢3000年と推定されるご神木をはじめ、杉の巨樹群の圧倒的なパワーには言葉を失います。そして森の中にはうっすらと白い霧がたちこめて、まるでこの世ではないような浮遊感。女将さんが話してくれた幻想的な…とうのはこのことだったのですね。前日の雨を「不運」と思っていたけれど、きっとこのために、雨を降らしてくれたんだ。導かれたんですねー。

Omochi
 本宮の前の茶店では、お抹茶を点てて、つきたての餅菓子を出してくれます。315円! これ東京なら1000円でおつりがあるか、無いかってとこでしょう。お餅おいしーっ。


 すっかりエネルギーを充電してから十津川を経由して奈良駅を目指す。いよいよ東京へ戻る態勢にシフトです。おっと、しかし!ガソリンメーターを見ると、ほとんどカラ。オーマイ、ガッ! Running On Empty♪(by Jackson Browne) どこにでもガソリンスタンドがあると思いこんでいた都会者の愚かさよ。幸か不幸か、ここは山の上。こうなりゃ超エコ・ドライブあるのみ。アクセルを踏まなきゃいいんだろーが。ほとんどスキーです。アクセル踏まずに山を滑り落ちて行く。先の余力のためにブレーキも踏みたくない。ひたすら重力を頼りに転がってゆく。旅はライク・ア・ローリング・ストーンってか!?

 いろいろありましたが、なんとか奈良駅に到着。旅の足となってくれたLATTEちゃんを返却。道連れのKは、このまま奈良に滞在するとのことで、私は一人東京を目指したのであった…。

2007年07月14日

中藤毅彦・斎藤亮一 写真展 a just report 

 雨の中、写真展に行ってきました。中藤毅彦さんと斎藤亮一さんの二人展。同じモノクロの世界で、ちょっと似ているようだけれど、まったく別の個性を放っていました。同じリンゴを煮て食べるのか、焼いて食べるのかほどに違う味わいなのが面白かった。

 写真に限らず、全ての対象は、対峙する人間の気持ちの角度によっていかようにでも変化するってこと。あんがい真実ってのは頼りないもんだってこと。可能性は無限だってこと。水たまりに映る自分に雨粒が落ちるたび、にじんで、ボヤけて。揺らいで、歪んでゆく。それでもやっぱり自分なんだってこと。いつ止むとも分らない雨のように、とめどない思いがポタポタと私をいっぱいにしてゆくのでした。

Rain(photo by 遠藤志岐子)

2007年07月17日

熊野〜番外編

 奈良から東京へは、京都に出て新幹線に乗ればアッという間。しかし、そうは問屋が降ろしてくれませんでした。ちょうど急行の京都行きが出てしまったけれど、近鉄奈良線で追いかければ大和西大寺駅で京都行きに乗り換えられるはず。なのに、不慣れな運転の疲れかウッカリしてしまった。というか、学生たちのおしゃべりに車内アナウンスが聞こえず、乗り過ごしちまったのだ。慌てて次の菖蒲池駅で降りたが、なかなか電車は来ない。こんなことなら、奈良駅で無理に乗り遅れた急行京都行きを追いかけずに次の電車を待てばよかった。
 
 ずいぶんとタイムロスをして西大寺に到着してみると、次の京都行きは特急。急行を待つと、さらにものすごい時間の無駄になる。仕方あるまい。特急券を買おう…。ともあれ、京都までくれば、後は何も心配することはない。さて、東京まで乗らずに、一本やりすごして品川で降りることにしませうか。

 あれ、いつの間に眠ってしまったのだろう。文庫本のページを開いたまま眠り込んでいた。窓の外を見る。ん? なぜ三島で止まってるのですか? 寝ぼけた頭にアナウンスの言葉が少しずつ意味をなしてくる。「人身事故のため、消防と警察の現場検証が済むまで、しばらく停車いたします」 …えぇー。マジっすか。

 結局、新幹線にカンヅメになること3時間以上。とほっ。品川駅に到着したのは夜中の1時を回ってまひた。それからタクシーつかまえて。。。
ヘロヘロじゃー。

 でも、そんなアクシデントがなければ菖蒲池に降り立つこともなかったはず。某かの必然がそこにはあるのでしょうね。

Ayameike
  菖蒲池駅前のマンホール。マンホール・フェチにはたまらない逸品!

2007年07月29日

月とスイカ

 ある人が云いました。
 「初めて会ったとき、相当イヤな感じだったよ」
 ガーン。うそ。ショック。信じらんない。そんなふうに受け止められてたなんて…びっくり。その時のことをハッキリ覚えてます。私はただ、ただ緊張してた。そして、どうしたらいいのか分らないままオロオロ。でもそれは全く異なる印象となって相手に伝わっていたのね。しゅん。パブリックイメージより100万倍も不器用な私は空回りばかりだ。ぐすん。
 「誰かわかってーっ!」吠えてみたところで、私の心の中の真実なんて問題ではなく、それよりも相手にどう思われたかという現実がすべて。凹むよ。

Bloom

 ところで、大好きなスイカがあれば全身で夢中になっちゃうカブトムシのくせに、もう何日もスイカがありません。ふと、声がしたんです。わきまえなさい、って。スイカだって貴方に食べられてばかりいられない、って。スイカの気持ちは分らないけれど…。だからカブトムシは我慢してるのです。でも夜空ににじむ丸い月を眺めてはスイカを想う。食べたいものを食べたいと云う。会いたい人に会いたいと思う。そんなにいけないことなのかな。また月が欠け始めたころ、大好きなスイカを探しにでかけてみようかな。

 

2007年07月31日

パパとゴッドハンド

Papa
父のアトリエ abracadabra にて。


 7月30日。久しぶりに軽井沢へ父を訪ねました。あいにくの雨で、軽井沢は上着を着ていても寒いぐらい。でも山々から立ちのぼる白い霧は幻想的で、夏の緑をいっそう深く、美しく見せるのでした。
 久しぶりに会った父は、娘が云うのもヘンですが、とてもステキだった。加齢という重力に抗うことなく、むしろ仲よくすることで強く、賢く、やさしく、しなやかに毎日味わっているよう。Acceptance。父からまた一つ教えられた美学です。彼からはまだまだ教わることがありそう。パパ、どうか元気でいてください。

Seitai

 軽井沢に行くもう一つの目的はゴッドハンドです。筋金入りの腰痛持ちの私は長年整体ジプシーと化し、鍼灸、整形外科、ほねつぎ、カイロ、マッサージ、気功など、あらゆる門を叩きました。当然、それだけのお金もつぎ込んできたわけです。けれど、このゴッドハンドと巡り合ってから、どれだけ自由になったことか!ホントに調子がいいんです。今では軽くメンテを時折するだけ。
 難を云えば、このゴッドハンド、変わり者であまり仕事をしたがらないんですよ。

2007年08月11日

墨流しと職人魂

 「墨流し:すみながし」とは水面に染料を落とし、できた水のうねりのような模様を布に写し取る染めのこと。あまり最近では見かけませんね。青木玉さんの著書【着物あとさき】にも、お祖父様の紋付を墨流しに染め変えて生き返らせたというエピソードが綴られています。私もそれを読んで以来、ちょっと気になっていました。
 先日フラリと立ち寄った呉服屋さんで墨流しの反物を発見。生地は綿紅梅なので浴衣にするのが妥当ですが、せっかくなので広衿仕立てにして、ちょっとしたお出かけにも対応できるようにお願いしました。
 はっきり云ってバカですね。仕立て屋さんがハイシーズンにつき多忙であることと、お盆休みで作業が止まるために、出来上がりは8月の終わり頃になることを覚悟しなくてはなりません。こんな時期に浴衣地を買っても、着られる回数は限られます。
 ところが、なんと!!昨日「出来ました」との連絡がありました。うそっ、中3日ぐらいの突貫作業ですよ。せっかくなら何度でもお召し頂きたい、と職人さんがフル稼働で頑張ってくれたそうです。さっそく今日、品を受けとりました。どんなに急ぎ仕事でも丁寧な仕上がり。そのアッパレな職人魂に大感激です。プロフェッショナリズムとサービスと意地と真心のスクラム。すばらしい。

Suminagashi
そんなワケで、明日の観劇にはコレを着てゆきましょう。おニューの着物には、これまたおニューの粋な黒扇子。はて、帯も渋く攻めるか…それとも甘さをプラスするか…。

錦繍

 天王洲の銀河劇場にて「錦繍」を観劇。夫の無理心中事件をきっかけに離別した夫婦が、10年後に偶然の再会を果たす。心中事件の真相や失われた年月の空白など、ずっと宙づりになったままの謎が、二人の往復書簡によってあぶり出されて行く…。
 芝居なのに、どこか朗読的な要素もあり、面白い時間軸の体験でした。全編に渡り藤原道山氏による尺八の生演奏が、行ったりきたりする二人の想い、そして過去と現在を導いているようでした。舞台美術も最小限。削ぎ落とすことで際立ってゆく「言葉」を感じる舞台からは、受けとるものも多かった。

Kinshu

 それにしても暑い。そのせいか、上手に食べられなくて困りました。一人だといい加減になるし、作ってる間にお腹いっぱいになっちゃうし。日ごとに落ちてゆく体脂肪がちょっと不安。でも今日はカレーを食べられた!友達のおかげかな。やっぱり食事は一人より誰かと一緒がいいですね。体にも心にも。

0811
 やわらかな八寸の帯。帯留めはつげ細工。帯揚げは黒のチェックで少し遊んでみました。
次回は黒の半衿とか、とっぽい柄の帯とかで個性的にしてみるのもオモシロいかも。

2007年08月14日

和裁日記#6

 8月14日。多くの人たちにとって今週は待ちこがれたバケーション。旅行にレジャーに let's enjoy summer パーリーなんでしょうねー。
 そんな中、遊ぶでもなく、仕事をするでもなく、私は静かに過ごしています。まぁ、本来の過ごし方という程でもないけど。いろんなことに想いを馳せながら、本を読んだり音楽を聴いたり…そしてついに出来た。夏も残り少なくなってしまったけど、浴衣が縫い上がりました。予定よりは二ヶ月も遅くなりましたが、やっぱり達成感あります。長い道のりだったよ〜。後は先生に最終チェックをしてもらうだけ!

waxbag.jpg

 その長い道のりを陰で支えてくれたのがコレ(写真)。硬い生地になかなか針が通らず悪戦苦闘していると、先生が差し出してくれました。中には削ったロウが入ってて、針をこれにプスプスやると、途端にすべりがよくなるんです。いや、ホントに助けられました。
 こうやって、私は大小様々なモノや人々に助けられて生きているんだな。きっと自覚しているより遥か沢山の力に生かされているのでしょう。感謝。

2007年08月18日

和裁日記#7〜完成

8月18日。連日の酷暑に慣れた身がビックリしてしまうような気温の変化。10度は涼しいでしょうか。おぼれそうになっているところへ、誰かが浮き輪を放り投げてくれたみたいな気がしました。ホッ。
 
 仕事が終わってから和裁の先生を訪ねました。しつけ糸をとったり、最後の仕上げをしてから「よく出来ました」のお言葉を頂戴しました。ようやく完成です!生まれて初めて自分で縫った浴衣。愛着もひとしおです。いつ着てみようかな〜。
帯を選ぶのも楽しみです。

yukata-a.jpg
 先生、ありがとうございました。

mitsumori.jpg
 浴衣を一枚縫ったからといって、それで全てが終わったわけじゃありません。気に入った反物を見つけると、つい買ってしまう私。いくらでも「次」が控えてるんですよねー。今度はカッコイイ系の単衣のキモノに挑戦してみます。まずは生地の裏表を決めて印をつけるところからスタート!

2007年08月20日

Ms. ドライバーへ、

 8月20日。
 移動のほとんどは徒歩、或いは電車を利用しています。きっと速度がちょうど良いのかもしれません。移り変わってゆく景色を味わってから飲み込むことを許される速度。それ故でしょうか、たまに違うスピードに乗ると、なんだか世界が少し違った角度で見えてくるような気がします。

 先日、定年退職をしてから2種免許を取得して、日々クルマを走らせているという女性のタクシー運転手と出会いました。それだけでも感心してしまうのですが、何よりも彼女のまっすぐな眼差しが麗しかった。目の前に広がる何本ものルートの中から、最善だと思う道を選んだら、それを信じて進んでゆくような目。
 穏やかな老後を夢見て頑張ってきたのに、運命は彼女から家族を奪ってしまった。ほんのわずかな時間で、何を知ることもできないけれど、真っ白な手袋の中から、きちんと被った帽子の中から、少しくたびれた肩から…彼女のあちこちから、まるで蒸気のように立ちのぼる哀しみ。しかしその蒸気は悲観の涙に結晶するでもなく、或いはすでに乾ききってしまったのかもしれないけれど、新しいカタチの強さとなって漂っていました。少なくともどこにも負を見つけることができませんでした。
 世間話とも身の上話ともつかないような、つたない言葉のやりとりをしてるうちに目的地に到着。運転手としても実にプロフェッショナルで、私はなんと清々しい気持ちにさせてもらったことか。職業へのプライド。自分自身であることへのプライド。見事なハンドルさばきで渋滞を切り抜け、路地を出たときにはワープでもしたような驚き。同時に彼女のクルマに乗る前の私は、完全に新鮮な心持ちと共に新しい私になっていたと思います。ありがとう。

2007年09月01日

初出勤

8月31日

 41歳、初出勤。誕生日も年齢もただの数字と云ってしまえばそれまで。でも何かのきっかけになれば、それはそれでいい。私にとっては reborn そして live on。昔の神田外語学院のCMに「love and rub」なんて発音を意識したのがあったけど…(これって、ちょっと受けとり方によってはエッチじゃございませんこと? オーホホホ)。って、そんなことはさておき。つまり「よっしゃ、やるぞ!」って気持ちになってるワケです。

film-f.jpg

 TV番組のナレーション録り。左がエンジニアのS氏。彼がいなければ、私の声はペニャペニャのヒャラレラリ〜ってなもんざます。そして右がディレクターのK氏。彼の導きがあって、ふらついた意識がビシッと的を目がけてフォーカスできるのです。いつもお二人にはお世話になっております。感謝。チームワーク…これも「和」ですよね。

 レギュラーもイレギュラーも、ドンといらっしゃいませ。何だか楽しくなってきました。
今ハマってること:毎日。

廻り花

9月1日

 今日は廻り花(まわりばな)なるものと格闘しました。茶道におけるアクティビティの一つで、楽しみながら、茶花の活け方を練習できる貴重な機会です。

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 こんな風にお盆にお花が集められ、床の間にある花器まで一人ずつ進み出ては、好きな花を活けてゆきます。どんな花があるのか、場はどんな雰囲気なのか、色みの具合など、全体との調和の中で、その瞬間のベストをつかまえる…そんな感じでしょうか。

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 真ん中、下、上。花器の窓に順番にお花を活けるのです。

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 廻り花は作法に則って行われますが、一通り終わってからは残ったお花を使って皆でワイワイ大騒ぎ。なかなか思うように上手くいかないものですね。お花ひとつにしても奧が深い!

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 それぞれ好きなように活けたのが、ズラリ。藤袴、われもこう、竜胆、菊、すすき、女郎花など…花をいじる指先に秋の匂いが移っていました。

2007年09月03日

晩夏の京都〜染織を訪ねて

9月3日

 8月の終わりに京都を訪れました。晩夏の京都は思ったほど暑くなく(たまたまでしょうが…)風情があってすばらしかった。夜は鴨川の川床で夕飯を頂きながら、月が登ってゆくのを眺めていました。満月に向って膨らむお月様。欠けては満ちて、満ちては欠けて…。そんなお月様を見上げていると、いろんなことが許されてゆくようで。少しだけ救われたみたいな気がしました。

 今回の旅は大好きな織元さん(洛風林)と染め元さん(多ち花)を訪ねるのが目的。どちらも丁寧でしっかりとした仕事に定評のあるところです。呉服は主に分業制なので、プロデューサー的な人が、こんなのどうか、といったアイディアを職人さんに持って行き、そこで煮詰めた案をもとに、さらに役割別の職人さんに仕事が振られます。そんな職人さんの仕事場に入れて頂きました。かなりディープな体験が出来たことに感謝します。

 全てをレポートするのは大変なので省略しますが、一番驚いたことを挙げるとすれば「石」です。写真にもあるように、織機にかけた糸にちょうど良いテンションをかけなくてはなりません。なんとその調節を、近所で拾ってきた石でやってるのです。足元には大小様々の石がゴロゴロ。季節や天気によっても糸の具合は違ってきます。その微妙な違いを職人さんは身体で感じ取って、石を使ってテンションを調節します。

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 友人のミュージシャンはステージ上でも何度もギターのチューニングをします。お客さんの入り具合でも音は変わるとか。また、料理人の故・辻嘉一さんのレシピには○○グラムといった分量はなかったといいます。それは食材の味の違いによって調味料は加減するものだし、食べる人によっても加減が必要だからです。すべて「適宜」としか書かれていません。
 織機の石にも同じスピリットを感じました。アナログなどという次元を越えた、もっと動物的な勘。生きることに貪欲で何が悪いとでも云うような真っ直ぐさ。原始的であることで、あらゆるテクノロジーを凌駕し、薄っぺらなギミックを笑い飛ばす。そんな本物の力強さにシビレました。

2007年09月07日

浄化 9月7日

福島からこの夏に漬けた梅干しが届きました。
富山から梨が届きました。
熊本からいたわりが届きました。
鎌倉から友情が届きました。
長野からブドウが届きました。
島根からメロンが届きました。
京都から気骨が届きました。
秋田から極上の日本酒が届きました。
板橋からチョコレートが届きました。
亀山からパンが届きました。
奈良からお茶が届きました。
北海道から今シーズ最後のスイカが届きました。
沖縄から夢が届きました。
あの世から声が届きました。
昨日から励ましが届きました。
明日から挑戦が届きました。
宇宙から愛が届きました。
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2007年09月13日

ドアの向こうには、道

9月13日

 昨日の番組の中で「ドア」をテーマに少しお話をしました。若いころは、自己を確立するために沢山の大事なドアを硬く閉ざしてきた、と。そしてある日、頑なに守ろうとしていた自己ってなんだろ…そんなに大事なものか?って思うようになりました。本当に大事なのはそんなことじゃないだろ、って。
 ドアを開けるのはとてもコワイです。自分のドアも。他人のドアも。ドアの向こうに何があるのか分らない。未知は恐怖を伴うもの。けれど「未知」は同じ音をもって「道」になるのかもしれません。欲しいのは勇気。そして必要なのはコンフィデンス。

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 今週末は地元のお祭りです。沿道には提灯が飾られ、御神輿の準備などが薦められています。稀薄になりながらも、家族や地域のつながりを感じられるとき。無くしたくないものってあるんですよね。

2007年09月22日

菅原伝授手習鑑

 9月21日
 
 昨日は国立劇場にて文楽「菅原伝授手習鑑」を堪能してきました。
 菅原道真にまつわる伝説を軸に、人々の心の陰影やちょっとしたタイミングによって運命があやとりと化してゆく様を描いています。それは架空の物語かもしれない。なのに妙なリアリティを伴って客席に届きます。きっと私たちの経験の中にある何かを呼び覚ますのでしょうか。
 運命のあやとりと云えば、会場で嬉しい偶然がありました。しばらくご無沙汰していた知人とバッタリ。終演後に夕食をご一緒し、とても楽しい時間を過ごしたわけですが、これも「ちょっとしたタイミング」のこと。宇宙のどこかで、大小様々な歯車がグルグルと回りながら、不思議な音色できしんでいる。畏怖い、そしてとても美しい音色を響かせて。

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「菅原伝授〜」を観劇するにあたり、道真公の紋でもある「梅の花」を染めた絞りの帯揚げを選びました。キモノはブルーを基調とした単衣に、秋柄の染め帯。月をバックに、萩やススキなどの秋草の間をゆく鹿を描いています。
 劇中で、道真公が魂を込めて彫った木像に命が宿る場面があります。それを不思議がる人たちが「巨勢金岡が描いたる馬は、夜な夜な出でて、萩の戸の萩を喰い…」と語ります。ちょうど帯にも萩がふんだんに描かれているので、やっぱりこの帯で正解!こういうストーリー性をコーディネートにプラスすると、楽しさ100倍。

2007年09月25日

名月や…

9月25日

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 今夜どれだけの人たちが月を見上げ、あるいは照らされながら心を洗われているのだろう。くだらない一時しのぎの気休めだと思わないでほしい。たとえ一時だったとしても、この美しさの中で哀しみや苦しみを忘れてほしい。誰にも等しく月明かりが降りそそぐ夜。

 東京FMをキーステーションに放送してきた番組「Taste of Love」の最後の収録でした。番組が終わるときに込み上げる達成感と寂しさと「こんなもんじゃ終わらない」という期待。これは何度、最終回を経験しても変りません。 
 半年間に渡り応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
 29日に放送される最終回は、東京FMで流れる最後の「鈴木万由香」の声です。
新番組が始まったとしても、それを担当するのは守乃ブナだから。

月が美しく満ちています。
そして私たちも。
光の中で呼吸を繰り返しているんだね。

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(左・柳沢真由実さん、中央・守乃ブナ、右・松本大さん)

2007年09月30日

星と雨

 9月30日
 
 友人のお誕生日プレゼントを買いに行きました。何にしようか、あれこれ悩みながら選んでる時間が好きです。頭の中はその人のことでいっぱいになるから。自分が知っている「その人の今まで」を全部ひっぱり出しつつ、今の気分とミキサーにかけてみる。その人の喜ぶ顔を思い浮かべながら、勝手にうれしくなったりして。プレゼントをあげるつもりで、私がそんなうれしい気持ちをプレゼントしてもらってる。…で、結局たいしたものは見つからなかったので、彼女のために詩を書きました。早く渡したい。

 石川肇さん(http://www.horizon-uw.com/)の写真展ではすばらしい星の写真と出合いました。満天の星が湖に映っていて、まるで空から星が地上にこぼれ落ちてるよう。石川さんとはメールばかりでしばらくお会いしてませんが、写真を通じて近くにいるような気がしました。対象だけに集中して、自らの存在を打ち消すような撮り方もあるのでしょうが、こんな生暖かな写真も好き。
 
 目まぐるしかった9月も今日でおしまい。朝から降り続く雨は、きっと付着した汚れを洗い流しているのでしょう。また明日を気持ちよく始められるように。
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2007年10月02日

秋桜=コスモス=宇宙

10月2日
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 お花屋さんの店先にコスモスが並びはじめました。この花が風にゆれる姿は、私の姉と重なります。一足先に旅だってしまい、もうこの世にはいません。10月生まれの、そんな彼女が大好きだった花。
 こんなに華奢で繊細なのに、コスモスは存外しぶとくて生命力に溢れています。反対に、姉は強がってるわりにもろかった。二つの存在が重なりあい、今や最強のタッグを組んでるような気がします。
 コスモス=宇宙。もうバカみたいにふざけたり、取っ組み合ったり、抱きしめたりはできないけれど。それでも彼女はここにいる。そこにいる。風のなかで生き生きと咲き誇っている。
 
 もうすぐ公開される音楽ドキュメンタリー映画「sadistic mica band」を記念して明後日イベントが催されます。私は司会を努めることになったのですが、実はミカ・バンドもまた、姉の大好物でした。メンバーの前で粗相するなよ、って彼女がにらみを利かせている気がして…ひぃー。やばい、緊張する。
 それにしても小学生のころからファンだった人たちに会うことになるなんて、人生って不思議だらけですよね。これも姉の引き合わせなのかな。
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2007年10月03日

大野隆司さんとグッド・ヴァイブス

10月3日

会場:Galerie MALLE http://galeriemalle.jp
住所:東京都渋谷区恵比寿4−8−3
電話:03−5475−5054
会期:10月2日〜10月7日 12時〜19時(最終日は16時まで)

 版画家の大野隆司さんが展覧会を開催しています。今回は北村薫さんの「1950のバックトス」に触発されて、23の短編小説を一話ずつ木版画で表現しています。
 これはぜひ行かなくちゃ!と思っていたところ、「今夜、本の朗読もあるから良かったら…」と大野氏からご連絡を頂きました。しかし普段は悲しいほどヒマなくせに、今日に限って生放送の後にCMのナレーション録りがあったり、タイトなスケジュール。それでもなんとか間に合えば…… 。朗読パーティは通常のギャラリーが終わってからの時間だし…大丈夫かな〜。
 私が到着したその時、まさに最後の一行を読み終わろうとしていました。がっくし。でもしっかり大野さんの作品も堪能できたし、作家の北村薫氏のお話も聞けたし、何よりも、そこに集まったみなさんの「輪」をつなぐ良いエネルギーに触れられて良かった。
 インスピレーションはいつだって「わらしべ長者」のよう。そして放射状に波動は広がり、いろいろなモノを巻き込んでゆく。だからこそ良いヴィアブスが欲しいし、自分も出さないとね。
♪good vibrations〜♪…えっ、ビーチボーイズ? ちがう、郷ひろみ? いや、なんでもいいっス。

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2007年10月07日

出雲絣

10月7日

 過ごしやすく、気持ちのいい一日。着付けのお稽古の後は、今期のamamfwawaに関するミーティング。仕事をしていても、窓から入ってくる秋の香しい風が場の空気を和ませてくれます。

 私が着ているのは出雲絣(いずもがすり)という木綿のキモノです。藍の濃淡で柄をリズミカルに織り出しているのが面白く、一目惚れした反物です。これを織った青戸柚美江さんは綿花から育て、糸を染め、そして織り上げるそうです。まったく気の遠くなるような作業。ただの布切れだとしても、そこには彼女の時間や想いの全てが詰まっている。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そうやって作品には作者の人生が宿っているんですね。キモノだけではありません。音楽、でも文学でも、一皿のお料理でもなんでも。おそろそかにしていいものなど何もないんだな、と本当に思います。

 このキモノにはもう一つ大きな価値があります。かけがえのない師であり、友人のNさんが縫ってくれました。忙しいのに、一針ずつ丁寧に。縫い目の美しさを見ただけで涙が出そうになります。彼女の部屋の窓からは月がよく見えます。その月の満ち欠けを見ては「早く仕上げなくちゃ」と、私のために自分のお尻を叩いてくれたそうです。だからこのキモノを着ると、大きな愛に包まれ、安らかな心持ちになるのです。まるで祖母のひざに乗ってるような。

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頭上に咲いてるキンモクセイの花、わかります? 昨日あたりから一気に匂いたち始めました。胸いっぱいに広がるしあわせ。秋の恵み。
スーハー、スーハー。ええ香りやわー。

2007年10月11日

好きになること。好きであること

10月11日

 美しく、楽しく、おいしい季節の変わり目。キョロキョロ、くんくん、ぱくぱく、、、気付くといつも五感(六感、七感…or maybe more?)がフル稼働しています。
 10月からはキモノも裏地のついた袷を着ます。でもお天気のいい日はまだまだ単衣でちょうどいいぐらい。特にかしこまった場でなければ、私は単衣で過ごしています。それでも目と気持ちは季節の前へ、前へと向うものなんですよね。ショーウィンドウのコートを横目でチェックしつつ、キモノの新作も見逃しません。洋服ほど流行はないけれど、キモノだってちゃんとその時代のムードをキャッチしながら新しいものが生まれています。
 今年の気になるモチーフは「鳥」。アクセサリーなども鳥をあしらったものが多くないですか? さて、この新作展では黄色地に大きく鳥を織り出した帯に心奪われました。元々はシルクロードから伝わってきた文様をアレンジしたものです。故にどこかエキゾチックというか、古くて新しい、不思議な魅力があります。

 何かを好きになると本当にうれしくなります。人でも、モノでも、時間でも、天気でも、なんだか分らないものでも、なんでも。「好き!」という感覚が好きなんです。何かにときめくことが出来るのは最高の仕合わせですね。好きな対象をどうするか…それはまた別の問題。まずは「好き」というハートを大事にしたい。

 ちなみに鳥の帯は予算オーバーで買えませんでした。いいの、いいの。トキメキが大事なんだから!…って、負け惜しみじゃなくてよ。オーホッホ!!

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2007年10月15日

思いやり

10月15日

 お茶を点てるときに炉(ろ)でお湯を沸かしますが、暑い時期には風炉(ふろ)を用います。床にきってある炉と違い、風炉は移動できるのが利点。暑いときには火をできるだけお客さんから遠ざけて、心地よく過ごして頂こうというもの。
 そして11月にはいよいよ炉開きです。風炉が活躍するのは今月いっぱい。そんな中、先日のお稽古では風炉がいつもと違う場所に置かれていました。通常は上述のとおり、お客さんから一番離れた位置。ところが、それがお点前をする亭主の正面あたり…つまり、体半分ぐらいお客さん寄り。まだ本格的な寒さではないけれど、少し空気の冷たさを感じるころのちょっとした心遣いですね。「中置き」というんですって。ふーん。気持ちは目に見えないものだけど、言葉や行動に宿ることによって「形」となってゆく。逆にいえば、形をほどいてゆくことで、そこに「気持ち」が現れてくる。ステキ。

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   お茶の花がポンポンと音をたてるように開きはじめました。清らかな白さが大好きです。

2007年10月18日

着物+きもの+KIMONO=キモノ>着るもの?

10月18日

 10月11日付け「今日のしおり」に、アッちゃんから興味深いコメントが寄せられました。
少しずつ取り上げて見ましょう。まず…

《 ブナさんが着物を「キモノ」と書くのは、何か意味があるのか?》  

 簡単に云ってしまえば「着物」は着るもの全般を差していて、洋服も和服も含まれると思うからです。かつて和装が主流だったころは、着物=和服でした。でも現在における「着物」という表現はあまりに漠然としてる気がします。
 また、今やキモノは単なる「着るもの=着物」とは少し位置づけが違うようにも思います。もちろん伝統衣装であり、晴れ着であり、また普段着でもありますが、同時にキモノはさらなるファッションのジャンルであり、オシャレの幅を広げる選択肢。従来の「着物」というイメージだけでは捉えきれない広がりを感じます。
 「シイタケ」、「カラオケ」、「モッタイナイ」などのように、KIMONOは海外でも認知された言葉です。その可能性は今後も未知数であり、私はさらなる発展への願いを込めて、あえて「キモノ」と表現しています。

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 少し冷えてきましたね。でもまだコートを着るほどでもない…
 本当に何を着たらいいのやら頭を悩まします。そんな時に活躍するのがこの一枚。amamfwawaのモヘヤ羽織。洋服とのコーデもイケますよー。
くしゅくしゅと丸めてバッグに入れてもOKなので、昼夜の気温差が激しいお出かけにも便利!

2007年10月21日

moving

10月20日
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 友人がこんなことを云ってました。現代は「生きている」という実感が稀薄になりがちだと。
 もしかしたら忙し過ぎるのかもしれない。あるいは情報がありすぎて、何をすくいあげ、何をやりすごすのか判断しづらくなっているのか。あらゆるものが自分の皮膚の表面をかすめて行くだけのような、そんな感覚に襲われることもあります。
 そういう時、どうするのか。友人はこんなことも云っていました。多くの人は泣こうとする。そして悲しみという強い感情に寄り添うのだと。
 たしかに悲しみは輪郭がはっきりとして、わかりやすい…。でもその話を聞いていて、私は残念でした。どんな些細で、微妙な感情からも「生きている」実感を得られるはずなのに。ほんの少し自分の感情と向き合うことに慣れていないだけかもしれないのに。もし悲しみだけを選びとっている人がいるならば、それは本当に残念なこと。
 YES と NOの間には、無限の濃度のYESもNOもある。夕方、あまりの空の美しさに心を奪われました。「美しい」という以外のすべての言葉も奪われました。けれど、その美しさはどんどん形を変え、色を変え、ことなるビートで心をノックします。一つとして同じ瞬間がないように、同じ感情もない。私はますます貪欲になってゆきます。もっと知りたい。そしてもっと強く感じたい。もっと。感じることは世界と繋がることだから。

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2007年10月28日

10月28日 フォト・ダイアリー

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2007年11月01日

11月3日、あむあむふわわフェア開催

11月1日

 秋らしからぬ暖かさも薄らぎ、11月は冷たい雨の幕開けとなりました。これから少しずつ冷え込んでくるのでしょうね。寒いのは苦手。でも寒さがあるからこそ、ぬくぬくする楽しさもある!そして来る春を心待ちにする楽しみ…。季節は巡り、あぁ、すべては繋がっているんだなと、生命の不思議を抱きしめるのが好きです。
 風は吹けば桶屋が儲かる。昔の人は面白いことを云ったものですね。良くも悪くもその通り。大小様々な「環」の中で暮らしているのだから、同じ「わ」なら楽しい「輪」にしたい。きっと笑顔は「和」をつないでくれるから。

 さて、11月3日(土)に川越の呉服笠間さん(http://park10.wakwak.com/~kasama/)にてamamfwawaフェアを開催します!
 ご好評いただいているカーディガン・タイプのfluffyシリーズに新色が加わったほか、カーディガンの新たなラインナップも登場。ほわほわ、肌触りもいいですよー。

 真冬のお出かけも楽しくなる、オシャレな要チェックアイテムをご用意して皆様のお越しをお待ちしております。あむあむふわわ商品はキモノだけでなく、お洋服とも好相性です!
 なお3日は、川越市の大茶会も開催。小江戸・川越を堪能してください。
あむあむふわわブログもご参照くださいね http://amamfwawa.blog84.fc2.com/

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 手に持っているのはコートのBONBON。両サイドにポケットがついて、アクティブな一日にもバッチリ。こうして手に持ってたり、バッグに丸めていれてもシワを気にしなくていいのが嬉しいです。詳しくはhttp://www.amamfwawa.comで!!!

2007年11月05日

11月3日@川越

11月5日

 一昨日amamfwawaフェアのため、朝から川越へ行ってきました。いいお天気にも恵まれ、本川越の駅に降り立つと、街中にワクワクした空気が漂っていました。この日は川越市・大茶会が開催されていることもあり、キモノ姿の人もたくさん見かけました。
 キモノは着て楽しく、華やいだ気持ちになれますが、はてで見ていても和みますね。笑顔が伝染するみたいに、キモノの持つ独特の「やわらかさ」「ぬくもり」「やさしさ」「はなやかさ」、そういったものが波紋のように広がってゆく気がします。やっぱりキモノっていいですね。そしてまた自分自身からもステキな輪を広げられるように本質を磨いていきたいと、思いを新たにしました。

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 こんなキモノ姿もありました(笑)!大名行列のオジサマ方、すごくお似合いでしたよ。行列のお侍さんを見物してる中には、ステキにキモノを着こなしてる男性も多く見かけました。昔と今。同じキモノでも、在り方はずいぶん違います。それでも何か、川のように流れ続けるものがあるのでしょうね。
 キモノ=こうでなければならない、というものではなく、時流にあった着こなしを楽しみながら、いろいろな興味やときめきの拡張になればいいですね。

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 木綿の川越唐桟に草木染めの半幅帯で、お気軽スタイル。amamfwawaのカーディガン・シリーズ「fluffy」をプラスして、お店の女将さん気分。

 ご来店くださった皆様、ご協力いただいた呉服笠間さん、ありがとうございました!
 なお、11月いっぱい呉服笠間さん(http://park10.wakwak.com/~kasama/)にてamamfwawa商品を販売しています。川越にお越しの際には、ぜひお手にとってご覧ください。

☆フェアの様子はamamfwawaブログでもレポートしています♪
 http://amamfwawa.blog84.fc2.com/
 

2007年11月06日

みずうちさとみ個展〜刺繍で描く日本の情景〜

 11月6日

 みずうちさとみさん(http://www001.upp.so-net.ne.jp/yellowhouse/)に夢中です。雑誌などで彼女の作品を目にしている方も多いかもしれませんね。私もなんとなくは知ってたのですが、先日初めて実物を感じてきました。それは「見る」というより「感じる」と思いました。ステンシルアートと刺繍を組み合わせ、独特のやわらかさと奥行きを表現していて、見れば見るほど楽しくなってきます。
 お話によると、彼女も自分のスタイルを見つけるまでには紆余曲折あったそうです。そしてそれが見つかってからも、「そんな手間ひまかけて…」というような周囲からの「声」に翻弄されたこともあったとか。それでもやっぱり、自分はコレがいい。そう思ってグイグイ自らの世界を構築してゆく姿はとても輝いていました。

 手間を惜しんではならない。

 料理研究家の土井善晴さんが「時間をかけて作ったものは、それだけ長く楽しめるものでもある」と云ってました。確かに。すべてに云えることかもしれません。
時間は単なる「時」の長さではなく、密度。愛情をかけて、魂を込めて向き合う。丸一日をかけて作る「今日」も、一生をかけて作る「人生」も。

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赤の型染めの小紋。なんとなく似合ってない気がして、しばらく袖を通していませんでした。ところが久しぶりに引っ張りだしてみたら、なんだか気持ちにしっくりハマった。キモノって、そういう面白さもあるんですよね。帯は絞り。

 みずうちさとみ個展〜刺しゅうで描く日本の情景〜は、7日まで代官山のGallery無垢里で開催しています。http://www.geocities.jp/mukuri_d/

2007年11月07日

帯留めチョーカー

11月7日

 暦は明日から冬。そのわりに穏やかな日が続いていますが、ふいに季節を実感することがあります。例えば、ぬか床をかき混ぜているとき。昨日までなんでもなかったのに、突然「冷たっ!」って。もちろん、美味しいお漬け物を口にした途端に、その冷たさも気にならなくなりますが…。ぬか床が元気だと、自分の毎日も健やかだな、って思います。ある種のバロメーターというか。

 日々の生活の中で、本当に沢山のものがたまってゆきます。できるだけシンプルに生きたいと思っているのに。なので、時折ぬか床のように、底の方まで手を入れて引っくり返します。すっぱくなったキュウリみたいに、心の底でしなびた感情を掘り起こし、新鮮な空気を入れてあげたり…ね。
 同じように、持ち物も本当にいるものだけでいい。その分、選んだものはとことん使う。この頃、あまり帯留めをしなくなりました。帯締めだけでスッキリがいい。そんな気分。でも引き出しの奧にしまいっぱなしは可哀想だし…。そこで、また帯留めモードの到来までは、チョーカーとして活躍してもらうことにしました。

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洋装に帯留め。ちょっと最近ハマってる、和洋のハーモニーです。

2007年11月09日

冬に麻〜気の早い半幅帯

11月9日

 先日、「きもの日和」というイベントが開催されました。ファッションショーがあったり、新品からアンティークまでキモノに関する様々のお店が参加していたり、ゲームコーナーあり、というキモノ・テーマパークみたいな場でした。
 主催側も、お客さんたちも、思い々々のキモノ・スタイルを楽しんでいました。さすがに「うげっ!」とビックリする着こなしもありましたが、それは「主観の問題」ということで…あはは。それよりも、ルールに捕らわれすぎたり、臆病になり過ぎずに「キモノを楽しむ」のがいいですね。もちろんTPOをきちんとわきまえることはとても大事ですけれど!基本を分ったうえで崩して遊ぶ。またスタートは多少ハチャメチャでも、だんだんと「本物」の良さが分ってくることもありますよね。実際に自分が「する・しない」は別にして、へぇー、そういうキモノの楽しみ方もあるのか…と、刺激的でしたよ。

 そこで私が入手したのは麻の半幅帯。やっと暦は冬になったばかりなのに。もう来年の夏のコーディネートに思いを馳せて、一人でほくそ笑んでいるキモノ・バカ。うふふ。

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 私たちが冬を迎えている一方で、夏の陽射しをサンサンと浴びている人たちもいる。私が誰かの手を引っ張れば、その誰かは引っ張られている。何気なく発した言葉が風に乗り、誰かを動かしているかもしれない。小さな石ころが山をも動かすこともある。世界中のすべては繋がっている、って改めて感じてみると、日々の色がより深みを増すような気がします。大いなる「環」にハレルヤ。

2007年11月12日

撮影〜seek style

11月11日

 今シーズンのamamfwawaアイテム・撮影が行われました。当初予定していた土曜日は本降りの雨。予報では予備日としておさえていた翌日も雨。どうしよう…と困っていましたが、天は我らを見捨てなかった。時折パラつくものの、なんとか外の写真も撮れたし、めでたし。

 それでも急遽、室内にプロットを変更するものもあり、カメラマンのY様には本当に感服しました。あるものをどう使うか。出来ることを、どうやるか。ひらめきと工夫と技術。プロってスゴイな、と改めてホレボレ。
 苦境に立ったときこそ、その人の本質が試される。ずっと胸にある言葉があります。「サーファーのスタイルを決めるのは、その人が波にカッコ良く乗ってるときじゃない。むしろワイプアウト(落ちた)したときに、どう立ち直るかで、その人のスタイルが決まる」というもの。
 日々、いろんなことがあるけれど、嘆いていても始まらないからね。 seek style!

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 我が家も撮影に使われることに。このピアノは祖父が戦後間もないころ、どこからか仕入れてきたらしい。軽く見積もっても、70年以上前のものでしょう。元々は伯母のピアノですが、今は私が引受けています(弾けないけど…泣っ)。
キモノは赤の型染め小紋。上着はamamfwawa商品のpoodle。色はsage。

2007年11月15日

蜜月〜Honey from Moon

11月15日

 月探査機「かぐや」からの映像をテレビで見ました。神秘のベールを剥ぎとって、あまり細部まで知ってしまったらロマンがなくなってしまうのではないだろうか。そんな懸念もありました。が、どっこいです。光り輝くスベスベの肌が、実は凸凹だらけだったとしても、やはり月は限りなく美しく魅惑的でした。
 これが人間の女性だとしら、そうはいくだろうか。ベールをかなぐり捨て、素っ裸に己をさらけ出せるだろうか。それでも美しくいられるだろうか。本質とは何か。どこにあるのか。たとえ誰も見るものがいない最果ての地においても、花が変わらず美しく咲くように、己も咲くことができるかしらん。愛されないと分っていても、愛し続けることができるだろうか。叶うあてがなくとも、夢を抱いていられるだろうか。
 YES。月の地平から昇る地球の青さは「YES」と語りかけていた気がする。

 郵便受けを開けると、異国の香りが溢れだしました。ハネムーンのお土産だ 。添えられたポストカードの二人を眺めながら、お湯を沸かす。夜に溶けるバニラ紅茶の甘い匂い。愛のお裾分け。ありがとう。そして、おめでとう。
いつまでも幸せでありますように。
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2007年12月03日

楽在其中

 私は忙しいのをあまり好しとしない。実際に忙しいのはいい。ただ忙しい素振りを見せたくないのです。たとえ忙しさのあまり、天才バカボンに登場するピストルのおまわりさんみたいに足が車輪状になっていても、顔は涼しくありたい。これを白鳥の水かきとも云う。
 なぜか。それは忙しさを認めてしまうと、本当にテンパってしまうから。元来がせっかちなクセにスローモー。あがり症の小心者。一口に云うと不器用。そんな人間が忙しくしていたら、本当に木っ端みじんになってしまいます。故に「ヒマ」をプロフィールにしているのです。
 しかしそんな事をのたまわってられない時もあります。この数週間は体中に青筋が立つほどのカオスでした。そんな時に限ってステキなお茶会があったりするのが宇宙の法則ってヤツでしょう。ずいぶん前から楽しみにしていたけど仕方がない。断念するか…。でも…な。思い切って仕事仲間に相談してみると、快く「行ってきなよ」と送ってくれました。その分、自分が大変になってしまうというのに。あぁ、なんて素晴らしい仲間に恵まれていることか。感謝。

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 お茶会は上野の国立博物館の裏手にある「転合庵」で催されました。その昔、小堀遠州が転合庵というお茶入れを拝領した記念に設けた茶室。その後、幾度かの移転を重ね、昭和38年に東京国立博物館に寄贈されたそうです。そんなお茶室で過ごすひととき。漂う空気のなんとふくよかなこと。そしてその日、小間に掛けてあったお軸には「楽在其中」。ふーーーーーーーーーーーーーーっ。パンパンの風船から一気に空気が抜けるように、私の中から一切のキリキリ、ピリピリが抜けました。出合い。人は必要なものに、必要なときに出会う。これもまた宇宙の法則なり。
全ては「和」の中に。

2007年12月08日

横浜にて公開収録〜Tokyo FM…お知らせ

12月8日

 本日、横浜にてTokyo FM の特別番組公開収録がありました。Double の Takakoさん、Harco、つじあやのさんをゲストにお迎えしてトーク&ライブの楽しい時間を過ごしました。この模様は…

 12月9日(日)夜7時からTokyo Fm サンデースペシャル〜
「クイーンズスクエア横浜アット! クリスマス・パーティ」でお届けします。
ぜひ聞いてみてください。
(ちなみにTokyo FMでは鈴木万由香を名乗ってます。大人の事情ね)

 Harcoは初対面、と思いきや。お話をしていたら、なんと10年以上前にお会いしてたことが判明。彼は当時BLUE BOYというバンドでドラマーをしていました。そのころに私がやっていたテレビ番組(TVKだったかな…?ごめんなさい…どうも記憶があやふやで…)のゲストでした。つくづく横浜にご縁があるようです。

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 つじあやのさん。久しぶりに会った彼女は「カワイイ」の中に、やわらかな色気を一滴たらしたようでした。いろんな意味で成長してはるんやなぁ〜、と。お互いの近況を2行ぐらいで報告しあい、それだけで大切なことは飲み込めるような、そんな心地よさを覚えます。新アルバムもすごく良いっス。
 クリスマスムード漂う横浜。ツリーや電飾できらびやかなのに、なぜか撮れた写真はこんな。工事現場みたい…色気もうるおいもない。ま、舞台裏なんてこんなもんか。はい。

 12月8日。日付なんて単なる数字の羅列かもしれない。それでも深くもの想う日でもあります。人々の胸の中にどうか、やさしく暖かな光が灯りますように。

2007年12月10日

別れ…そして出合い

12月10日

 今日、さよならしました。
 どんなに寒くて切ない夜も、一緒に乗り越えてきたけれど。もうこれ以上は無理だと思ったから。そんな私は自分勝手すぎるかな…。でも、決して忘れないよ、あなたのこと。


 どうも冷えるなと思ってたんですよね。それもそのはず。すっかりすり切れて、生地は薄紙のようになってしまいました。やわらかなクリームイエロー地に、クマさんの柄がベタでね。気に入ってました、ネルのパジャマ。思い返せば、かれこれ15年は着たかしら。色も褪せて、今ではほとんど白。おなかのゴムだって何度取り替えたことか。ゴムどころか、ゴムが通ってる部分の生地自体がスレてスカスカの穴だらけ。ちょっと力が加わっただけでビリリと裂けてしまう。こんなに疲れ果てるまで頑張ってくれたんだ…、そう思うと愛おしくて、愛おしくて。妖怪ルールに則って、たとえ憑くも神(つくもがみ)になれなかったとしても、私にとっては充分に尊い存在です。
 「星の王子様」の中に、茶色い麦穂を見ただけで、キツネのことを想ったりする…とかなんとか。そんな箇所がたしかあったはず。私も同じ。どんなに色褪せても、あのパジャマはエバーグリーン…じゃなくて…エバー・クリームイエロー。そしてそんな色を見れば思い出すのです。

 だから仕方なかった。再び体重増加傾向にあるため、調整せんければ…との決意もそこそこに、また買ってしまった。また食べてしまった。

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クマさんパジャマと同じ色をした。。。醍醐。

「乳〜にゅう/酪〜らく/生酥〜しょうそ/熟酥〜じゅくそ/醍醐〜だいご」
 仏教経典の中に、五味として順に精製され、最上の味をもつものとして書かれているそうです。醍醐とは、十世紀の頃、平安京で製造されていた乳製品。和製チーズのようなもの。
 「その美味しさを求めて、醍醐味なチーズケーキができました」そんな謳い文句を見たら食べたくもなりますよね〜。で、お味? うーん、普通のチーズケーキ。
あ”ー、平安京の醍醐はどんな味だったんだろうか。気になるー。

 ちなみにクマさんパジャマには、もうひと働きしてもらいます。年末のお掃除に雑巾は大事だからね。
パジャマさん、本当に長い間お疲れさまでした。
そしてずっと仲よくしてくれて、ありがとう。

2007年12月12日

ONE PLANET CAFE

12月12日
 
 環境コンサルタントのペオ・エクベリ氏のお誘いで、昨日はすばらしいお食事会に参加しました。大学教授、ウェブ・デザイナー、アウトドア・ブランドのマネージャー、映像クリエーター、企画コーディネーターなど、異業種・多業種の面々が集い自由に語らいながら情報交換をしました。その中でスペシャルゲストとなったのがザンビアから来日中のお二人。サウスルアングア国立公園認定ロッジのマネージャーを努めるオスカー・ロジャース氏と国立公園公式認定のガイドを担当するビリー・エンコマ氏です。

 国内でも環境問題はいろいろな角度から取り上げられていますが、アフリカにはアフリカの…ザンビアにはザンビアの問題があって。でもそれは決して「他人事」ではなく、改めて地球の広さと同時に「環」として繋がっていることを考える機会になりました。
 オスカー氏が「ワニの卵がやわらかくなっている」と云っていました。どうやら数キロも離れたところにある農園で綿を栽培する際に使われる農薬に原因があるらしいとのこと。農薬は地中に染み込み、やがては水をも汚染します。私たちの多くは食べ物に使われる農薬などには敏感になってきました。けれど衣類はどうでしょう。大量の農薬や有害な化学染料が使われたものがほとんどです。私のタンスの中もしかりです。食べ物のように直接的ではないけれど、洗濯のたびに有害物質は水に流れ出します。それは廻り廻って体内に入ってきます。また皮膚から吸収されるものもあるでしょう。これはほんの一例ですが全てのことは、このようにして繋がっています。

 「因果応報」「風が吹けば、桶屋が儲かる」「情は他人のためならず」

 それぞれニュアンスは多少違っていても、どれもが大きな「わ」の中にあります。こんなふうに、日本人にはすでにホリスティックな素養があるんですもの。PROBLEM=問題の「P」は必ずPOSSIBILITY=可能性の「P」になるはず。
 エコロジーに感心があったとしても、なかなかアクティビストになるのは難しいと思われるでしょう。でも何かを選ぶとき、私たちはすでにアクティビストであることを忘れたくありません。食品、衣類、言葉、行動、考え…。毎日の中のすべての瞬間において、私たちは常に何かを選択しています。そしてその選択がどんな応えを返してくるのか。想像力という素晴らしい人間の力をフル活用したいです。
 そもそもこの集いはONE PLANET CAFEというプロジェクトを中心に実現したものです。説明をすると長くなるので、面倒臭がらずにぜひぜひジャンプしてください。
http://web.mac.com/satoko333/iWeb/One%20Planet%20Cafe/One%20Planet%20Cafe.html

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 追伸:書き込みに関して、みなさんのフィードバックに感謝します。
    ありがとう。

2007年12月15日

冬景色(とゴミ問題)

12月15日

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 今週の番組でもゴミ問題について少し触れましたが、年末年始の収集日のお知らせが貼り出されました。今年も暮れてきたということですなぁ〜。

 ゴミといえば、今まで近所に住んでいた友人が引越をしました。彼女が移り住んだ地域はとりわけゴミの分別が、また出す時間も厳しいそうです。いままで彼女はあまりゴミに対してそれほど意識を向けたことがなかったけれど、今回はとてもいい機会になったと云っていました。ただ困るのは、ゴミを出す時間が厳しく制限されているので、出しそびれるたびに溜まっていくことです。ちなみに彼女は不規則きわまりない仕事に忙殺される日々を送っています。
 そんな彼女がフラリを私のところにやってきては大きな袋をドサドサと置いてゆきます。まるでサンタみたいな格好。でもプレゼントではありません。ゴミです。「ごめん!また出せなかった。よろしく」
 やれやれ。そして私は、彼女がおごってくれる生姜焼き定食につられて、再度ゴミを分別して処理をするのです。

 さて、こんなやりとりの中で思うこと。コレって何かに似てないか?
 CO2排出の限度量を越えた先進国が、他国の枠を買うというやり方。やりくりすれば確かに目の前のゴミは見えなくなるかもしれない。けれどゴミ自体が消えるわけじゃない。なんでも押し入れに押し込んで体裁だけ整えても、家そのものがキレイにならないのと同じ。もっと根本的なこと。そしてもっと全体的なこと。この点は、どこかの点とどう繋がっているのか。お魚が切身で泳いでいると思ってる子供がいる…というほど、点と点をつなぐ線が見えにくい世の中なのかもしれない。でもその線をたぐり寄せるだけの情報とイマジネーションは充分あるはず。

 東京の真ん中でもこんな冬景色を発見。穏やかな陽射しがうれしい、ある日の午後。写メなので小さいですが、わかりますか?干し柿を吊るしてます。こんな景色も(味も!)、季節があればこそ。
新橋「鮎正」の前にて撮影。
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2007年12月19日

贈り物

12月19日
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 親類からお菓子が届きました。かわいいカードと一緒に甘いクリスマス気分の贈り物です。この頃は10月からお節料理の予約を受け付けたり、何かと「先取り」傾向にあります。加えて、私の仕事は事前に収録するものも多く(モノによっては、すでにバレンタイン用の収録も終わってます)、何がなんだか…といった状態になることもしばしば。そんな日々の中、こうしたプレゼントは時差ボケを治してくれる朝陽みたい。季節を味わえるというのは、本当にしあわせですね。

 ともすると「心を亡くしてしまいそうな」年末のスケジュール。けれども気持ちがカサカサにならずに済んでいるのは、人のちょっとした優しさや気づかいのお陰なのでしょう。いっちょまえ面してても、結局はみんなに支えられてどうにかやってられているんだ、とつくづく痛感します。感謝。

 心遣いといえば、先日の会食でのこと。そのお店では靴を脱ぐのですが、キモノで出かけた私は足袋を履いています。するとお店の方がサッと室内用の草履を出してくれました。実は靴下と違い、何故か足袋だとツルツル、カパカパしてスリッパがとても履きづらいんです。だから嬉しかった。銀座の「吉水」というお店。お料理も素晴らしかった。お店の「心」がお料理、しつらい、そして接客からも伝わってきました。

zouri.jpg他人から学んだ優しさを、私もまた誰かに伝えられたらいいな。

2007年12月23日

冬至にクリスマス・ハーモニー

12月22日

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 今夜はジャズ・コーラスグループ TIME FIVE のクリスマス・ライブを堪能しました。1968年に結成したというから、40年近くもハーモニーを奏でていることになります。人間の声の持つ力強さ、優しさ、美しさ、スリル。まさに WONDER でいっぱい。加えてずっと現役でやりつづけている人々の逞しさは圧巻です。何かをやり続ける…それはどんなことにも云えますよね。すばらしいです。
 ところでこれだけ「クリスマス」が世界に定着したのは冬至とうまい具合にリンクしたからとも云われています。キリストの誕生によって始まった何か。また一年で一番日が短い冬至は、終わりと始まりでもあります。これから寒さは増してゆきますが、季節は光の方を目指しています。どうか皆が元気でありますように。

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 今年もユズは豊作のようです。いつもお裾分けをしてくださるSさん、ありがとう。頂いたユズはまたジャムにします。(お風呂には別のを入れました!)

2007年12月29日

どうしよう、おせち。

12月29日

 いよいよ今年も押し詰まってきました。夏を少し過ぎるころまでヒマを満喫し、よろこびながらも「こんな生活で大丈夫か?!」と不安を覚えていたのは何だったのでしょう。秋風に乗って訪れた忙しさに追い立てられて、目まぐるしく日々が過ぎてゆきました。はたして、越えてみれば山は高かったのか、険しかったのか、甘かったのか、塩っぱかったのか。よく分りません。ただ間違いないのは「豊か」であったということ。数々の経験は滋養となり、私をたくましく育ててくれているということ。山は連綿と続いています。わたしは歩き続けるだけです。

 今年は大掃除もままならず、お節料理もどうしようか。来客のあてもないし。いっそパスっちゃおうかな。テキトーに出来合いの揃えりゃ体裁は整うだろうし。デパートのお節ってのも一度食べてみたいし…。
 でもねー。それも何か大事なことを見失いそうで気が引けるのよね。ってことで、結局おなます、田作り、黒豆、栗きんとんだけは用意することにしました。基本の最小限。…まぁ、自分が食べたいものだけですが。

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 「お客さまのためだけじゃないんだよ。季節を歓び、感謝すること。そして自分のためでもあるの」祖母の言葉はいつも私とともにあるんですね。たぶん、これからもずっと。

*家の中では木綿やウールのキモノが重宝します。家事をするにも気を使わずに済みますよ。でも前掛けや割烹着はぜひ!

2007年12月30日

里帰り &お知らせ

12月30日 

 徹底的に大掃除!…とまでは行かないまでも、汚いままでは運気も逃げそう。よし、やるか! 頑張って自分にムチを入れ、早起きして窓拭き、大物の洗濯など、午前中は水仕事で費やしました。ふー、気分爽快。お昼は、自分への褒美ってことでカレーを食べに行こう♪
 むむむ? ナンをちぎっていると…オーマイゴッド。雨だ。洗濯物はびっしょり。せっかく窓もキレイにしたのにぃ〜。ぐすっ。ツイてないぜ。

 と、そこに♪ピンポーン♪。友人のKちゃんが帰省する前に立ち寄ってくれたのでした。しかもお土産は銀座中条の「あんみつ大福」。以前から存在は聞いていて、ずっと食べてみたいと思っていたものです。ふわふわの豆乳クリームと寒天を黒蜜餡で包み、大福なのに、あんみつを食べている快感も同時に味わえちゃう!
うわっ、想像していたよりも美味ですぅ〜。
 ほほほ。美味しいものを頂きながら、友人と過ごす楽しい時間。これは最強ですね。どんなクサクサした気分も太刀打ちできません。えっ、窓?そんなの、また拭きゃいいじゃないの。洗濯物?ほっときゃまた乾くさ。あはは。Kちゃん、ありがとう。

 きっとたくさんの人たちが、離れた家族や友人たちの元を目指しているのでしょうね。みなさん、お気をつけて!そして良い時間を過ごして下さい。帰るところがあるって、ちょっと羨ましいです。

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あんみつ大福と雪だるま。白い丸さがなんだかマッチしてる気がしませんか。帯は縮緬の染め。キモノは結城紬。無地っぽく見えますが、多色使いの細い縞模様です。暖かく、とても着やすいキモノです。

**お知らせ:「エコロジーオンライン」というサイトの中にある、「eco people」という
        コーナーに登場します。掲載期間は1/1〜1/31
        よかったらアクセスしてください。

2007年12月31日

平成19年 12月31日

  

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2008年01月01日

謹賀新年2008

1月1日 

 明けましておめでとうございます。
 お陰さまで、またこうして新年を無事に迎えられることに心から感謝します。
 本年も元気で良い年でありますように。

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 暮れまではバタバタでしたが、なんとか穏やかに新年を迎えることができました。年越し特番にも、また「鈴なり」にも沢山のみなさまからメッセージを頂き、本当にありがとうございます。ささやかですが、ブナのお節をどうぞ!
 ちなみに今年の栗きんとんは裏ごしせず、皮も繊維もそのまま。おいもは丸ごと食べた方が体にいいらしいんですって〜。歯ごたえ充分。万両も元気に色づいて、艶を添えてくれました。我が家の万両はどんどん増えつづけています。
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*お知らせ*
1/1〜1/31まで総合エコロジー・サイト「エコロジーオンライン」に出ています。
ぜひ、アクセスしてみてください。
 

 

2008年01月06日

無事

1月6日

 思い切り怠惰を許した生活もそろそろ終わりにしますかね。よいしょっ!

 面白いもので、人の顔というのは様々なものを映し出してしまうんですね。弛緩、焦り、野望、挫折、寂しさ、解放…etc。この数日間に去来した全てのものが顔から浮き出ているような気がします。そういえばゴロゴロするばかりで、ろくに鏡も見てなかったなぁ。久しぶりに覗き込んだ自分の顔がずいぶん変わっていて驚きました。あの人イイ顔してるね、と云われるような。そして自分でも自分の顔に自信が持てるような、そんなふうに今年も己を磨いてゆきたいです。

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 そしてもう一つは「無事」。「無事」に暮らす。馳求心をはらい、心は常に清浄であるように。
 いつも何かが足りなくて、いつも何かを求め過ぎる。いつも何かがありすぎて、いつも何かに押しつぶされている。なんと矛盾だらけなことでしょう。そんな我を顧みる年頭だったのでした。

 皆様からたくさんの新年のご挨拶を頂戴し、とても嬉しいです。ありがとうございました。

☆こげ茶がベースになったキモノに黒い帯(羽子板を描いています)。全体にダークなトーンなので、帯揚げと帯締めはビビッドな赤にしてみました。


*お知らせ*
1/1〜1/31まで総合エコロジー・サイト「エコロジーオンライン」に出ています。eco peopleという項目です。
ぜひ、アクセスしてみてください。

2008年01月08日

七草

1月7日

 突然、U氏が請求書を持ってやってきました。郵送でもよかったんですが、たまたま近くを通ったもので…なんて云いながら、手にはしっかり「お年賀」と書かれたお土産を持っていた。やさしい人である。何となく話したそうな素振りが見てとれたので、とりあえず上がってもらうことに。これまでU氏とは仕事上のやりとりをするだけで、まともに話したことはなかった。お茶を出すと、問わず語りに仕事や人間関係などについて話しはじめた。私はひたすら聞き役である。
 「なんでこんな事しゃべっちゃったんだろう」と照れ笑いを浮かべるU氏。私に話を聞いてもらったことを、しきりに恐縮して帰っていきました。通り雨のようにやってきては去っていったU氏。なんとも不思議な時間でした。でもその後に、彼の言葉を反芻してみると、ピタリピタリと自分にも置き換えられることばかり。

 思うに、U氏は今の私に必要なヒントを運んでくれたメッセンジャーだったのではなかろうか。今夜のことばかりでなく、きっと身の周りにはあらゆるメッセージやシグナルが、私たちを導く準備をしている気がします。ユーミンの歌にも♪目にうつる全てのことは〜 メッセージ〜♪ってのがありましたよね。
 まぁ、そんなメッセージをちゃんとキャッチできるかどうか。アンテナ張って、健やかなる心身でいたいものです。

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 みなさん、ちゃんと七草粥を食べましたかぁー?年末年始で疲れた胃腸や、狂った体のリズムを整えてあげないとね!

*お知らせ*
1/1〜1/31まで総合エコロジー・サイト「エコロジーオンライン」に出ています。eco peopleという項目です。
ぜひ、アクセスしてみてください。

2008年01月10日

岩井先生に所作を習う

 1月10日

 晴れてよかった。今日は朝から靖国神社内にて雑誌用の撮影でした。寒かったけど、とても楽しくてはり切ってお仕事ができました。ご一緒したのは日本舞踊・岩井流家元であり、女優の岩井友見先生です。
 今回は美しい和の所作を岩井先生に習うという企画。こんなラッキーなチャンスはありません。思い切り「素」になって教えて頂きました。キモノの美しさを引き立てるのは、着ている人の立ち居振る舞いです。歩き方、座り方、おじぎ、車の乗り降り、バッグの持ち方、ふすまの開け閉めなど、あらゆるところに「美」は潜んでいます。それを引き出さない手はないですものね!
 ちょっと先生にアドバイスをして頂くだけで格段によくなってしまうんです。自分ではけっこうイケてるつもりでいましたが、「つもり」とは恐ろしいものです。詳しいことは紙面で!

 岩井先生にあれこれ教えて頂いたことも大きな収穫ですが、それ以上に目標にしたい憧れの存在に出会えたことが嬉しいです。妥協を許さず、お仕事に対する徹底した姿勢。ピシリピシリと的確な指示を出し、現場を導いてゆきながら、それは決してイヤな緊張を強いるものではないのです。場を引き締めながら和ませることを忘れない…なかなか出来ることではありません。そして現場にいる一人一人に気を配り、全員が「参加」しているという気持ちになれる。もちろんそんな先生の元には素晴らしいスタッフが集まるものです。皆さんがプロの仕事を見せて下さいました。本当に今日は高純度のエネルギーを注入して頂きました。先生、そしてスタッフの皆さん、有り難うございました。

 もう一つ嬉しかったこと。お昼に大好物、「八竹」の茶巾と穴子寿司が出たこと。実はこれも岩井先生が手配してくださったもの。先生のポリシーは「撮影のときは、ちゃんと食べて、しっかりいい仕事すること」。素晴らし過ぎますぜ!

主婦と生活社『40代から、もっときれい』Vol.13
2008年3月6日(木)発売予定

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2008年01月15日

小正月の決意

1月15日

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 今年こそは…。新年にあれこれ決意を新たにした方も多いことでしょう。私はとにかく「手をつけたことは最後までやる」と決めました。なんせ三日坊主なのです。ワッと盛り上がって、スッと冷める。何でも興味がある。でもすぐ飽きる。おまけに努力をしない。故に何事も大成しない。
 昨年、習いはじめた和裁は遅々として進んでいません。予定では、いまごろスイスイとキモノの5枚や10枚は自分で縫えるようになってたはず。それがやっとこさ、浴衣を一枚仕上げただけ。それにしたってどれだけ先生の手をわずらわせたことか。帯ぐらいなら…と、芯やら何やら材料を揃えるだけ揃えて、そのまま放置。いけない。こんな自分はイヤだ。私は変わるんだーーーーっ!! と、メラメラ心を熱くしながら小豆粥をすすり、体もホカホカと熱くなりました。(たっぷりの小豆と玄米で作りました。美味しかった)

onenga.jpg和裁の師匠に頂きました。ネズミのチョコと金太郎アメ。かわいいね。

2008年01月20日

初釜2008

1月20日
 
 2008年の初釜。新年の気配も日常のあれこれに早、かき消されてしまいましたが、お茶の世界ではむしろ始まったばかりと云えるでしょう。今日は社中の皆様とご挨拶を交わし、新しい年をお祝いしました。美味しいお茶とともに、新たな季節がゆっくりと体に染み込んでくるのを感じます。そして新春の淡い光のようなものが胸に灯ります。それを言葉にすれば「希望」なのかもしれません。
 日々、いろんなことがあるけれど、誰の胸にもそんな光が灯っていることを願っています。

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2008年01月21日

大寒のぬくもり

1月21日

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 仕事を済ませ、午後は父と合流してお墓参りに行きました。予報では雪。一面の銀世界も楽しみだったけど、お墓のお掃除には降らなくて助かりました。それにしても寒っ!手桶を持つ指先がシビレました。ところが、フワッと漂うよい香りに誘われてみれば、辺りにはロウバイが咲き乱れ、続けとばかりに紅梅もつぼみを膨らませています。他の樹々たちの枝先にも、真冬のかじかみから少し解放されたようなやわらかさが感じられました。まだまだ寒さは続きますが、春はそう遠くはないようですね。
 うちのお寺がある山中には、いくつもの「院」や「庵」が点在しています。お墓参りのときには、それぞれの和尚さんを訊ねるのが楽しみです。和尚さんとの語らい。そして美味しいお茶とお菓子。ふふふ。

 帰りの電車の中、一つの空席を父と譲り合っていると、いかにも今どきのギャルが「どうぞ二人で座ってください」と席をたってくれたのです。尋ねてみれば、彼女は終点まで行くとのこと。私たちに席を譲れば3,40分は立つハメになります。もちろん彼女の気持ちだけ有り難く受けとって座ってもらいました。それだけでも暖かい気持ちになったのに、ナント!!全く関係ない他の乗客たちが数名、お年寄りに席を譲りはじめたのです。すばらしい!心の波動は広がり、伝染するものです。善いものはどんどん広がりますように。また、そうでないものがやってきたとき、自分のところで途絶えさせる強さを持てますように。

 ところで昨日の初釜にはどんな装いで出席したのか、というメールをいくつか頂きました。こんなです。茶や辻を描いた加賀友禅に、帯は藍。実はこの帯、人に乗せられるままに、ずいぶん前に求めました。ところが地味で出番がなかったんです。それが今になって試したら寂しくない。つまり私が帯の雰囲気=年齢に追いついたということなんですね。和服は寝かせておいて、出番の機を待つことができるのも良い点ですてぃに〜♪

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2008年01月23日

東京、初積雪

1月23日

snow.jpg 朝、窓の外には清らかな白い世界が広がっていました。東京の初積雪です。不思議なことに、雪を見ると子供に戻ってしまいます。とてもきれい。思わず寒いのも忘れて寝間着のまま外に飛び出し、雪を顔に浴びたり、雪団子作ったり。
 最初に降雪に擬音をつけた人はどんな人だったのか。しんしんと降る雪もあれば、こんこんと降る雪もあります。また歌舞伎では、ドンドンドンドンドン…と、細かくやらわらく太鼓を鳴らし、雪が降っていることを表現します。音の無いものに「音を聴く」。耳ではなく、心で聴く音とでも云うのでしょうか。それは so real…いえ、超リアル。本物以上に本物。直接訴えかけてくる力強さ。すばらしいですね。

 派手好みの人が内面も派手かというと、そうでもないらしいです。むしろその逆で、自分に足りないものを補おうとする深層心理であると、物の本で読んでことがあります。ちょっといつもの「自分のパターン」ではない、赤を基調にした多色使いのキモノを何気なく選んでいました。あまりに寒いので、暖色でテンションを上げたいという心理が働いたのか…。人間の感覚って、はてしなく面白い。全て自分の意志で動いてるようでいて、実は環境と共にある。お釈迦様の手のひらで暴れている孫悟空なのですてぃに〜♪

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2008年01月28日

目を覚まさないと…

 1月28日
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 この目覚まし時計を愛用して、かれこれ20年以上になります。先日うっかり落とした時に秒針がはずれて、中でカラカラ遊んでる状態になってしまいました。すると角度によっては他の針にひっかかって時計が機能しなくなるのです。そういう時はシャカシャカ動かしたり、パシパシ叩いたりしてどうにか復活させていました。ところがついに今朝、しっかり針同士が噛んでしまい、どうにもならなくなりました。もう…潮時? うぇ〜ん。

 今日は来客がありましたが、止まってる時計を見て「私ね、以前は機械屋だったんですよ」と云って車に戻ったかと思ったら、工具を出して、さっさと時計を分解。そして見事、直りました! …不思議なタイミングですね。壊れた日にたまたま来宅した人が機械屋さんだったなんて。その方、現在は建築のお仕事をなさっています。もし今日でなかったら、諦めてお別れしてたかも…。時計くん、よかったね!また一緒に気持ちの良い朝を迎えましょう。

 少し前までは街に時計屋さんがあって、ちょっとしたことなら直してくれたんですよね。今はブランド物の高級時計ならともかく、だいたいは量販店などで、売る側も買う側もほとんど使い捨て感覚になっている気がします。時計に限ったことではありません。街から商店街が消えること、人々から技術が消えること、人同士や人と物の間の絆が消えること、物を大事にする心が消えること… これらは全て同じことのように思えます。そしてそれはとてもコワイことだと思います。

 Sさん、ありがとうございました。

2008年02月02日

節分イブ

2月2日
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 今週は厄介な仕事に忙殺され、さすがに疲労困憊ですが、どうにか峠は越えたかな、というところまで辿りつき腑抜けております。しかし腑抜けたままでいるわけにもいかないので、午後は頑張ってお茶のお稽古に出て自分をリセットしてきました。一服のお茶を頂くひととき…。干涸びた細胞に恵みの雨が降り注ぐような時間です。
 お茶を頂いたあと、「お道具を拝見…」といって茶碗、茶入れ、茶杓など、用いられた道具を見たり、その詳細について尋ねます。亭主はそれに答えなければなりません。今日、私は濃茶を点てたのですが、その「お拝見」の時のこと。「お茶杓は?」と尋ねられ、臨済宗の僧、故・立花大亀老師のお茶杓であると答えたつもりが…
「はい、亀田大毅でございます」
「?????」
「!!!!!」
 一瞬の間のあと、一同大笑い。「だ・い・き」という音。そして「大亀」に使われている「亀」という文字。これが脳内で勝手にシャッフル。やっぱり疲れてるんでしょうかね。あはは。

 明日は節分。豆まきをモチーフにした帯をしめて、また春を迎えられる喜びを味わっています。obi.jpg

2008年02月04日

節分 in the snow

2月3日
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 目が覚めると、障子の向こうが明るかった。やった、雪だ!予報が当たったのだ!午後には仕事もあるので足の心配もあるけれど、それはそれ。後のことは後で考えるとして、まずは雪を楽しむぜよ。それにしても、どうして雪が降ると、雪だるまを作ってしまうのか。作らないではいられないのは何故か?口には炭を。目には木の実を。かわいいじゃないか、キミ。

 お昼頃、街の様子を見に外に出る。都会の雪は美しい…とは限らない。人や車に踏まれ、薄汚れたシャーベットがベチャベチャといじけた音をたてている。けれど今日の雪は、そんな汚れさえも慰めてしまう。後から後から降り積もる純白。足元を見ていたら、何だかだんだん美味しそうに思えてきた。胡麻ムースの上に飾られた粉砂糖みたい。
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 境界線について考える。何かと何かが別れるところ。何かと何かが交わる場所。

 すっかり冷えきったカラダにはコレ!松江にある「桂月堂」の即席しるこ。トロリとしていて、ほどよい塩気が餡あの甘さを引き立てる。餅米でこしらえた千鳥がお汁粉の上を泳ぐのがかわいい。そしてたまらなく香ばしい。

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 夕方からナレーション録りの仕事。えらく手間取り、日付が変わってしまった。節分の豆まきもしてないのに…。こんな夜更けに、こっそり小声でやるか。どうしよう。豆の替わりに雪が街中の邪を清めてくれたから、いいかな。

2008年02月05日

立春

2月4日

 揺れる枝に風が姿を現すように、形なき心もまた体をなす。そんなとき、私はうっとりとしてしまうのです。
     
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 立春。寒さの真っ只中にありながら、陽光は暖かな季節の予感をはらみ、キラキラと舞い踊る。昨日の雪は小さな飛沫となって、どこかに帰ってゆく晴天の一日。大小の雪だるまが、あちこちで、はしゃぐ童心の余韻を伝えていました。バッタリ出会ったこの方、眉と口は海苔。炭も枝も手近にない都会の哀しさでもあり、創意工夫の逞しさでもあり、或いは子供たちのために台所の戸棚から海苔を出してやる母の愛でもあるかもしれない。目玉はどこへやら。くぼんだアイホールが「幸福な王子」を思い出させます。

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 久しぶりにやってきたKさん。お土産に手作りのリンゴケーキと大根カレーと手編みのマフラーを持ってきてくれました。色も味も、ストライクゾーン真ん真ん中。ちゃんと私の好みを分ってくれている、嬉しすぎるプレゼントです。ありがとう。
 人の手はいろんなものを作りだします。人の手はいろんなものを直します。人の手はいろんなものを繋ぎます。ビバ、手!どうか、この手がよいことのためだけにありますように。

 

2008年02月09日

新春リトル・トリップ

 2月7日は旧元旦。晴天に恵まれたこの日、伊勢神宮参りが叶いました。久しぶりのお伊勢さんです。ここに来ると、何とも言葉にならない、安堵にも似たような気持ちよさに包まれます。春の陽射しを浴びる草花はきっと同じような気持ちよさを味わっているんじゃなかろうか。滋味にあふれる空気が肺を満たし、体中の細胞が生まれ変わるような心持ち。今ここに「在る」という仕合わせ。神恩感謝。

 いつもは外宮から回るのですが、今回は内宮からスタート。…というのも、ちょっと不謹慎というか意地汚いというか煩悩まみれというか…(神様、ごめんなさい)お参りの前に寄るところがあったからです。そう、赤福が営業再開しました。すぐに売り切れてしまうという噂を聞いて、ならば先に行くべし、ということに。旅友のKちゃんと二人、おかげ横町へまっしぐら!しかし、世間は赤福ほど甘くなかった。到着したときにはすでに長蛇の列。並ぶ根性はなし。並んだところで途中で売り切れてしまうだろう、と店員さん。ガックシ…テンション急降下。ところが、おみやげは売り切れでも、店内では食べられることが判明。思いのほか待つこともなく念願の赤福にありつけました。むぅぅ〜、やっぱりおいひ〜。

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 ややっ?!斜め前に座った家族連れが、ナント!カバンからパックを取り出したかと思ったら、お皿の赤福を詰めはじめたのですてぃに〜。店内で食べるフリをして沢山注文しておいて、それを持ち帰る魂胆。そこまでするかーっ?!恐るべし…なのは、赤福の魔力なのか。それとも人間のさもしさなのか。

 今回の旅は盛りだくさん。電車やバスを乗り継いで、鈴鹿の椿大神社へ。猿田彦さん、天之鈿女さん、 木花咲耶姫さんの、私にとっては神様ワールドの3大アイドルがおられます。道を拓くパワー、どんなピンチにメゲないもユーモア、そして美。これが私の願いです。

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 椿大神社から四日市まではバス。停留所もゴキゲンにイケてます。車窓の向こうには人々の暮らしが揺れています。

 さて、四日市市内に入って目に飛び込んできたのが、この看板。
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 へぇー、大入道は文化財だったんだー。妖怪好きにはたまりません。サイコーだぜ、四日市市!

 慌ただしくも、充実の小旅行。最後は名古屋経由で東京へ。一つだけ心残りなのは「みそかつアイス」が食べられなかったこと。どんな味なんでしょうか。

 

 

2008年02月14日

雪と落語

2月13日

 明日はバレンタイン。熱を帯びたハートがそこここに飛び交っているのかしらん。日本列島を襲う大寒波。熱いのと冷たいのがぶつかり合い、交じり合い、なんだか明日は荒れそう。
 テレビの画面に大阪城が映し出され、吹き付ける雪にかすんでいました。普段は目に見えない空気中の水分が「雪」という体を持つと、こんなにも景色は変わってしまう。もしも目には見えない人の想いがカタチになったら、一体どうなることやら。数えきれない感情の交差点。気持ちのビーム。目が回っちゃうかな。誰かに「好き」や「ありがとう」を伝えたい。なのに上手にできなくて…。そんなとき、この胸の中にあるものを掴み出して「ほらっ!」って手渡せたらいいのにと考えることもあるけれど。でもやっぱり見えなくていいのかな。触れなくて、よくわからなくて、じれったくて。それでいいのかもしれないとも思ってみたり。

 9日の土曜日、落語を聞きに行きました。七転八倒の会というのがありまして、高座にあがったのは柳家喜多八さん、五街道弥助さん、三遊亭たん生さん。
 落語に出て来る人はみんな大マジメだから面白い。大マジメに喜んで、怒って、泣いて、遊んで、惚れて、悔やんで、笑って、大マジメに生きている。だから本当に面白い。云ってることが矛盾するようですが、落語は目に見えないものを見せてくれる芸術なのだと思います。イマジネーションという目に映るのは、人々の暮らしの結晶。
 雪が美しいように、人の営みもまた美しい。厳しく、醜く、清らかで、美しい。

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終演後、外に出ると街は白く薄化粧をしていました。神楽坂、毘沙門天にて。

  

遠藤志岐子・写真展

2月14日 

 中央区銀座1-9-8 奥野ビル5F「ギャラリー松林」にて遠藤志岐子・第二回針穴写真展が開かれています。

 彼女の作品はいままで、わりに小振りのものが多かった気がする。今回は大きな画面で景色を見せてくれる。額縁も何もない。むき出しのまま、ピンで壁や天井に貼られているだけ。一見無造作のようだけれど、その配置が独特の世界を構成していて、まるでギャラリーの小部屋が一つの作品のようにも感じられました。好きだな。
 遠藤志岐子の写真の中には流れがあります。季節が流れ、光が流れ、時間が流れ、水が流れ、想いが流れ、ひょっとすると写真そのもののすら流れているのかも。ふと、幸田文・著「隅田川」を思い出しました。それもそのはず。二人は共に人生の大半を川のそばで暮らすという共通点を持っているのです。ひたすら流れ続ける川。海とは違う刹那や潔さがあります。寄せては返したりしない。ただ、ただ流れるだけ。
 個展は17日までです。ぜひ、行ってください。そしてもし行かれたなら、ギャラリーが入ってるビルを楽しんでください。目まぐるしく移り変わる東京を生き抜いてきたアンティークなビルはまるでタイムマシン。廊下に佇むだけでトリップしますよ。そしてビューティフルなエレベーターは未だに手動!一度にひとつの階にしか連れてってくれません。もし他の階数の人と乗り合わせたら、先にボタンを押した人の道連れにされるのです。

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平日 16:00〜20:00
土日 12:00〜20:00
最終日のみ17:00まで
有楽町線 銀座1丁目駅・11番出口
銀座線  銀座駅・A13番出口 京橋駅・2番出口
JR有楽町駅・京橋出口
中央通りのメルサを右に見て、柳通りを右折。少し歩くと左角にドトール。左折してちょっと。

          

2008年02月16日

ご縁=relationship

2月16日
 
 和裁のお稽古に行くと、先生がステキなチョコレートをプレゼントしてくれました。扇、貝合わせ、毬といった形のチョコに雅な柄。食べるのがもったな〜い…と騒ぎつつ、パクパク、ペロリ。バレンタインの余韻と雛祭りへの期待が口の中でとけあってゆきます。ちょうど狭間のこの時期に、何となくぽっかりしていた気分に、楽しい色を塗ってくれました。先生、ありがとうございます!毎日はいつも、何かの日であって、そしていつも何かと何かの間にある。リレー。渡されるバトンは、つまり「ご縁」なんですね。

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 先生のお宅までの途中にあるお寺の門のところに「言葉」が書き出されています。今日はこんな言葉でした。
「ご縁あって生まれ、ご縁が切れて死ぬのです」 うわ〜。

 ご縁といえば、今日の嬉しいエピソード。チョコの誘惑に負けて忘我の境地に陥った私は完全にカロリーオーバー。したがって、今日は一駅手前で電車を降りて家まで少し歩くことにしました。家までの道のりはいつくか選択肢がありますが、何故かいつもはあまり通らないCパターンで帰ることにしました。
 すると、前からシンガーの楠瀬誠志郎さんが歩いてくるではありませんか!誠ちゃんとは昔5年ぐらい一緒に番組をやってたことがあります。でもその後、連絡先も分らず、すっかり疎遠になってしまいました。それがこのところ何故か、どうしてるだろ、ってしきりに思い出してたんです。いや〜、うれしかったな〜。
 もしあの駅で降りなかったら。駅で買い物をしてなかったら。あの道を選ばなかったら……。ご縁って不思議。
 お陰さまで、今日も良い一日を過ごすことが出来ました。感謝。

2008年02月18日

桃の花

2月18日

 子供のころ、大人になったら「大人」という生き物になるんだと思っていました。でも実際は違うみたいです。それは何というか、タンスの中に色とりどりのキモノが増えてゆくように、自分が増えるような気がします。着た切り雀だったのが、少しずつTPOや気分に合わせて自分の幅を楽しむことができるという具合。あぁ、大人って楽しい。あれほど「大人になんかなりたくない」と思っていたのがバカみたい。だって大人になったからって、子供でなくなるわけじゃないんだもの。
 夕べはイカしたライブに行って夢心地。年齢とか立場とか、いろんな面倒なものは全部脱ぎ捨てて、気持ちの真ん中の一番やわらかいところでドキドキ、ワクワクしました。その後は大好きな連中と美味しいご飯を食べて、春まだ浅い夜の寒さにハシャギました。ボンヤリ灯った裏路地の外灯の下、私たちは間違いなくガキんちょの笑顔だったはず。
 なんていうのか…。何かを感じる心があるかぎり、何かを受け止める気力があるるかぎり、時間さえも私たちをとらえることはできない。そして思いました。果てしなく自由だ、って。この時代には希望が無いと云う人もいます。けれど、希望も自由もただ転がっているのではなく、私たちが生みだし、育てるもの。
 春、種まきをしませう。それぞれの希望の花を咲かせるために。

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 おひな祭りはいくつになっても楽しい。わが家の桃はいつ咲くのかしら。毎日つぼみを眺めては、指折り開花を待ってます。
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2008年02月20日

夕暮れ

2月20日
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 生放送を終え、NHKを出て原宿方面へ歩きました。一日が沈んでゆく。リスナーの皆さんから頂いたメッセージを思い出し、それぞれの今日を想像してみる。それぞれの一日が夕陽に染められてゆく。ふと、私は私でなくなり、誰でもなくなり、「ここ」にいなくなる。壮大な叙事詩の一部となる。振り向くと、道の反対側には月が出ていた。夜に急かされるように、私は我に返り、次なる目的地に向って歩き出した。

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 満月よりも少し手前がいい。期待という価値がある。

2008年02月21日

The Rising by Heat Wave

2月21日

 昨日の放送でご紹介したヒートウェイヴのボックスセット「The Rising」についてお問い合わせを頂きました。私の言葉が誰かの新たなる興味のきっかけになるというのは本当に嬉しいことです。ありがとうございます。

 「The Rising」はDVD2枚、CD2枚と山口洋氏のダイアリー本がセットになっています。
 ライブ&ドキュメントの映像は単なる記録にとどまらず「たしかに在る時間」と「つかみどころのないパッション」をキャプチャーしていると思います。音楽好きだけでなく、映像や造形や、あらゆる表現に興味のある人に観ていただきたい。
 CDは「音」のみに、その身を削ぎ落とすことで、よりダイレクトに聞き手のイメージ・スイッチを点火します。そしてブックレットに綴られている言葉は、人間たるものがどれほど力強くなれるかを導きだしてくれる。
 
 今回のボックスとは直接関係ありませんが、私の好きなフレーズです。

   ロックンロールは土曜の夜だけのものじゃない
   間違っても日曜の朝のためのものでもない
   勝者をおだてるものでも 敗者の傷を癒すものでもなく
   ただこの毎日のためのサウンドトラック

         (ヒートウェイヴ《ミスターソングライター》からの抜粋)

ヒートウェイヴ・Official Website http://www.five-d.co.jp/heatwave/

*現在HPでは、《PRAYER ON THE HILL》をYouTubeで無料配信してます。

 

 

2008年02月22日

マドレーヌ

2月22日

 先日、散歩をしていたらマクロビオティックのお料理教室を見つけました。わざわざ習わずとも、本もいっぱい出てるし、今はネットでも調べられるし…と思わなくもありませんが…。でもなんとなく気になっています。
 友達にそのことを話したら「誰のために通うの?」ですって。ただ単に「おいしそうだな」とか「食生活ぐらい少しはちゃんとしたいな」とか、そんな発想だったので、少々意表をつかれた気がしました。でもたしかにお料理は食べてくれる人がいると俄然楽しくなりますね。相手がいれば上達もするでしょう。
 小3の時に初めてクッキーを焼いてからずっとお菓子作りが大好きです。そのわりには失敗ばかりだし、腕もたいして上がらずじまい。何故か?私は自分が食べたいと思ったときに、食べたいものしか作らなかった。理由はそこら辺にあるのかも…?

 届ける相手がいることの意味。受取人のいない郵便はなんて哀しい。地面の無い雨は底のぬけた柄杓。分かち合えない笑いは途方に暮れる。恋だって、もしたとえ一方通行だったとしても、想う相手がいるのは幸福ね。第一、リスナーのいないラジオは、そりゃ恐ろしすぎます!

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夕べの「きょうの料理」はマドレーヌでした。全然マクロビじゃないけど、むしょうに作りたくなっちゃった。
*キモノは綿の川越唐桟。帯は綿+ポリノジックのリバーシブル半幅です。

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使うハチミツの種類によって風味が変わります。いろんな材料が仲良しになると、美味しいものが出来ます。今回は「きはだ」の蜜を使って、さわやかな甘さの「和」に挑戦です。

2008年02月25日

春の嵐

2月23日

 ゴーゴーと空が吠えています。まるでドラゴンが上空で暴れているかのよう。春の嵐。この風は何をもたらし、何をさらってゆくのでしょう。

 今週末は家にこもって仕事に専念。書類や書き散らかしたメモを整理したり、資料を読んだり、あれこれ先送りにしてたことを一つずつ片付けてゆく。一つ終わるごとに、お腹の中から石コロが一つ消えてゆくような。リンパの流れがよくなるような。顔からニキビが減って行くというような。なんとも云えない気持ちよさを味わっています。こんなことなら、普段からやるべきことをサボらずにやればいいのに。わかっちゃいるのに。弱いなー、わたし。

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 近所でも梅が咲き始めました。ところが日当たりがよくないせいか、うちの梅はまだ固いつぼみのまま。剪定が悪かったのか、ただでさえつぼみの数が少なくて寂しいのに。なんだか、そこだけ寒〜い感じが漂っています。
 ならば、市松のウールのキモノには、染めしぼりの梅の帯でどうだ!季節を着る。まさにキモノの大きな楽しみですね。

 

2008年02月28日

ガールズ・パーティ

2月28日

 昨日(27日)NHKの生放送後、空腹を抱えたまま次の打ち合わせに。途中で何か食べようかとも思いましたが、お茶のお稽古に出席したかったのでグッと我慢の子であったのであります。と、と、と!神は我を見放しはしせなんだーっ!

 おひな祭りを前にお茶室はガールズ・パーティルームと化していました。床の間には可愛らしいお人形さんたち。そこには手作りの茶巾寿司や桜餅など、ごちそうも供えられています。お軸も、もちろんお内裏様&お雛様の仲良しカップル。そんなラブリーなしつらえの中でのお稽古。ルンルン♪疲れも癒されますね〜。
 そして。
「さ、さ。今日はこの辺にして、ご飯にしましょう」と、先生。
「ん? ご飯?」キョトンとしている私を尻目に、みんなはサッサと準備を始めました。うわー。ごちそうだ。

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 仕事とはいえ、私が遅刻している間にこんなステキな宴の準備が整えられていたのです。あぁ〜、空腹に負けずに駆けつけてよかった〜。神様、先生、そして準備のお手伝いをしてくださった同朋よ。
さんくす、心から。

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 先生と一緒にごちそうの準備をしてくださったSさん。お稽古を始められたのは、実は私よりずっと後…なのに。とても熱心にお勉強をなさっていて、もうすっかり先行く先輩です。
 羽子板、毬、ひょうたん、おもちゃなどの胸キュンなアイテムを散らした小紋のキモノがとてもお似合いです!無理矢理「鈴なり」に登場するのを承諾して頂きました。

2008年03月02日

結婚披露パーティ 〜つながってゆく

3月1日

 今日は幼なじみの結婚披露パーティがあり、光栄にも私は司会をやらせてもらいました。とても嬉しく、そして何だかくすぐったいような気持ちです。

 私にとってはステキな「お兄ちゃん」。子供のころよく一緒に遊びました。やがて就職した彼は毎晩深夜の帰宅。仕事で疲れているうえに生活のリズムも違い、ご近所なのにほとんど会う事もなくなりました。そのうちに家の引越など、いろいろな事情で連絡先も分らず、まったく疎遠になってしまいました。ところが3年ほど前、ひょんなことから再会したのです。うれしかったな。
 その彼のウェディング。一度は切れたと思っていたご縁が繋がり、さらには司会として多少なりとも役に立てたこと(つくづく、この仕事をしていて良かった)。すばらしい奥様をはじめ、会社のよき同僚の方々とも出会えて、「えにし」の不思議を思うばかりです。

 その昔、ヨーロッパでは野に咲く花をブーケにして女性にプロポースしたそうです。女性は花束から一輪とって相手の胸にさし、yesの返事としました。そこで今回は入場した新郎が会場の人たちからバラを一本ずつ受けとり、そのブーケでプロポーズするという趣向もあり、とても☆ロマンチック☆!会場は広いガーデンテラスのあるレストラン。屋内外をフルに利用してのステキなパーティで、新郎新婦のみならず、幹事や列席者の方々の愛をも感じられるものでした。
 

 新郎新婦はあちこち引っぱりダコで大忙し。なかなか一緒に記念撮影もできなかったので、ソロで一枚パチリ。
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  阿波藍ファンの皆様にはお馴染み、佐藤昭人氏のすくもを使った藍染めの訪問着。実はこのキモノを購入するときに佐藤氏ご本人に帯も一緒に見立てて頂いたのに、何故かこのセットでは着たことがありませんでした。それがようやく違和感なく着られるようになりました。もう背伸びをしなくてもいいぐらい、私も大人になったということですね。
 

2008年03月06日

ソレイロリア・ソレイユ

3月5日

 先日、友人から小さな鉢植えをもらった。ソレイロリア・ソレイユと書いてある。観葉植物というよりは、雑草の枠に入りそうな草。観葉植物も雑草も、どう位置づけようが、まったくもって人間の都合に過ぎないのだから、どちらにしてもバカバカしいのだけれど。小さな葉っぱが可愛らしい。
 部屋のどこに置くのがいいのか。しばらく迷い、あちこち移動してみた。やっと落ち着き場所が決まった2日目の今朝、ヤツは小さな体をめいっぱい伸ばして太陽を浴びているのに気付いた。たくましい。じつに力強い。いいね。キミのそういうガッツ、好きだよ。思わず声をかけた。ヤツにしてみればガッツも何もない。ただ当たり前に生きているのだろうから、そんなことに感じ入ってる私を「ぬるい」と思ったことだろう。
 ソレイユ=太陽。ヤツらは陽光を求め、そして自身も光となる。私の時間に灯る光。私の暗がりにさす光。その存在はとてもありがたい。私はしあわせでないことを不幸だとは思わない。しあわせに気付けないことが不幸だと思う。だからいつも願うのは光。どうか目の前のしあわせを見失いませんように、と。

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2008年03月10日

主婦と生活社『40代からもっと きれい』Vol.13

3月9日

 掲載誌『40代からもっと きれい』が発売になりました。

 一月のまだお正月の空気が漂うなか、岩井友見さんと撮影をご一緒させて頂きました。その様子は「鈴なり」1月10日にも書いています。日本舞踊・岩井流の家元でもいらっしゃる先生に、美しい所作や立ち居振る舞いを教えて頂きました。キモノに限らず、お洋服のときでも必ず役立つと思います。ぜひ、みなさんの毎日に「美」と「マナー」をプラスしてください。美しさは思いやりのカタチでもある、と思うようになりました。

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2008年03月13日

富田林〜 雛めぐり

3月13日

 9日、日曜日。ちょうど12時ごろに新大阪に着く。御堂筋線で天王寺まで行き、さらに近鉄線に乗り換え富田林に向う。新幹線の速度に慣れた目に、ローカル線からの景色は心地よく流れてゆく。春の麗らかな陽射しがじんわりと体を温めてくれる。ふっと眠りの国に吸い込まれそうなるが、頭の半分は見知らぬ土地を行くときめきと緊張で、ピリピリと覚醒している。実にハイボールなサンデーアフタヌーンである。

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 富田林に降り立つと、細い道を挟んだすぐ向こうに雛めぐりを開催している寺内町がある。コースマップを配るお嬢さんたちのキモノ姿にテンションも上昇。

dolls.jpg あちこちに惜しげも無く、雛人形が展示されている。

 本屋さんの店先でも… bookstore.jpg

origami.jpg これだって立派なおひなさま。
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 甘味処も店を開放。他にも普通の民家が車庫にイスをならべて喫茶店をやっていたり、町内全体が学園祭っぽいノリに包まれていて楽しい。しかも安い!キャベツ焼き=100円、オムライス=400円、とかね。

mice.jpg 年男、年女?

 なんかモダン…。 ceramic.jpg

 番組でも報告しましたが、なんといっても町のおおらかさが嬉しかった。ほとんどの家の玄関は開け放たれたまま、訪れる人たちをほがらかに迎え入れてくれる。こちらが恐縮するほど自由。まったくノーガード。明日のジョー。散歩してるだけでもノンビリと気持ち良かったのは、春の暖かな陽射しやキレイなお雛様だけでなく、きっと人を信頼しているという空気と、そして地域の結束やプライドなのかもしれない。
 東京に住む私には、その無防備さがくすぐったくもあり、また懐かしい。子供のころ、わが家も開けっ放しだったのが思い出された。ご近所さんが「いる〜?」なんて云っては、勝手に入ってきたものだった。

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2008年03月16日

てくのまつり@溝口

3月16日

 晴天に恵まれ、気温も上昇。すばらしく気分はいいけど、花粉も張り切ってるのが困ります。今シーズン一番のぐしゃぐしゃ日和です。そんな中、川崎市生活文化会館「てくのかわさき」にて「てくのまつり」が開催されました。  「てくのかわさき」は「て=手(芸)」「く=工(芸)」「の=(技)能」を表現しているそうです。そこに鎌倉彫も参加することになり、私の作品も展示して頂きました。

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私の作品も写ってます。さて、どれでしょう。ひひひ。

 文化祭よろしく、着付けの体験、チャリティバザー、料理教室による売店(豚足、美味しかった。コラーゲンたっぷりぜよ)、絵画転、陶芸の展示&即売など予想以上に盛況でした。いろんな方々が、いろんなアクティビティを楽しんでるのは好もしいですね。つい私はなんでも突き詰めてしまいがちです。やるからには遊びじゃねぇー、というか。遊ぶのも激マジ、というか。そんなワケで、「対象との関わり方」にはそれぞれの距離感があっていいんだということを改めて教えてもらったような心持ちです。別の言い方をすれば、純粋に何かを楽しむ喜びを見せてもらいました。

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 陶芸コーナーで買った器です。値段を見て、ゼロを一つ見落としてるかな…と思いました。なんと400円。ものの値段って妙なものですね。思い切りいい買い物ができて、イエーイ。さ、何を盛りつけませうかね。

2008年03月17日

白椿と白大島

3月17日

 去年はほとんど花をつけずに寂しい思いをしたけれど、今年の白椿は賑やかである。性格がいい加減なので、剪定や肥料の加減などは勘、或いは気分に頼りがちだ。植物にしてみれば、実に迷惑な話だろう。それでもしっかりとその美しさ、その生命力を惜しげもなく見せてくれると、ただただ心を深くするばかりである。

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 花の白さを眺めながら、何を着ようかと思いめぐらせてみる。凛とした紺色のキモノに、白地の塩瀬の染め帯でパチッとさすのもいい。あくまでも柄はすっきりとしたものに限る。反対にキモノを白くするのも潔い。そうだ、白大島にしよう。母が着ていたという大島。白地にうっすらと浮かぶ水色の絣は、まるで花びらにさす陰の深み。こんな具合に目は花を愛で、気持ちは箪笥の引き出しを開け閉めしてしまう。私にとっての贅沢かつ楽しい時間だ。
 ところで大島紬は花粉症の人にぜひオススメしたい。独特のすべりのよい風合いは花粉や黄砂を抱え込みにくいように思う。そしてせっかくキモノでおしゃれをするならマスク無しで歩きたいものだけれど、こればかりはどうにもこうにも…とほほ、なのである。
    

2008年03月23日

桜、開花とお召し

3月22日
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 ちょうど今年初めて桜の帯を締めた今日、東京では桜の開花が発表されました。濃紫の縮緬にたっぷりの桜が咲いた染め帯に、キモノは白地に黒の絣を配した白鷹お召しです。

 お召しといえば…。今日はなんだか心の中にも花が咲いたような、瑞々しい気持ちです。というのも、とてもステキなお話を聞くことができたからです。
 とあるお家で息子さんが急遽、結婚することになったそうです。「急遽」というのは、つまり結婚を早くしなければならない事態が発生したからです。そこで両家の初顔合わせとなる食事会が開かれることになりました。さぁ、困ったのは母親です。何を着ていけばいいものやら。あまりカジュアル過ぎてもいけないし、ドレスもどうか。ならばキモノか?それにしても相手方がどんな具合が分らないので、あまり華美なものも避けたがよかろう。そこで母親が選んだのは質の良い、上品な本塩沢でした。
 さて、着るものは決まったものの、やはり気持ちは重い。「おめでとうございます」と手放しに喜んでいいのか、それとも「この度は息子がとんだ失礼を」と謝るものなのか…どう切り出せばいいのかが分らない。しかし分らないまま、その時はやってきてしまった。
 すると思いがけず、先方の母親が気持ちよく場をリードしてくれて、両家仲よく式の段取りなどを決めることができました。ホッと安堵しながらも、どうしても気になり、別れ際に尋ねたそうです。
 「今日はどうご挨拶して良いのやら分らず、実はとても気重でした。それを快く計らっていただき感謝しています。それにしても、何故…?」
 「あなた様がお着物でいらしてくださったからです。お召しになっているものを拝見し、どれほど気を使ってくださったかが分りましたもの。これほどにお心遣いのある方なら、娘をお任せして大丈夫だと安心しました」
 この話を聞いたとき、私は深く胸を打たれました。母親同士の気配りのなんと行き届いたこと!息子さんのお母様も素晴らしいですが、その気持ちを瞬時に汲み取った相手方のお母様もまた立派ですね。
 キモノは単なる衣服だけでなく、また単なるファッションだけでもない。その人の内側を映し出す鏡。何を着るか、どう着るか…。奧の深さは果てがありません。

 

 

2008年03月24日

今日も桜

3月23日

 「季節を着る」というのはキモノの大きな楽しみの一つです。限られた期間だけのものだからこそ、その瞬間を大事にし、慈しむ。コストパフォーマンスが悪いと嫌がられることもありますが、私はつい「時季もの」を好んでしまうのです。この桜の帯もその一つ。いま締めなくて、いつ締める?!ってことで、2日連続で登場です。けれども、毎度同じような印象では飽きてしまうので、同じ帯でも全体の雰囲気は変わるように務めています。

 昨日は白地でしたが、今日のキモノは焦げ茶の地に細い赤い縞が入ったものです。焦げ茶 X 濃紫=重くなりがちなので、緑の帯揚げとサーモンピンクの帯締めで軽さを求めてはいますが、やはり全体には抑えめ。
 桜とのいろんな距離感を味わってみるのも面白いかと思います。今日のキモノと帯の取り合わせでいうならば…例えば、同じに電車に乗り合わせた相手だとして。先を争って席を奪い合うのではなく、あるいは隣に座っておしゃべりに花を咲かせるのでもない。いうなれば目があった瞬間、互いに軽く会釈をするような、そんな関係。…って、ちょっとわかりにくいでしょうか。

 この茶色のキモノは祖母が着ていたものです。裏をめくると、八掛けの裾ギリギリのところにリボンテープのようなものが縫い付けてあります。裾は一番擦れる場所。これもキモノを日常着として毎日着ていた時代の人たちの知恵なのでしょう。祖母が大事にこのキモノを着ていたのが窺えて、キモノと一緒に祖母の気持ちも受け継いだ気がしました。

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アナザー 桜

3月24日

 冷たい春雨がしっとりと咲いたばかりの桜を濡らします。雨よどうか花を散らさないで。いっそ、その冷たさでひとときの美しさを捕まえておくれよ。過る想いをつぶやいてみる。そうして始まった、今日…

 昨日、知人から桜のお香を頂いた。出たり入ったりの忙しない一日の終わりに香を焚いてみると、こんがらがって軋む神経がするするとほぐれてゆくのが分ります。香を焚くというのは匂いを楽しむだけでないんですね。火が点っている時間は特別なものになる…。なんでもなく流れてしまうかもしれない時間が、はっきりとした輪郭を持つ。いわばお香を焚くことで、時間をプレゼントされるのではないかと思うのです。

incense.jpg頂いたお香は、ラッピングのリボンの替わりにガラスの桜が添えてありました。よく見ると、それはお香立てにゴムを通したもの。気が利いてますよね!でもそのまま使ってしまうのがもったいない気がして、ゴムを帯締めにグルグル巻き付けてみました。ほら、かわいい帯留めみたい。箸置きにしてもよさそう。

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ちなみに写真の端に見えるのは昨日着ていた祖母の着物。近くで見るとこんなふうに赤とグレーの筋が入ってます。   

2008年03月28日

花盛り

3月28日
 
 昨日は北鎌倉の円覚寺へお墓参りに行きました。上には桜、下にはレンゲ、たんぽぽ、花だいこん…etc。桜も満開の一歩手前のちょうど見頃。それはそれは、顔が自然とほころんでしまうような素晴らしい春の一日でした。平日にも関わらず、かなりの人出。写真を撮る人、写生する人、お弁当を食べる人、おしゃべりに興じる人、我関せずの人。それぞれの春は、それぞれに仕合わせなんでしょう。人も植物も空も言葉も沈黙も石ころも風も、すべての有機物も無機物も、等しく存在していることを実感します。そんな瞬間が、私はとても好きです。あの世もこの世もない、そんな瞬間です。大きな全体があるだけです。

 花盛りといえば、うちの源平しだれ桃も絶賛開花中です!
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 ところで今週26日の放送で都々逸を紹介したんですが…。これがさっぱりウケませんでした。スタジオにいたスタッフにはチンプンカンプンだったみたい。がっくし。
 まず一つ。
     「君は吉野の千本桜。色香よけれど《き》が多い」
 言うまでもなく、「木」と「気」が掛詞になってますね。
 続いて。
     「梅も嫌いよ、桜もイヤよ。《もも》と《もも》の間がいい」
 これは「桃」と「腿」…むふっ、さりげなくエロですねー。

 

2008年03月29日

地球の時間〜EarthHour

今夜、午後20時から、世界中..."Earth Hour" (地球の時間)


"Earth Hour" (地球の時間)...聞いたことがありますか?
3月29日午後20時に、コペンハーゲン、トロント、シカゴ、シドニー、
シンガポール、テルアビブ、マニラなど世界の大都市のいくつ かで、何百万人
(一般の市民)と20万以上の企業、学校などが参加して、1時間すべての
電気を消す...日本のキャンドルナイトみたいな 「国際版」です。世界中の
政治家やエネルギー会社への強い「ストップ温暖化」メッセージ。

URL: Earth Hour → http://www.earthhour.org 
URL: (映像 YouTube)→ http://www.youtube.com/watch?v=9_c5K7Jdw9E

↑英語なので戸惑うかもしれませんが、内容は難しいものではありません。よかったらご覧になってください。
ほんの少しの間でも、みんなが電気を消すことで、削減されるCO2はかなりの量になります。

自分ひとりが頑張ったって、世の中は変わらない…
未だにそう思ってる人は少なくありません。
でもそれは全くの誤解です。
多勢は、いつだって一人から始まるのです。
自分をみくびらないで下さい。
あなたの力を信じてください。

また必ずしもこのイベントに参加できなかったとしても、チャンスは毎日あります。
毎日が「地球の時間」です。

2008年03月31日

Blue Blossom

3月31日
 
 寂しがりやのくせに、ひとりの時間が好き。我ながら厄介な性分に手を焼いてしまう。ほっといてもらいたいのに、いつだって世界中に愛されたいと願っているのだから。
 週末は花見の宴ラッシュだったようです。私もいくつかお誘いを受けましたが、よほどの親しさに手を引っ張ってもらわないと、なかなか飛び込めずのモジモジです。どのみち仕事で手一杯だったので諦めもつきましたけれど…。ただそれでも夜気に冷える花を見上げていると、底なしのやるせなさに飲み込まれてしまいます。夕べはそんな夜でした。きっと冷たい雨のせいもあったのでしょう。

 いつだって世界中に愛されたいと願うのは、実は上っ面のこと。もしも世界にたった一人でも丸ごと分り合える人がいたら、この底なしの、やるせもない思いは鎮まるのでしょうか。こんなとき、わずか一行のメールに救われたりするものなんですよね……。

   たよりなく 雨に打たるる 桜かな

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これが私のプチ花見。左端のモチッとしたのは小さい桜餅。時計回りに桜ソフトクリーム、桜わらびもち、桜餡。うぐいす豆やインゲン豆など、まめまめトッピング。横から見れば、このとおり。抹茶ソフト、プレーンわらびもち、黒蜜…もう全ての欲を満たしてくれています!
結局のところ、欲張りなんですわ。ふー。

2008年04月05日

春の夜のつどい

4月5日

 いい仲間が集まるのに理由はいらない。夕べは宮崎料理を囲んでの夕食会。異なる業種の連中が集まり、それぞれの近況を話せば、それこそが乾杯の理由になるのだから。転職した人、独立した人、病気から立ち直った人、変わらず頑張ってる人、何かにチャレンジする人。皆が等しく主人公なのであります。

 長くブラジルに勤務していた人が云いました。
「日本は四季があるからいいと云うけれど、四季がないのも良いものだよ」
 曰く、四季に追われなければ着るものも少なくてすむし、体調も安定するし、何かにつけて生活がシンプルになって楽であると。なるほど。そうかもしれない。ふむふむ。話に引き込まれながら、それでも私の心は四季を見迎え、見送る喜びをなぞっていました。
 そんな四季への喜びは、ひょっとするとモノが豊な国に暮らす人間の贅沢かもしれない。それとも心が貧しい時代に生まれた人間のささやかなる拠り所とも受けとれる。日本でしか暮らしたことがない私にはわからない。ただ単純に好きなんです。夕べはそんな会話を交わしながら、日々に埋没してしまいそうな季節への想いを、いまいちど両手ですくいあげられたような気がします。

 いろんな人がいて、いろんな想いがあって、それらを投げかけ合いながら新しい景色を描いてゆく。自然界がそうであるように、心模様もまた多種多様なハートビートによって豊かさを増してゆくのでしょう。交歓。

 たらふく食べて、パンパンになったお腹をもてあまし、遠回りの散歩をしながら家路につきました。心地よい夜の湿り気は、肌が見つけた春でした。

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 バー『ブナの木》のママです…なーんちゃって。宮崎料理店にて。冷や汁がおいしかったです。

2008年04月07日

遊び心

4月7日
 

 夕べは新月。月明りに邪魔されることもなく、春の湿りにモヤモヤした星がまたたいていました。のんびりと夜の散歩がとても気持ちよかったです。闇の中に顔を出したばかりの新芽たちが浮かび上がり、しなしなと柔らかな体で懸命に呼吸しているのが聞き取れるようでした。東京は桜もだいぶ葉っぱが目立ってきました。これからどんどん街は緑に染まってゆくのですね。

 さて、こんな手拭いを頂きました!
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 パッと見は、大胆な縞模様が粋だわね…と思うだけでしょう。でも、白い部分との境目のところで斜めに折ってみると……

 あら、不思議! まるで袴(はかま)をつけたみたい!
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 ピクニックはもちろん、いつものお弁当も公園のベンチで頂いたりするのが楽しい季節到来。ひざかけに、こんな手拭いを使うのも面白いと思いません?きっと会話もはずんで、お弁当タイムがさらに美味しくなるでしょう。

 *手拭いは、渋谷の道玄坂上にある、玉川屋さんのご提供です。

2008年04月09日

雨上がりの桜湯

4月9日

 冷たい風雨もおさまり、今日の東京は雲はあるものの、うっすらと陽がさしています。

 昨日、京都帰りの友人から桜湯を頂きました。

     わが宿にちもとの桜花さかば
       うえおく人の身もさかへなむ

 これは祇園の神の神詠で、神苑に多くの桜が咲けば、それを植えた人の身も栄えるという託宣歌である、との説明が添えてありました。

 お湯を沸かし、気に入りの茶碗で頂きました、やわらかな香りが立ちのぼり、無彩色だった気持ちに、ほんのり赤みがさしてくるようでした。

 仕事のトラブル、人間関係、将来への不安、過去への後悔、すれちがい…
いろいろな嵐が吹き荒れることもあるけれど、やがて穏やかな陽射しがきっと抱きしめてくれる。そんな瞬間を願いつつ、花のいのちをゆっくり飲みほしました。

 街には緑が芽吹きはじめています。じきに風薫る季節がやってきます。

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2008年04月17日

アースデイ東京2008 〜お知らせ

4月19日・20日、アースデイ東京2008が開催されます。

 19日(土)14:30〜15:15、私もグリーントークステージに参加します!
そらべあがつなげる笑顔の輪「そらべあスマイルプロジェクト」について、お話をしていきます。キュートなそらべあちゃんに会えるチャンス。そして音楽や朗読なども予定しています。
 楽しい時間を過ごしながら、環境のこと、暮らしのことなどを改めて見直すきっかけになればと思っています。2日間にわたり、ステキなプログラム満載です。お一人様でフラッと立寄るもよし。お友達とワイワイもよし。ご家族で楽しむもよし。 ぜひ、みなさんお誘いあわせのうえ遊びに来てください♪


 今朝、牡丹が咲きました。毎年「え、もう?」と驚いているような気がします。美しい花に早く会えるのは嬉しいけれど、時季が少しずれているのも気のせいばかりじゃないのかも。これも温暖化と関係あるのかしらん。そして牡丹よりも気の早いのがガーディニア…クチナシも咲いちゃってます。。。    botan.jpg

 

 
 

2008年04月19日

そらべあと対面♪ アースデイ東京

4月19日
 
 天気予報では間違いなく雨でした。どうみても《傘》マーク。なので朝、障子の向こうがうっすら明るいのを見てどんなに喜んだことか!風の肌寒い一日で、時おり雨もパラつきましたが、なんとかズブ濡れの哀しい事態だけは避けられました。願いは通じるものなんだな〜って、うれしかったです。

 そう。今日はアースデイのイベントでした。会場は沢山の人たちで賑わい、どのブースからも熱気が溢れていました。植物、食物、衣類、石鹸、音楽、装飾品…本当にいろんな出し物があって、キョロキョロしっぱなしの一日。とても楽しかったです。

 わたしが参加したのは「そらべあ スマイルプロジェクト」のことを知ってもらうためのトークショー。ふむふむ、と熱心に耳を傾けてくださる大人たちの横で、キッズたちは「そらべあ」に夢中!そりゃ、無理もありませんよね。私だってメロメロになりましたもの♪しかも、この「そらべあ」。ちゃんとオーガニックコットンなんです。だからスリスリしても気持ちいいの〜。うふん。

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そらべあ+ブナ。ブナが着用してるワンピは友人Mさんから頂きました。これを着るのはアナタしかいない、と…。
ちなみにこんな柄です。唐子はキモノにもよく登場しますね。karako.jpg


 夕方、すっかり空腹と冷えでブルブル。ふと、豆を扱っている売店を見ると、何やら美味しそうなものが…!バタバタ焼き?煮豆を澱粉でのばしたものを鉄板で焼いてるそうです。頂いてみると、もちもち。くにゅくにゅ。あつあつ。カリカリ。こんな食感が一度に私を襲う〜。そしてほんのり塩味が豆の甘さを引き立てている。うわー。たまらなん〜。
あれ?冷えた体が暖まったぞ。すごい、豆パワーだ!

アースデイ東京2008は明日も開催します。ぜひ、遊びに行ってください。

2008年04月20日

当たり前

4月20日

 私道をはさんだ向いには、気のいいオバさまが一人で暮らしています。家の出入りに顔を見れば二言三言交わしたり、たまにはお裾分けをしあったり、程よい距離感のお付き合いをしています。
 昨日は不安定なお天気。夕方、雨の音に気づいて外を見やると、向いのベランダの物干竿にシーツがはためいていました。これは大変。急いで下駄をつっかけて、雨を知らせに走りました。
 今朝のこと。呼び鈴に気づいて出てみると、お向かいさんでした。

「昨日はありがとう。本当に助かったわ。これ良かったら…」
 
 差し出された箱を開けると中には大判ハンカチとポーチのセット。たかが雨を知らせたぐらいで申し訳ない。私が困っていると

「ずっと使わずに持ってたんだけど、私にはもう赤すぎるからね」と微笑んでいる。

 遠慮で引っ込んだ手が、自然にのびる。「私にはもう赤すぎる」という一言は彼女の思いやりに他ならない。有り難く受けとりました。

 時間にすれば、ほんの数分の出来事ですが、とても気持ちのよい時間でした。振り返れば当たり前のことばかり。挨拶をするとか、雨を知らせるとか、お礼をするとか、互いを気にかけるとか。しかし考えてみれば、人の道とは、当たり前の往来なのかも……そんな小さなことが人間を結んでゆくのでしょう。次にクッキーを焼くときは、彼女のために多めにこしらえなくちゃ!

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可愛らしさの中にピリっと光る粋。さすが「いせ辰」のもんだね。

2008年05月02日

NHK特番のお知らせ + 端午の節句

5月1日

 いい陽気になりましたね。GW、いかがお過ごしでしょうか。あれこれ予定はあると思いますが、5月3日はぜひラジオのスイッチをONにしてください。

 5月3日(土・祝)朝7:15〜深夜1:00 
     NHK FM特番「DJサミット三昧」を放送!!!

 守乃ブナは13時ごろから1時間ほど、杏子さん、関谷元子さんと一緒に出演する予定です。
 お楽しみに♪


 さて、キモノのオシャレは季節感ととても仲良し。それだけに「期間限定」のアイテムを最大限に活用したいですね。いまごろなら「端午の節句」の帯も出番多し。しかし「またそれ?」みたいな印象にはなりたくありません。同じ帯でも、長着や小物で雰囲気を変えながら、常に新鮮なよろこびを味わいたいものです。

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 先日(4/25)、暖色をベースにしたロウケツ染めのよろけ縞のキモノに締めた帯。それを今日は黒地に飛び柄の小紋とコーディネートしました。キモノの柄は瓢箪(ひょうたん)。かの秀吉が好み、馬印にもなっていました。
「濃+濃」の組み合わせなので、明るい黄色の帯揚げでアクセントをつけています。

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武将の馬印というには、この瓢箪はちょっと可愛すぎるかしら? 
まぁ、縁起物ってことで…。


           

2008年05月05日

遠足日記@川越

5月4日
 
 世間のカレンダーとはあまり連動していない我々ですが、せっかくのGW、仕事の目処も少したったのでニットアーティストの笠間綾さんと川越散策に行ってきました。amamfwawaでお世話になっている呉服笠間さんへ表敬訪問を兼ねての遠足です。

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 本川越駅を後に、お神楽の音色に誘われるままに歩くと銭洗い弁天が。さっそく今日のおこづかい分をザブザブ。

tako.jpg境内をブラブラしてると……何?

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 職人さんが見事な筆さばきで、どんどん制作していきます。和凧の展示即売です。


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 きゃっ、かわいい♪ 1コ150円のところ、着物を着てる人には15円おまけしてくれました。早くも銭洗い弁天のご利益か!熱々で頂きます。少しかために焚いたお赤飯の絶妙な塩加減がたまりません。

 もう町中が縁日みたい。焼き団子に食いついたり、ちょっと歩くとすぐ美味しそうなものに引っかかってばかり。歩きながら食べてんだか、食べながら歩いてんだか…そしていつしか「菓子屋横町」へ。

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 思わず口をついて出た言葉は「やばー」。お菓子好きのパラダイス!大人も子供も顔を輝かせています。私たち、どれだけお菓子が好きなんだ?!
    
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 あれ?すれ違う人たちが皆、手にお煎餅とキュウリを持ってます。
うわー、浅漬けキュウリの串刺しまで売ってる!お煎餅と一緒に食べるのが流行ってるらしいぞ。

 こんなに買い食いしまくりでも、お昼ご飯は別。川越に来たからには「九里四里うまい、十三里」。お芋さんを頂かなくては…。呉服笠間さんのご主人オススメのエプロン亭にて「芋づくし」と行きましょう!

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 いも甘露 梅肉のせ、いも茎のしぐれ煮、ごぼう梅たたき、いもカツ、いも焼そばのキノコあんかけ(お芋の極細千切りを素揚げして、そば状にした)、ゆり根まんじゅう 芋あん ゆず風味、なすのサラダ、ご飯、汁、香の物。

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 食後にはコーヒーと紫いもアイスもついて、ぱーぺき。

                    そして遠足はまだ始まったばかり… つづく。

2008年05月06日

遠足日記@川越〜つづき

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大工さんの看板です。思わず何か頼みたくなっちゃう。

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 歴史の漂う店構え。こちらの刃物屋さんでは料理包丁から日本刀まで扱っていました。「道具」って、なぜか見てるだけでワクワクします。

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 遠足の目的の一つでもあったのが、5/11まで川越市立博物館で開催中の「明治・大正の暮らし〜ハイカラ家庭すごろく」。当時流行っていた双六をベースにハイカラな「家庭の一日」を探訪する展覧会です。
 そもそもハイカラとは、洋行帰りの人が着ていた襟の高いシャツ「high collar」に由来してるとか。展示の始めはもちろん「すごろく」。

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 この双六は、乳児にはじまり、嫁入りで上がりとなるものです。当時の価値観が覗きます。それにしても「時間を決めて乳を飲ませる」という振り出し…イケてる。

 朝は歯磨きから。現在の「ライオン」が明治29年に歯磨き粉を発売。「ライオンなら牙も丈夫だし、うってつけの商標登録」ということだそうです。

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 ハイカラ家庭では音楽観賞も。日本蓄音機商会のトレードマークは大仏様。大仏も思わず身を乗り出して耳を傾けてしまうのです!

 他にも興味深いものがいっぱい。充実の展覧会です。ところで、なぜ展示品の写真を載せられるのか…? 実はあまりに熱心に見学していたら、係の方が「撮影許可証」を出してくださったのです。説明も親切丁寧だし、みなさん感じの良い方ばかり。展示品の充実だけでなく、その場が丸ごとステキでした。

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 中庭に水琴窟を発見!水を流すと、地中に埋め込まれた瓶に水音が反響して、なんとも云えない涼しげな音色が聞こえてきます。エアコンに頼らずとも、耳からの涼。エコですね。
どういう仕組みかというと…

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こうなってます。わかりますか?

 最後の買い物は「醤油羊羹」。普通の羊羹よりもコクがあって、最後にお醤油の香りがフワリと鼻に抜けていくのがイイ。かなり後引き系。

 充実の一日を過ごし、本川越の駅に向う途中「あっ!」。大きな赤飯まんじゅうのぬいぐるみ。行きには目に入らなかったのにな…。そしてまた美味しさを反芻するのでした。あれこれ食しましたが、これが一番のヒットかも。赤飯まんじゅうに始まり、赤飯まんじゅうに終わった遠足@川越でした。
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2008年05月16日

成るには…? 

5月15日
  
 何年か前に、デパートの「島根物産展」にて牡丹の苗木を買ったことがあります。その牡丹は毎年、見事な大輪の花を咲かせています。今年もきれいだった!

 その牡丹は、芍薬に接ぎ木したものらしく、脇っちょから芽が出てきました。すぐにかき取りましたが、そのまま処分するのが忍びなく、植木鉢に植えてみました。植木屋さんに相談したら「それは無理」とのことでしたが、それでも毎年とりあえず、芍薬の葉っぱだけは見ることができるので、そのまま面倒みていたところ…ついに!やりました!何年越しかの夢が実現。芍薬が咲いたのです。しかも2輪!うれしーなー。諦めなくてよかった。

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 ところで12日の月曜日、一足早く「ナルニア国物語」を観てきました。いやー、スゴイ!CGも見事だけど、やはりストーリーや描き方や…いいえ、もうそんな理屈っぽいことはいいんです。ただ物語に身を委ねてワクワク、ドキドキ、ジーン。そしてもちろん笑いも!皆さん、どうぞ公開を楽しみにしていてください。

 愛と勇気と絆と希望。物語はファンタジーの世界かもしれません。けれど、それは決して想像だけのものではなく、現実に胸の中にあるものなんですよね。
私たちがそれらを諦めないかぎり、それは夢物語じゃないって思って、とても力強い気分になりました。

 
 

2008年05月20日

出雲大社・大遷宮…そして

5月18日

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 出雲大社、平成の大遷宮にあたり、なんと私もありがたいことに特別拝観のご縁に恵まれました。
 外から見上げるだけでもクラクラするような感激なのに、中は一体どうなっているのか。期待のしようもないほどの想いで出かけました。「2時間待ちなんて当たり前」「4時間以上は覚悟」「折りたたみのイスを持っていけ」「本や飲み物は必需品」…などと、いろいろ聞かされていたので相当の覚悟をしていたのですが、早く行った甲斐あり、並んだのは2〜30分というウルトラCでした。

 神様に失礼のないようにと、係の方々が拝観者たちの服装を見回るなか、同時に私たちも心を整えて順番を待ち、そしていよいよご本殿へ。大きな階段をよじ登るようにして上がると、周りの樹々の青さがグッと近づいて、そこに宿るものの息吹が全身を駆け抜けていきました。電流が走るとは、こういうことなのでしょうか。そとの廊下をぐるりと回ってから内部を拝見します。天井には「八雲」。1744年に御造営というから、今から264年前です。描かれた雲の絵は鮮やかな五色の顔料がまぶしく今に生きています。す、すごい。すごすぎるー。

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 無事に拝観を済ませて表に出ると、本殿の周りをぐるりと囲むように長い行列ができていました。時間を追うごとに列は長くなってゆきます。ほんの数分の違いが天国と地獄の分かれ道だったんですね。ふー。我が身の幸運に感謝。

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 島根とくれば美保関はマストな大好きな場所。美保神社(写真・左)にお参りしてから、石畳の風情ある小径(写真・右)をぬけたところにある「太鼓醤油店」に寄ります。お目当ては「五本松しょうゆ」と「みほ太鼓」。五本松はおさしみ用。みほ太鼓はコクのある甘露醤油。何を作ろうかなー。お料理の楽しみが広がります。

 心の故郷みたいに親しみと懐かしさを覚えるのが十六島(うっぷるい)。海苔で有名なこの漁港は穏やかな空気に包まれていて、海がトロリとしているんです。青さに照りがあるというんでしょうか。質のいい墨をすったときのような質感…かな。あぁ、つくづく海はいいなー。スーハー、どんなに吸い込んでも足りない。いついつまでも嗅いでいたい潮の香り。もうひとつ、スーハー。

uppurui.jpg  …そして、まだつづく。


                        

出雲の続き… &岡山

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 特に神社巡りを目的としてるのではないけれど、興味を辿ると、つい行き着いてしまうのです。ここは佐太神社。すこーん、とした佇まい。あっけらかんとも云うべきか。写真の右の(見えますか?)狛犬さんも、よく見るずんぐりタイプではなく、ヒョロっとひと味違います。どこにもウェットなところがなく、実にサッパリしてるのがいい。

 神社の前の小さなお土産屋さんで「すましぜんざい」なるものを頂きました。おすましの中に餡入りのお餅と海苔。箸休めにお漬け物もついてます。
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 なんでもここ佐太神社は「ぜんざい」発祥の場所だとか。10月を、神様が不在になることから神無月と呼びますが、反対に出雲では全国の神様サミットが行われるため「神在月」といいます。そのお祭りにて赤豆を煮て、汁を作り、お餅を入れ、それを「神在餅」と云うそうです。佐太神社で作られる「神在餅」がぜんざいの起源なんですって。

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 だいぶ陽が傾いてきた日御碕。斜陽のなかに、わずかな夏の息づかいな感じられるようになりました。巡る季節に出会える仕合わせは何にも代え難いです。

 そもそも出雲大社特別拝観が叶ったのも、岡山に用事があったからなのです。駆け足でしたが、今回はチラッとだけ岡山・勝山を歩くことが出来ました。ここは町並み保存地区で、中でも美しかったのは暖簾(のれん)の数々。お店はもちろん、民家らしき軒先にも暖簾が下がっています。それぞれに趣きのある意匠を染めています。時間が止まったような静かな通りに、やわらかな風が吹き抜けると、つい今しがたまでセピアだった町並みに、フワリと色が浮かび上がります。
 岡山の地は何度か踏んでいるものの、なかなか味わうまでに至らないので、次回はゆっくり堪能したいです。

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2008年05月24日

大人の和生活〜 お知らせ

5月23日

 主婦と生活社から「大人の和生活」Vol. 6が発売中。
今号では手持ちの着物類をどう分類・整理するか、などの記事を掲載。その中で私、守乃ブナの着物&帯アルバムも(ほんのちょこっとだけ!)紹介されてます。
よかったら見てください。もちろん、それ以外にもステキな記事満載です!

 恵比寿をブラッと歩いていたら、スペイン料理屋さんの前に食器が並べてありました。開店10周年記念のセールだそうです。色使いや柄の配置が気に入って、ボウルを2つ購入しました。
 コーンフレークやヨーグルトなんかに良いかも…と思ったのですが、いざ使ってみると、これがなかなか「和」のお料理も引き立ててくれるスグレモノ! タケノコのわかめ煮、ふろふき大根(暑ついときは、冷やしてもグゥ〜)、里芋とタコの煮ころがし…etc.。

 お料理が着物だとすると、器は帯と云ったところでしょうか。着物を活かすも殺すも帯次第。そしてお料理もまたしかり。
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2008年05月25日

キモノ・スクランブル

5月25日
 
 まるで梅雨の只中のような蒸し暑い一日。風薫るさわやかな5月の心地よさをもう少し味わいたのですが… ふー。

 着付けのお稽古の後、生徒のKちゃんと坂の途中で信号待ちをしているときのこと。坂の下から結婚式帰りとおぼしきご夫妻があがってきました。ご主人は上着を手に持ち、奥様は黒留袖で汗を拭き々々、ごくろうさまです。すると坂の上から和装の男性が颯爽と歩いてきました。ドッシリと重たい袷(あわせ=裏地のついた冬もの)の黒留とは対照的に、男性は麻の着物で軽やかなことといったら…!

 本来、10月〜5月は袷の時季。麻は7.8月の盛夏の着物。その2種類が目の前ですれ違うさまを見て、Kちゃんはキョトンとしていました。着物ルールブックに忠実な方は混乱するかもしれませんね。でも、この場合はどちらも正解だと思います。
 
 正装の場合は基本ルールを守る。カジュアルな普段着やオシャレ着はTPOを優先。
 今日のような暑さなら、無理にルールを守るよりも、軽やかに麻を着ている方が周囲にも気持ちいいものですね! 結婚式に出られたご夫妻のようにフォーマルな場では仕方ありませんが、その日の様子と相談しながら自由にキモノを楽しみたいものです。
 ちなみにその直後、木綿の単衣のキモノに半幅帯を締めた女性とすれ違いました。季節のスクランブル交差点。キモノもとりどり、個性が表れます♪

 私はというと、単衣のキモノを製作中なんですが、これがまた大幅に遅れてます(焦っ!)。もう6月はすぐそこ。なのに、ようやく前身頃を縫っているありさま。袖もついてないので、超ロングベスト(?!)状態ぜよ。

これじゃ間に合わないこと確定じゃないのぉぉぉおお〜〜〜。
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2008年05月30日

雨とカエルと甘い花

5月29日

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 予報どおり雨の肌寒い一日。今日の番組収録は夕方から。それまで外出はやめにして、家でたまっている仕事を片付けることにする。部屋を閉め切っていると空気が動かず、だんだん気分がどんよりしてきた。それで私は玄関先に咲いているくちなしの花を摘んで、気に入りの一輪挿しに活けてみた。雨に洗われた花が、部屋をやさしい香りで満たしゆく。甘い。今日はいつもより少しだけ時間の流れがゆるやかなようで、悪くないな。

 新茶を味わいながら窓を伝う雨を眺めていたら、ちょっと刺繍がしたくなったので、先日友人からプレゼントされた朝顔柄のハンカチを思い出した。雨のせいかな。選んだモチーフはカエル。あまり上手じゃないけど、ワンポイント入れて、世界でたった一枚のハンカチになりました。ゲコ。
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2008年06月01日

お茶会@護国寺

6月1日
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 音羽護国寺にて、東京都華道茶道連盟・主催でひらかれた「都民の茶会」に参加してきました。爽やかな晴天に恵まれ、とても贅沢な時間を過ごせたのは本当にありがたいことです。
 「表千家」「裏千家」「江戸千家」「有楽流」「煎茶道松嶺庵花月流」がそれぞれに席を設け、客たちは好きなところに呼ばれます。時間の限りもあるので、計8席のうち3席入れれば御の字。それがなんというミラクル!うまい具合にポンポン進んで、4席も堪能できました。

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 美味しいお茶とお菓子を味わい、みなさんの美しい着物姿を愛で、時の流れを少しゆるめて一期一会を喜ぶ。なんと贅沢なことか。そして何よりの喜びは「このひとときを最高のものにしよう」という皆さんの気持ちに触れることです。お茶碗、お茶入れ、お茶杓、掛け物、花… 道具の一つひとつにも、その気持ちが込められています。しかし、ただボンヤリしていては、そんな心遣いを全て理解できるものではありません。もてなされる側にも、それなりの素養は必要です。それは単なる知識だけでなく「分かち合い」「寄り添う」努力ではないかと思います。私ももっと精進せねば。日々、勉強。

 今の生活は何かにつけ「してもらう」ことに慣れきっている気がします。特にお金が介在した場合「払ってるんだから当たり前」といった姿勢が哀しい。モンスターペアレンツと呼ばれる人たちはいい例かもしれませんし、タクシーや、ちょっとした買い物でもそういう場面を見かけます。どちらが優位なのかを誇示するよりも、異なる立場から「同じ案件」に関わる者同士と捉えたら、日々はもっと潤滑でハッピーになりそうなのに。

 ところで、茶道というと、なんだか堅苦しいと思う方も多いかもしれません。実はそうでもないんですよ。席主が道具の説明をしているときのこと。

「この茶入れは竹の節を使って出来ているんです。なのでお茶杓(ちゃしゃく=お茶をすくうスプーン状のもの。通常は竹製のものがほとんど)はあえて竹ではなく、松を使っています。竹…松…。 では、梅はどこかというと… さきほど皆様に召し上がっていただいたお菓子が《うめぇ〜》ということで、いかがでございましょう。わっはっは」

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私は思わず「お菓子より《うめぇ〜》話だ」と膝を叩いてしまいました。↑これが竹の節のお茶入れです。

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 護国寺内・月光殿にて。じきに建替えが始まるそうです。どの程度復元されるのなどは不明とのこと。壊される前に来られて良かった。壁一面に水墨画が描かれています。
 今日は加賀友禅の単衣。鳥の子色が気に入っています。帯は二重紗。完全な夏帯に移行するまでの時季に重宝します。

2008年06月08日

おかきに寄せて

6月8日
 
 ナレーション録りのスタジオではお菓子などが準備されていることがよくあります。長い時間、せまいスタジオに缶詰になっていると、ついモグモグしたくなっちゃうんですよね。まぁ、食いしん坊の私の場合は缶詰になってなくても、モグモグしてますけど…。いずれにせよ、期待しないフリしながら、心のどこかでは「今日も何かあるかな〜」なんてちょっぴり楽しみだったりして。うふふ。

 先日のヒットはコレ。おかき。美味は云うに及ばず、よく見るとパッケージに余分なカケラが入ってるのがありました。想像するに、長く伸したお餅をオートメーションで裁断してゆく過程で、何かのズレが生じて均衡が破れたのではないか…。「おまけ付き」を取った人はラッキー。でもきっとどこかに、規格よりも小さいおかきの人もいるのでしょうね。

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 運、不運。損得。勝ち負け。善悪。被害者、加害者。有罪、無罪。貧富。優劣、表裏。。。
 
 これらを分けるのは、一体何なのでしょうか。
 不確かな境界線の上を、フラフラとおぼつかない足取りで、私たちは歩いているような気がします。そしてささやかな安心のために、境界線をハッキリさせたいと躍起になったりして。
 境界線をハッキリさせればさせるほど、それらは「一体」となるパラドックス。そんなパラドックスから、そろそろ己を解放してもいいんじゃないかと思い、また一つおかきに手を出すのでした。
 まずは I SHALL BE RELEASED from 間食だわね。

 

2008年06月10日

足元を見る

6月9日 

 午前中から薄暗く、時間の感覚が曖昧な、実に梅雨らしい一日。蒸し暑いような、肌寒いような、皮膚感覚すらも曖昧で、まるで『今日』という水槽の中にゆらいでいる水草にでもなったみたい。ゆらゆら。ふわふわ。このカンジ、けっこう嫌いじゃない。

 お昼を少し回ったころ、空がたまりかねたように雨を放った。皆が傘をさしたり、慌てて駆け出したりするなか、濡れることなど気にもとめないふうで立っている人がいた。歳のころは30代後半だろうか。入り組んだ柄のシャツに履き古したブーツカットのジーンズ。足には、これまたイイ具合に熟れた下駄。太く黒い鼻緒が、女物にはない力強い安定感を示していた。サングラスの下の瞳は何を見ていたのだろう。おそらく遠く…この街ではない、どこか。それにしてもカッコイイ男だったな。

 雨はいよいよ本降りになった。大通りを逸れて路地に入ると、初老の女性が歩いてきた。何とも品の良い着物姿。薄紫の紗合わせが彼女のセンスを物語っている。紗合わせ(しゃあわせ)とは生地の上に紗(うすい透け感のある布)を重ね合わせて仕立てたもので、下になっている生地の模様が透けて見えるため、独特の繊細なエレガンスがある。特殊なだけに、とても贅沢な着物である。なのに雨コートもなしにスッと傘をさしたもう一方の手で着物の裾を持ち上げているだけ。下着の襦袢と足首が覗いている。本来ならば下品に成りかねないのに、その仕草は艶かしくもあり、また初々しくもあった。

『足下を見る』と云うけれど、今日は魅力的な足元に釘付けの日だった。下駄の男性も、着物をたくしあげた女性も、それぞれのスタイルが足に出ていた。自分の世界にしっかりと立ち、そして歩いてきた足。残念ながら二人の顔は思い出せないが、あの足元だけは鮮明に焼き付いている。

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もっと絵が上手だったよかったのにな〜…

2008年06月12日

雨降りにくず餅

6月12日  

 お腹が好いてるときの食品売り場は危険エリア。近道をするつもりで駅ビルの中を抜けたら、うっかり引っかかってしまいました。期間限定で各地のお店が出店するコーナーがあるんですが「今週は何かな〜」なんて横目でチラリと見たのが間違いでした。
 ショーケースの中にはキラキラしたものが…んん? 黒豆くず餅? くず餅といえば、私にとっては灰色がかった透明感の無い、マットなこんにゃくというか、質感のある胡麻豆腐というか、ゲゲゲの鬼太郎に出て来る「ぬりかべ」というか…とにかく四角いのが箱にギシッと入ってて、それを三角に切り分けて、黒蜜ときな粉で食すっつー、アレですよ。目の前にあるのは「くず桜」にも似たような、アンコが入ってない分どこまでも透明で、プルンと抱きしめたいほどカワイイもの。一目惚れです。
 さっそく帰宅するなりお茶をいれました。そして黒豆くず餅ちゃんをお皿に出して…うっとり。それにしてもくず餅というネーミングはどうなの? お餅よりもずっとしなやかで、繊細で、エレガントなのに…。では、いただきます。

 おわっ?? くにゅくにゅ。もちもち。ぷりぷり。むほっ。

 おのれ〜!これがキサマの正体か!私はすっかり見た目に騙されてました。こやつ、なかなかの強者。伊達に「餅」を名乗ってません。ものすごい食べごたえです。弾力、ねばり、コシ、それでいてツルンとした無邪気さ。情に厚いのか、素っ気ないのか。純真なのか狡猾なのか。まるで手に負えない小悪魔め!

 ベランダの草花を濡らす雨とくず餅の透明感が溶け合ってゆく… 
 はぁ〜。緑がきれいだな。

 なんだろう、この安堵感は。空も、植物も、お菓子を作った職人の気持ちも、食べてる私も、外を走る車も、下校中の子どもたちの声も…それぞれがてんでバラバラに、己が道をゆくだけなのに、そこには調和が生まれる瞬間がある。誰も無理していない。頑張って空気を読もうとすることもない。本物の調和。互いが違うからこそ生まれる調和。私はこんな調和が好きなのです。

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黄色いのは粟餅。兵庫の白鷺堂本舗というお店のお菓子です。ごちそうさまでした。

2008年06月14日

和菓子作りに挑戦♪

6月14日
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 いきなり和菓子の登場ですが、これ私が作りました。白とピンクの微妙なグラデーションもきれいに仕上がってると思いません? えへへ。

 ご縁あって、今日は手作り和菓子教室に参加させて頂きました。作るのは「あじさい」「びわ」「朝顔」の3種類。まずは先生が作るのを見て、要領を把握します。煉切餡を使って形を作ってゆくのですが、見るのとやるのとでは大違い。全然思い通りにゆかずの悪戦苦闘です!

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 先生の手はふっくら。私が練切だったら、あんな手に包まれてみたいと思うだろうなぁ。
だから和菓子職人になったのか、それとも作りながら手も職人として成長していたったのか…?
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 「あじさい」の葉っぱに葉脈をつけて…ありゃ、曲がっちゃった。

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「朝顔」製作中。丸めた生地の上に濡れ布巾をかぶせ、真ん中を棒でギュッと押すと、花の立体感が生まれるのです。色のグラデーションを出すために、色分けされた生地を重ねて伸ばします
「あじさい」はアンコをクルッと巻けばOK。「びわ」と「朝顔」はアンコを練切で包み込みます。左手で丸くフワッと握るようにしながら回転させ、練切を伸ばしながら、アンコに服を着せてやるように。ちょっとシューマイっぽいかな? ひー、むずかしい!

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 何とか3種類、計6個のお菓子ができました。我ながら良くできた「朝顔」、見回りにきた先生が「おっ、上手くできましたね。これなら売りもんになります」ですって!うふふ。私は別名、煙。どこまでも昇りまっせ〜。
…でもね、白状します。これは別の角度から見た「朝顔」。破裂したお腹を羊羹の葉っぱで隠してました(涙)。
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 お世話になったのはこちらの製菓学校。もうすぐ始まるドラマ「あんどーなつ」にも指導・協力、及び「手元の出演」をしているそうです。

 さて、お味はというと…う”ぁぁ。
 見た目がいかに味わいの重要な要素であるか、痛感いたしました。もちろん見た目だけでなく、私が不器用に手の中で転がした時間とか、握った圧力とか、そういう微妙な何かも影響しているのでしょう。上等な材料のすすり泣きが聞こえてきそう。
 やっぱりプロはすごい!何の世界にしろ、その道をひた走ることのすごさ、尊さを噛みしめた一日でした。 

2008年06月21日

あじさい見物

6月21日
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 先日、久しぶりに鎌倉を訪れました。友人とあじさい見物です。まず目指したのは王道中の王道、北鎌倉の明月院、別名「あじさい寺」です。梅雨の只中にも関わらず、頭がひび割れるほどの晴天のためでしょうか、平日だというのに大賑わいでした。あまりの人混みに、一瞬「やめようかな」とさえ思いましたが、境内に入った途端にそんな憂いは吹き飛びました。あぁ、やっぱり美しい!来てよかった、と全身に喜びが行き渡ってゆくのでした。雨なら雨で、それも風情があってよかったのですが…。

 実は明月院の奧に菖蒲園もあると、いままで気付きませんでした。友人に教えられて初めて入園しました。地元の人間ほど、その地域のことを知らないものかもしれません。実際私も鎌倉を離れてから、ここの本当の良さを理解した気がします。親のありがたみにも云えるかもしれませんね。これから人類が宇宙にどんどん出張る時代がきたら、あぁ地球はなんて豊かで美しかったんだろうと痛感するのかも…。

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 つい楽しくて、はしゃいでいたようです。知らないうちに走り回ってる姿を写真に撮られていました。ひひひ。


 北鎌倉から電車を乗り継ぎ、さらに足を延ばして極楽寺の成就院へ。私の生まれ育った家から程近い名所ですが、子供のころはこんなに賑わってなかったような…。いつからこんなに有名になったのだろう。両側にびっしりと咲いたあじさいの路の向こうには、遥か海が見渡せます。ステキでしょ!
 でもね、子供のころは怖くて仕方ありませんでした。ここは海から山に抜ける切り通しで、夕方には鬱蒼と茂る木々で暗く、路の両側にはお墓とお地蔵様と防空壕。深夜ともなれば魑魅魍魎のダンステリアだもの。

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 何年か前にもあじさい見物をしたのですが、なんと気付いたら、その時と同じ着物を選んでいました。きっと私なりの「和」への願いなのでしょう。あじさいの色や美しさを邪魔しないように。同伴者や景色と競うことなく、互いの味を活かす装い。そんな想いで選んだら、こうなりました。帯は海辺を飛ぶ千鳥です。

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 円覚寺の境内で出会った言葉。気持ちがブレたときに、きっと力強い味方になってくれる言葉だと思います。

2008年06月29日

夏越しの大祓いに向けて

6月29日
 
 あれよ、あれよという間に今年も半年が過ぎてしまいました。いいこと、そうでもないこと。その全てが私という綾をなしてゆく。
 紬(つむぎ)は屑繭や真綿などの糸で織られ、生糸から作られたものよりも太く、節がたち、ムラがあります。だからこそ独特の趣きがあり、着込むほどに味わいが増し、着る人とそのものになってゆく。そんな紬が大好きです。どこかとても「人間らしい」気がするからでしょうか。

 もっと若いころ、何かが欠けているのがイヤだった。できないのがイヤだった。いつも完璧、あるいはそれ以上を、自分にも周囲にも求めていた気がします。今も向上心を放棄したわけではありません。けれど、完璧でないからこそ持ち得る強さ、優しさ、暖かさ、そして無限の可能性に惹かれます。

 今朝の朝日新聞に細馬宏通氏による《「やり直し」こそが会話》という記事が載っていました。人の会話の中には「云い間違い」があるのと同じように、動作の「やり間違い」もあるというのです。そしてこの「やり間違い」は単に動作の修正ではなく、言葉と動作の組み合わせを調整しているそうです。

 『もし、完璧な言葉や動作しか許されなかったとしたら、わたしたちの会話はあっという間に途絶えてしまうだろう。やり直しを受け入れ、お互いを絶えず修正する能力もまた、人の会話の優れた特徴なのだ』 (記事から抜粋)

 言葉は人の行動を。行動はその人の生きる姿勢を支える。そしてそれは、その人そのものになってゆく。ならば人間は失敗や間違いの中にこそ存在し、輝けるのかもしれない。バカで臆病で足りなくて、毎度々々やらかして、傲慢で、性懲りも無く反省して、必死でお互いに関わろうとして、がむしゃらでカッコ悪くて、それこそが人間なのかもしれない。どうしようもないけど憎めない。不完全で愛おしい。
 つくづく世の中に嫌気がさすときがあるけれど、それでもどうか、いつまでも人間を好きでいられるよう願うのです。紬糸のように、ゴツゴツ、節がたち、生糸のようになめらかで雅やかではないかもしれないけれど、暖かくて丈夫で、一生大事にできる「人と人の綾」を作ってゆけたらいいな。

 明日、6月30日は夏越しの大祓。生活の中で知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを祓い清める日です。誠の心に帰って正しく生きることを願って茅の輪をくぐったり、形代(かたしろ)を用いて罪穢れの消滅を祈願します。

 今年も上半期を無事に過ごせたことを感謝し、下半期に向けての誓いを新たにします。
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2008年07月05日

涼を求めて

7月5日
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 一気に暑さがやってきました。今までわりに過ごしやすかっただけに、こたえます。これからは見えない触覚をフルに働かせて涼しいもの、涼しいものへと寄り添ってゆくのでしょう。
 涼しさは目で見て、音に聞き、匂いたち、味わえるもの。エアコンだけに頼っていると、せっかくの夏の楽しみも半減してしまうかも。どうかいろいろな涼しさを発見できますように。

 今日のお菓子は「夕涼み」。羊羹で作った葉っぱが瑞々しい。中は白餡です。この形と菓銘から久隅守景(くすみもりかげ)の国宝・納涼図屏風が浮かびます。ほのぼのとした、やさしい涼しさですね。

 そしてダイナミックな天然エアコンと呼ぶにふさわしいお軸。力強く「瀧」と書かれた横には「直下三千丈」の文字。1丈は1尺の10倍なので、約3メートルとして9000m。どんだけぇ〜!!まるで天から降ってくるがごとく。そりゃ涼しかろうに。
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 今季はじめての夏キモノに袖を通しました。夏の幕開けは小千谷ちぢみ。水色地に花や蔦を織り出した、麻の気軽な一枚です。真昼の暑さの中では、直下三千丈とまではいきませんが、滝の汗。それでも風があると、スーッと抜けてゆく気持ちよさは麻特有の快感です。

2008年07月06日

浴衣はじめ

7月6日
 
 今年も浴衣の季節になりました。この夏はじめて袖を通したのは、去年自分で縫ったもの。生まれて初めての自作です。そうとう柄合わせには神経を使い、自分のなりのベストを尽くしたつもりだったのですが、それでも一年経ってみると、気になる箇所もチラホラ。

 人付き合いも、ひょっとすると柄合わせに似ているかもしれないと思いました。いく通りにも付き合い方や距離感があって、最善と思うように一針ずつ縫い合わせていく。そのときは精一杯でも、後になって「まだ他にもやり方があったんじゃないか」「本当にベストだったのか」と己の来た道を顧みてしまいます。後悔することもあります。それでも出来上がった「いびつ」なものに愛着がないわけでもない。その時、その人と関わって得た何かはたしかにあるのですから。

 それにしても暑いですねー。うちわが家中のあちこちで待機してます。いつでも手を伸ばせば、そこにある…うちわさん、この夏もよろしくね。  
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2008年07月08日

七夕の夜

7月7日

 七夕は今年から「恋の日」でもあるそうです。今夜もたくさんの恋が語られ、灯されたことでしょう。恋は男女のものだけではなく、「好き」という気持ちのすべてのキラメキの中にあるのだと思います。

 きらきら、きらきら。
 世界中がキラメキでいっぱい輝いたら眩しすぎるかしら?

 少なくとも、暗くて寂しい夜道を照らしてくれるぐらいの灯りであってくれたらいいな。どうか、あなたが怖がらないですむぐらいに。

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 今日はタレントであり、キャンドル・アーティストの西尾祐里さんとご一緒しました。彼女は墨色に紫の花を散らした浴衣を着て、モダンでとてもキュートでしたよ!
 生放送中、スタジオの電気を消して、彼女の作ったキャンドルを灯しました。炎が照らし出したのは、ぬくもりのある、ゆっくりとした時間。
 「100万人のキャンドルナイト」の最終日でもある今夜、環境問題や世界のことを考えるのと同じように、みんなが自分の中を照らせたらいいなと思いました。普段は奥深くに押し込めている自分を解放してあげて、心の声を聞く。カラダの声を聞く。そして無理してる自分を少しでも元気にしてあげられたら、って。            
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2008年07月18日

毎日新聞社にて、エコ講座

7月18日

 『和の精神で涼しく』エコ講座にお越し下さったみなさん、どうもありがとうございました。

 普段、慣れている「イェーイ♪」な、ノリで行けちゃうイベントとは違うので、実のところ私もどうなることか…ちょっとドキドキでした。どういう方々が来てくれるのだろう。どんな内容を期待されているのだろう。全てが手探りでした。実際に参加してくださった方の多くは、明らかに私よりも人生経験も知識も豊富だろうと見受けられる方々。けれども皆さん辛抱強く(?)話に耳を傾けてくださり、本当に感謝しています。

 内容は「ホリスティックな視点・捉え方」を中心に、着物がどうエコに繋がるのか…などでした。その時の様子が本日の毎日新聞(7/18朝刊)に載っています。 画像の確認


 一時間のお話と、その後30分の質疑応答の中で、どれほどの成果があったのかはわかりませんが、私にとっては素晴らしい経験でした。参加者からの質問を受けることで、逆に私が学んだり気付いたりすること多く、有意義な夜になりました。

 コメントを書き込んでくださったPAPAさん、恐れ入りました!
「寝るときは何を?」という質問に「ガーゼの浴衣かトレーナー」なんてつまらない答をしてしまいました。模範解答は…シャネルの5番。むぅ〜、やられた。
 私もまだまだ頭が固い未熟者です。今後とも、皆様どうかご指導のほどよろしくお願い致します!!!!

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 終わってホッとしたところで、運営のキーマンたちと記念撮影。
 麻の小千谷ちぢみに、すくいの八寸帯。海の日も間近ということで、帯はパラソルや浮き輪を織り出した海辺の景色です。

 それにしても「先生」と呼ばれるのだけは、どうにもご勘弁願いたいと深く感じました。

2008年07月26日

Tell It To Your Heart

7月26日

 道草を食う。ある人にとっては「ダメ」なことかもしれまない。でも私は道草が大好き。目的に向って最短の正規ルートをひた進むのも一つのやり方だけれど、それとは違う方法があっていいと思う。道草を食ってるうちに、当初の目的とは別の…ひょっとするともっと大きなものを見つけるかもしれない。ふらふら。ブラブラ。
 ブラブラ。ふらふら。それを「ぬるい」という人もいるでしょう。でも目的や目標、あるいは「自分」というような「決められた枠」の中だけですったもんだしてるのも、やはり「ぬるい」。

 道草を食いながら、ときに石にケッ躓き、どんな大きな岩かと思って見れば、これが案外ちっぽけな石だったりする。痛ぇーじゃねーか、ちきしょー。小石のあまりの小ささに腹を立て、また腹を立ててる己の小ささに苦笑いする。それも道草の楽しさ。
 道草には理由も、弁解も、正当化もいらない。したいから、した。それだけでいいじゃないか。
ルー・リードは歌ってる。さぁ、明日私はどこを歩いてるだろう。

      Tell It To Your Heart, Don't Be Afraid

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和裁のお稽古中、衿の部分につける「力布」で遊んでます。人生、笑ってるのがいいね。

 

2008年08月02日

生まれる

8月1日
sha.jpg夏の薄ものは、下の白い襦袢が透けるのが涼しげで楽しいです。気楽な八寸の帯に青いトンボ玉の帯留めを。


 8月は親友との久しぶりのデートで幕明けた。不思議なもので、いい友達というのは絶妙なタイミングで必要な言葉を放ってくれる。別に示し合わせたわけじゃない。なのに、ここぞという時に現れるのだ。またしても彼女にパワーをもらった。ありがとう。…でもちょっと飲み過ぎ。プハー。ほとんど下戸の私はフラフラでした。

 帰り道、空き地に群生した猫じゃらしが闇にぼうっと浮かびあがり、とてもきれいでした。月明りはないのに、どこの光を反射させているのだろう。きらきら。お酒の力もあったのかしら。体中にみるみる野生が沸き上がった。猫になる。虫になる。風になる。自分になる。自分を押殺して模範囚を装ったところで、人生という檻に恩赦はない。この胸のささやきに素直になろう(って、犯罪はダメよ!)。

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 7月はいきなりの酷暑に見舞われ、体も気持ちも何だかペースが掴めないでいた。もっとも振り返ってみれば、去年の夏からずっと熱に浮かされていたようにも思う。秋も冬も春もなく、ずっと夏を引きずったまま、気づいてみれば…今。この暑さや、日々の忙しさや、現実感の曖昧さやアレやコレやで、油断するとすぐに心がはぐれてしまいそうになる。しっかりしよう。しっかり自分でいよう。今日から8月。私の誕生月だ。

 

2008年08月03日

あさがお一号 & お知らせ

8月3日                      asagao.08.jpg
         
 この夏の朝顔さん、第一号。これは何年か前の朝顔市で購入した朝顔の子孫で、種を採っては、毎年咲かせています。咲くまで何色の花か分らないのが楽しみを倍増させています。ひょっとしたら購入した鉢植えは、何色かの朝顔を寄せ植えていたのかもしれませんね。それがまた段々と交じり合っていってるのかも。

     ♪わけりゃ二つの朝顔なれど、一つにからんで花が咲く♪

 こんな都々逸がふいに口をついて出たりして。ふふふ。色っぽいですね。

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 このところ気に入ってる取り合わせです。墨流しは古典的な染法なのに、どことなくポップ。サイケ・カラーな麻の半幅帯と好相性。

*お知らせ*
『ブナの葉』に新しいカテゴリーが出来ました。
毎日、憂鬱になるニュースがしきりと報じられています。情報は情報として大事だけれど、バイブスは伝染するからね。ドンヨリしちゃいます。ならばグッドニュースをもっともっと広めたらどうかなと思いました。
 楽しいニュース、ホッとするニュース、うれしいニュース。そんなちょっとした『元気便り』です。

2008年08月07日

雲を見上げる

8月6日

ときを越え、なにを想う、頭巾雲
 敵も味方も ひとえに祈らん

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*特別番組のお知らせ*
8月10日(日)25:00〜25:30 東京FMにて、映画「アクロス・ザ・ユニバース」をご紹介する特別番組をお届けします。ビートルズの名曲とともに語られる愛の物語。

『アクロス・ザ・ユニバース〜33曲に秘められたストーリー』 どうぞお楽しみに。

2008年08月18日

納涼歌舞伎〜つばくろは帰る

8月18日

 おととい、久しぶりに歌舞伎を堪能しました。演目は「つばくろは帰る」。母を訪ねて、たった一人で京へ上る子供と大工の棟梁が出合うところから始まる人情劇です。親子の絆、男女の情、男の器量、女の義理。様々な心模様が交錯しながら展開する物語に思わず泪がポロリ。
 話が進むにつれ、季節も移り変わります。冬には雪が舞う場面もありました。ものすごい猛暑を記録したこの日、歌舞伎座は冷房も弱く、劇場内は暑かったんですが、不思議と冬の気分にちゃんとなれました。雪を表す太鼓がドンドンドンドン…と低く響くと、しんしんと冷えてくるような。人間の感覚ってデリケートですね。そんな感覚を上手に遊んで、残暑を乗り切りたいものです。

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 それにしても「物語だから…」と云ってしまえばそれまでですが、大工の文五郎の男気の気持ちいいこと。そして文五郎の器量を見込んで借金の肩代わりをする旦那の心意気。愛と義理の狭間で苦しみながらも、きっぱりと筋を通す芸妓の凛々しさ。時にはこういう物語に触れ、グダグダの自分を叩き起こさないとね。