お金があれば助かる。お金は「チャンス」の一つである。品物を買うチャンス。どこかへ行くチャンス。学ぶチャンス…etc.。でもそれがすべてじゃない。無ければ無いで、他の方法だって考えられるはず。むしろお金ではどうにもならないものが沢山ある。そのどうにもならないものこそ、我々にとって大事なものだったりする。分っているはずなのに、いつのまにか「お金」そのものが「目的」になり、お金に振り回され、お金によって崩壊してゆく。そして、その「お金」もまた崩壊するとしたら?
青木秀和さんの『お金 崩壊』(集英社新書)は興味深い一冊である。
《社会でモノやサービスを購入するお金と、バーチャルな金融市場を行き交うお金とが乖離してしまったのである。私たちの社会は、そんなお金の暴走に翻弄されている。「お金とは何か?」という根源的な問いかけから出発し、財政赤字、年金制度、グローバリズム、エネルギー問題など様々な論点に迫る》
=表紙の袖から抜粋。
政治経済が苦手分野の私には、正直ちょっと頭が痛くなる内容ですが、面倒だからと知らん顔できる事態ではないことに衝撃を受けます。「うへっ!」と何度、トンマな声をあげたことか。中でも資源やエネルギー問題に関する記述は乞う必読。
「グリーン・シフト」という言葉も定着してつつあるが、それはつまり「価値観のシフト」なくしてはならないのだと思う。

中日新聞の書評→http://www.tokyo-np.co.jp/book/shohyo/shohyo2008051802.html