近年「家族葬」という形式の葬儀を選ぶ人が増えています。家族葬には、昔ながらのお葬式である一般葬とは違う利点がありますが、注意すべき点がないわけではありません。
この記事では、さまざまな角度から家族葬について解説していきます。ご自身や大切なご家族の葬儀形式を決める際のご参考にしてください。
家族葬とは
家族葬とは、家族や親しい友人などの少人数で行う葬儀のことをさします。
特に何親等まで呼ぶべきといった決まりはありません。また、家族や親族以外に故人と特に親しかった友人などを呼ぶケースもあります。
家族葬が増えている背景
大切な家族をお見送りする形として家族葬を選択する人が増えてきた背景には、社会の変化があります。
・ご近所付き合いの希薄化
従来のお葬式ではご近所の方にも幅広く参列していただくのが一般的でした。しかし、近年では葬儀に参列していただくほど親しく近所付き合いしない人も増えています。
・高齢化
仕事を引退してから長い年月が経つと、元の職場関係の人と疎遠になりがちです。また、高齢な方ほど友人がお亡くなりになってしまったり、健康上の理由で参列できなくなったりします。
・経済状況の悪化
遺族に経済的な負担をかけたくないとして、生前に本人が小規模な家族葬を希望する場合があります。また、高齢化により介護が必要な期間が長くなり、故人の資産が減少したため葬儀にお金をかけにくいという傾向もあります。
このような社会の変化により葬儀に参列する人数が減り、少人数の家族葬が好まれるようになってきたのです。
家族葬にするメリット
家族葬には、具体的にどのような利点があるのでしょうか。メリットを把握すると、どのような葬儀をあげたい場合に家族葬を選ぶとよいか判断しやすくなります。
家族葬には、以下のようなメリットがあります。
・費用を抑えられる
参列者の人数が少ないため、飲食代や車代などが抑えられます。
・故人の趣味や希望を反映できる
宗教にとらわれない自由な形でお見送りしたいとして、家族葬を選ぶケースもあります。お寺や斎場ではなく飲食店やホテルで葬儀を行うレストラン葬や、音楽でお見送りする音楽葬などが代表的です。
・親しい人のみで静かにお見送りできる
一般葬の場合、大勢の参列者への対応に追われて充分なお別れができない可能性があります。その点、家族葬は人数が少ないため静かにお見送りできるでしょう。
家族葬にするデメリット
家族葬には素晴らしいメリットがあると分かりました。しかし、家族葬にはデメリットもあります。注意すべき所を事前に把握しておけば対策できるので、しっかり確認しておきましょう。
家族葬のデメリットは、以下のようなものがあげられます。
・集まる香典が少ない
少人数のため、香典の総額が低くなる傾向があります。香典を葬儀の費用にあてることも多いため、注意が必要です。
・後から弔問に訪れる人への対応が必要
故人に人徳があった場合、葬儀に参列できなかった人が「お線香だけでも」と弔問に来ることがあります。部屋を片付けたり、香典をいただいた場合は香典返しを用意したりする必要があるかもしれません。
・しきたりを重視する関係者から非難される可能性がある
昔ながらの幅広い関係者に参列してもらう葬儀とは違うので、「故人や親戚を軽んじている」「参列したかった」などと言われてしまうケースもあるようです。
しきたりを重視する家柄や土地柄の場合には、事前に親戚や地域の主だった人に理解を求めるとよいでしょう。
家族葬の流れ
家族葬は、基本的には一般葬と同じような流れで行われます。
ただし、故人や遺族の意向であえて一般的なお葬式とは違う形でお見送りする場合もあるでしょう。その場合、葬儀の間に何をするか決める必要があります。アイデアに困ったときは葬儀社に相談すると事例も交えて提案してくれるでしょう。
和泉市の家族葬の費用は低価格?
家族葬の葬儀全体に必要な費用は、全国平均で120万円程度です。
参列する人数や地域、内容によっても異なるため一概にはいえませんが、相場は40万円~150万円程度です。出来れば合い見積もりをとり事前に内容をよく確認してから申し込みましょう。
しかし和泉市の家族葬では20万〜で出来るので全国に比べると割安です。
費用を抑えたいため家族葬を選ぶ場合は、安い金額の葬儀社を選びがちです。内訳を確認せずに申し込んでしまうと、必要な項目が含まれていなくて追加料金が発生する可能性があるのでよく確認しましょう。
家族葬に参列するときの服装
家族葬でも、一般葬と同じように喪服で参列するのが基本です。
ただし家族葬の場合は親しい人のみでお見送りするため、喪主から「平服でお越しください」と連絡がくるケースもあります。平服(略喪服)と指定されたら、華美ではない地味な色の服装で参列するとよいでしょう。
家族葬に呼ばなかった人への対応
家族葬では、葬儀の前に訃報を多くの人に知らせないようにします。家族葬に呼ばなかった人へは、訃報を兼ねた挨拶状を葬儀後に送りましょう。
親戚や親しい人が家族葬をする場合の注意点
家族葬を検討する際によくある疑問点を解説してきました。
それでは、自分が家族葬に呼ばれた場合や、家族葬に呼ばれなかった場合はどうすればよいのでしょうか。
ここからは、身近な人が家族葬をする際のマナーなどを解説していきます。
家族葬に呼ばれた場合のマナー
家族葬は、故人と親しい人のみでお見送りする葬儀形式です。葬儀に参列する際、一緒に参列したいという人がいても遺族に確認せず同伴するのは控えましょう。
家族葬の場合、香典はどうすればいいのか
家族葬でも香典を渡すのが一般的なマナーです。関係に応じ、相応の金額を包みましょう。家族葬に呼ばれなかったときは、参列する人に一緒に持っていってもらうように依頼するか、現金書留で送ります。
後日、弔問に伺う場合は持参しましょう。
ただし、家族葬では香典辞退するケースも多くあります。香典を辞退するという意向が明確に示されている場合は、無理に渡すのはやめましょう。
まとめ
家族葬は、大切な家族を温かい雰囲気でお見送りしたい方に向いている葬儀形式です。葬儀について検討中の方は、家族葬も候補に加えてみてはいかがでしょうか。